テラーノベル
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続きです
あ、あと、今日大会で自己ベスト出た!!
うぇーーーーーい。100m出ました。
本編どぞ、
新幹線の改札を抜けた瞬間、鼓膜を震わせたのは聞き慣れた、そして最高にうるさい爆音だった。
永久 「―――なんで迎えがあんたなの。目立つんだけど。今すぐ消えて。」
マイク 「YEAHHHHHHHH!!!!!!!!!!!! おかえりリスナー! 福岡の空はどうだった!
翼の男とのセッションはゴキゲンだったかぁ!?」
金髪を高く逆立てたプレゼント・マイクが、駅のコンコースでこれでもかとポーズを決める。
当然、周囲の視線は一斉にこちらに集まった。
永久 「マジで最悪。7m、、いや、10m離れて歩いて。他人だと思われたい。」
「あ! プレゼント・マイクですか!?!? 本物!? 握手してください!!」
「いつもラジオ聴いてます!! ラジオネーム『アップルパイ』です! 分かりますか!?」
マイク 「YES!!! アップルパイ! いつもお便りありがとうな! 投稿、全部チェックしてるぜYEAH!!!!」
そこからが長かった。ファンサービス精神が旺盛すぎる教師は、一人一人に丁寧に応対し、
即席のサイン会まで始まりそうな勢いだ。
永久 「ねー、、はやく。置いていくよ。」
マイク 「おっと、これ以上はスケジュールがデッドヒートだな! じゃあリスナーのみんな!
今夜の電波、もしくは液晶の向こうでまた会おうぜ! STAY TUNE!!!!」
黄色い声援を背に、永久はぶつぶつと文句を言いながらマイクの車に乗り込み、
ようやく雄英の敷地内へと戻ってきた。
車が寮の前に滑り込んだとき、時計の針は正午を少し回ろうとしていた。
永久 「はぁ、、あんたがもっとスマートに動いてくれたら、今頃ランチ終わってたのに。」
マイク 「ごめんって! 今度購買で美味いもん奢るからさ! 許せよ、マイ・リスナー!」
現在は午前11時49分。 本来なら全生徒が本校舎で授業を受けている真っ最中だ。
永久も合流すべきなのだが、今回は福岡からの長距離移動、
そしてホークスとの超過酷なインターンという特殊な状況が考慮されていた。
マイク 「福岡帰りって結構きちーだろ? 相澤も『あいつは無理しすぎる傾向がある』
って不満そうだったけど、今日は特別に出席扱いにしてやるから、ゆっくり休めよ。あいつ、意外と優しいよな?」
相澤のその配慮が、教え子への信頼なのか、それとも単なる冷却期間なのかは分からない。
けれど、永久にとっては願ってもない静寂だった。
永久 「、、暇なんだよね。外出届出すのも面倒だし。」
自室に戻った永久は、とりあえずベッドにダイブした。 静かすぎる寮。誰もいない廊下。
福岡でのあの目まぐるしい日々――ホークスの速すぎる羽、激辛のスープ、
そして何より、自分の心の中に芽生えたドロリとした嫌悪感と、それを否定しきれなかった葛藤。
それらを無理やり脳の隅に押しやるように、永久はゲーム機を手に取った。
集中。没頭。 画面の中の敵をなぎ倒し、ステージをクリアしていく作業に没頭しているうちに、
窓の外はすっかり茜色に染まっていた。 気づけば、17時。
一般科の生徒たちはとっくに下校を始めている時刻だが、ヒーロー科の面々は相変わらずだ。
本校舎や演習場で、血の滲むような自主練に励んでいるのだろう。
永久 「、、せっかく、帰ってきたのに。」
誰もいないリビングに飲み物を取りに行ったとき、ふと胸の奥が熱くなった。
