テラーノベル
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白い炎を纏って海上で消滅してゆくクラーケンを眺めながら、ニティアがゆっくりと甲板へ降り立ってきた。
「お二人ともお見事でした」
ニティアが着地すると同時に、カエデがニティアとルシオの2人に声をかける。
「ニティアが込めてくれた魔法のおかげだけどな」
「カエデが使ってくれた撹乱魔法のおかげよ。視覚じゃなくて魔力を使った撹乱。いい勉強になったわ」
「ひとまず、船に被害が出なくて何よりでしたね」
落ち着いた様子でペンを胸元にしまうカエデ。そんなやりとりをしていると、船員達が続々と集まってくる。
「あのクラーケンを……!」
「カエデ様、ありがとうございます!」
「お嬢ちゃんが飛んだ時はびっくりしたが、たいしたもんだ!」
「死ぬかと思った……」
皆が感謝の言葉を述べながらも、改めて各員配置につき、アマテラスへ向け再出発をしていった。
パチッ……パチッ……
海上で燃えゆくクラーケンを横目でチラッと眺めるニティア。
「あ……」
無意識に漏れ出した声に、ルシオが反応する。
「ん?どうした?」
パチッ……パチッ……
「イカ……食べられなかったわね」
「お、おう……」
わざとらしく笑うニティアに、ルシオは苦笑いをすることしかできなかった。
⸻
「ん〜……やっと着いたぁ!」
陸地に着き、大きく背伸びをするニティア。
「まだ揺れてます……」
「うぅ……」
カエデとルシオに支えられるアルテアとフィニス。
「まぁ初めて乗るんじゃ仕方ないわな……」
「アルテアさん、大丈夫ですか?」
陸地に着くなり、2人ともその場でしゃがみ込んでしまった。
そんな2人をスタスタと抜き去り、歩いているエラリスに、ニティアが声をかけた。
「エラリスはもう大丈夫なの?」
「食べ過ぎて気持ち悪かっただけだからね。船に乗る時は食べる量に少しだけ気をつけるよ」
「少しなのね……」
しばらくして、フィニスとアルテアの体調が回復したことを確認すると、カエデが改めて5人に話し始めた。
「ここがアマテラス国の港町。夕凪港(ユウナギコウ)です。出迎えがないことや、周りにも漁業関係の人しかいなさそうな様子から見るに、中心街のアマテラスの復興作業が思うように行っていないのかもしれませんね」
誰かを探すかのように、周りを見回しているカエデ。
「アマテラスはここから近いのか?」
まだ若干の気持ち悪さが残っているのだろう。胸をさすりながらカエデに尋ねるフィニス。
「はい。確か……」
フィニスの問いに返事だけして、急に歩き始めるカエデ。少し離れたところまで行くと、手招きをして皆を呼び寄せる。
「ここから見えるあそこ……所々崩れてはいますが、あそこがアマテラスの王が住んでいた城。暁城(アカツキノシロ)と呼ばれる場所です」
木々の合間から見える、高台に聳え立った城を指差すカエデ。本来であれば立派な城なのだろうが、魔女の襲撃により半分以上が崩れ去っていた。
「……すごいな」
「ええ」
「物資については積み卸しが終わったら待機してもらいます。先に私たちで城へ行き、物資をどのように使うのかは先方の判断を聞いてからにしましょう」
一度船の船員に指示をしに戻るカエデ。一通りの指示を終わらせると、皆と共に夕凪港を出立。アマテラスへ続く林道へと歩いていくのであった。
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花月夜れん
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コメント
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うわぁ〜第93話読み終えたよ!✨ クラーケン戦、めっちゃかっこよかった…! ニティアの魔法とカエデの撹乱、連携が美しすぎる😭💕 そして戦闘後「イカ食べられなかったね」ってニティアが言うところ、なんかほっこりしたw 緊張が一気に和んだ感じ👌 アマテラス到着して、崩れた暁城を見上げるシーン、これからどうなるんだろう…ってワクワクが止まらない! 次も楽しみにしてるよ〜🌸