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思い付きの短編集

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思い付きの短編集

1 - 入道雲の先へ

♥

60

2025年09月06日

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『ねぇ、どうして君はいつも鶴を折るの?』

濃く、鮮やかな青が入道雲と混じり合う季節。


君はいつものように白い壁、

アコーディオンカーテンの内側から

丁寧に折り鶴を作っていて

思わず僕は長年思った問いを口にしてみた。


僕のその問いかけに君は困ったように顔をほころばせた


「千羽鶴を作るんだ。

お兄ちゃんから初めて教えてもらった鶴をお兄ちゃんのために。」


『でも、君のお兄ちゃんって…』

そう言いかけた僕を遮るように君は言葉を発した


「わかってるよ。」

「でも…折りたいんだ。」


弱々しく、でもはっきりとした芯を持つ表情でこちらを見つめる君。


(自分のために作ればいいのに……)


そう思う気持ちをグッとこらえ、下唇を噛んだ。













ある日。



一本の電話が鳴った

君の訃報だった__







いつもとは違う白い壁の個室、

整われたベットに君は横になっていた。


看護師からもらった最後の1枚。


僕は不器用ながら君との思い出を

折り鶴に織り込み、

最後の1羽を君の隣へ置いた。


きっと、この折り鶴が入道雲の先まで飛んで

この思いを  空の、そのまた奥に居る

君と、君のお兄ちゃんまで連れていってくれる。



いつか、僕が折り鶴に乗って入道雲を超えた時、

君は僕に「頑張ったね」って

いつものように笑ってくれるだろうか。


いつも見上げていた鮮やかな青は

優しく横にいてくれた君のように、

僕に微笑んだような気がした。



この作品はいかがでしたか?

60

コメント

6

ユーザー

間違ってたら本当申し訳ないのですが、、 ハムちゃんですか、、!?

ユーザー

素敵

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