ほんの少しのヤキモチ。 みんなが必死にヒーローへと近づこうとしているその輪の中に、
今の自分はいない。 部屋に戻り、あらかじめ済ませておいた風呂の湿り気を髪に残したまま、
永久はパジャマに着替えた。18時12分。敵愛永久、就寝。
あまりに早い眠りは、現実からの逃避でもあった。
その数十分後。 寮の玄関が騒がしく開き、泥と汗の匂いをさせた1-Aの面々が雪崩れ込んできた。
切島 「あー、、疲れたぁぁ!! 腕、もう上がんねぇ!」
上鳴 「今日の相澤先生マジで容赦なかったって! 抹消されてる間の体術訓練、死ぬかと思ったわ、、」
芦戸 「いっつもだけど、今日は一段とスパルタだったよねー。インターン組の気合に当てられたのかな?」
緑谷がタオルで顔を拭いながら、ふと掲示板の帰寮者名簿に目をやった。
そこには「敵愛」の名が既にチェックされている。
緑谷 「、、あ、そういえば、永久ちゃん。今日帰ってくるって言ってたけど、もう着いてるのかな?」
切島 「確かにな! 帰ってきてるのか怪しいくらい静かだけど、、まだ部屋で荷解きしてんのか?」
上鳴 「いや、案外リビングでゲームとかしてんじゃね?」
蛙吹 「ケロ、、。顔を見ておきたいけれど、疲れているのかしら。見に行ってみる?」
心配そうに階段を見上げる一同の中で、爆豪だけがガシガシと頭を掻きながら、鼻で笑った。
爆豪 「見に行かなくていいだろ。あいつはもう寝てるわ。」
瀬呂 「えっ、爆豪、なんで分かんだよ?」
爆豪 「あ? 6時過ぎに『おやすみ』ってメールが来てたんだよ。てめぇらには来てねぇのかよ。」
峰田 「、、来るわけねぇだろぉぉぉぉ!!!!なんで爆豪だけなんだよ!
差別だ! ヒーローにあるまじき不当な格差だぁぁぁ!!」
「うるせぇ、死ね!!」と峰田を蹴飛ばしながらも、爆豪はそのまま自室へと続く階段を上がっていった。
20時を回った頃。 爆豪は自分の部屋でプロテインを流し込んだ後、ふと思い出したように廊下へ出た。
永久の部屋の前。明かりは漏れていない。
(、、チッ、本当に寝てやがんのか。)
普段の爆豪なら絶対にしないことだが、彼は音を立てずにドアノブを回した。
鍵はかかっていない。不用心なその性格に苛立ちながらも、彼は隙間から中を覗き込んだ。
カーテンから漏れる月光に照らされて、永久がベッドで丸まっていた。 普段の鋭い視線も、
人を突き放すような冷たい態度も、今の彼女にはない。 口をわずかに開けて、
少しだけあほ面を晒しながら、泥のように眠っている。
爆豪 「、、、、。」
爆豪の眉間の皺が、わずかに緩んだ。 福岡で何を経験してきたのか、
その免許の裏側にある葛藤が何なのか、彼はまだ知らない。
けれど、こうして無事に帰ってきて、自分の領域で無防備に眠っている姿を見て、
胸のつかえが少しだけ取れたような気がした。
爆豪 「、、たく、勝手に帰ってきて勝手に寝てんじゃねぇよ、クソ永久。」
ごく小さな、自分にしか聞こえない声で呟き、爆豪は優しくドアを閉めた。
明日になれば、また言い合いをする日常が始まる。それでいい。それがいい。
爆豪は自分の部屋へと戻る足取りで、ほんの少しだけ口角を上げた。
はい、どうでしたか。
2991文字。
終わります。
コメント
11件
感想言えんごめん、、言えたら言う 今回も最高やったよ
見るの遅くなってごめんね🙇♀️💦 今回も良かったよ!続き楽しみにしとるね〜! けど無理厳禁よ‼️
写真撮れ写真(((はいすみません調子乗りました めちゃ良かった!! 続き楽しみ!