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No.3〜無関心〜
それから30分ほどで、玲が手伝ってくれたのあって荷造りが終わった。
それでも凛海の涙は止まっていなくて流石に声をかけた。
「凛海、」
「…瞬…っ」
「うぉっ」
急に凛海が抱きついて来て、いくら幼なじみでも流石にびっくりした。
「え、何びっくりした」
「死なないで…っ」
「生きてよ…ずっと3人で生きようよ…」
「居なくならないでよ…っ」
と今にも消えそうな声でそう言った。
「大丈夫大丈夫。そんなすぐに居なくなんないよ」
「そう言うことじゃない…っ」
それからしばらくして、泣き疲れたのか凛海は眠ってしまった。
なんとなく起こすのは気が引けて、俺と玲はリビングの机に座っている。
「余命とか宣告されたのか…?」
俺の正面に座るなりそんなことを言う玲。
「ううん、詳しいことは言って貰えなかった。」
「多分正確には分かってないんだと思う。」
「そっか…」
そう言うと玲は机に視線を落とした。
「なぁ玲。」
「…ん?」
「入院したらさ、お見舞いとか来てくれる?」
「毎日でも行ってやらー。w」
「ありがとwww」
2人とも部活があるからそれは難しいかもしれないけど、
その気持ちだけで俺は嬉しかった。
「あ…時間やばくね?」
「うわほんとじゃん」
「凛海おぶれそ?」
「何回やったと思ってんだよw」
そんな会話をした数分後、玲は凛海をおぶって俺の家を出た。
親はほぼ帰ってくることがないし、
入院のことだって伝えなくていいかなとか呑気なこと考えてたけど、
流石に入院費とかいろいろあるし電話した。
その時俺の親は_
「…いくら?」
としか言わなかった。
会わなくなって忘れていた。
そうだった。俺の親は
息子である俺に無関心だった。