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憧れだったあなたと。

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憧れだったあなたと。

10 - 第10話 【ピンク注意】

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2022年05月03日

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遊び疲れたのか、はたまた頭痛が悪化したのかすぐに疲れてしまった。


「はぁ疲れた…もう寝るか?」


そういうと三角頭はこくんと頷く。しかし、彼はどうやって寝るんだろうか…そもそも人なのかどうか分からないから余計気になる。俺が毛布に包まりながら三角頭を見ていると、彼は壁にもたれた。あ、そうやって寝るんだ…。


「うーん…」


その寝方は流石に息が苦しくなると思う…まぁどうやって彼が息をしてるのか俺には見当もつかないが、もしかすると気を遣っているのかもしれない。本来彼が寝るはずのベッドに俺がいるから…。だとしたら申し訳ないな…こういう気遣いには全く慣れない俺からしたら落ち着かない。それに、三角頭がもしも無理をしているならそれこそ目覚めも悪くなる。


「なぁ、一緒に寝ないか?」


別にやましい事なんて一つも考えていなかった俺はこの言葉を言って後悔した。いや、良かったのか?…とにかく、彼はすんなりとベッドに近づき、俺の寝ている横に寝そべった。近くで見るとより一層大きな頭に少々驚いてしまう。コォォという音とほのかに感じられる彼の温かさが余計に睡魔を呼び起こす。うとうとして次に瞬きをすれば眠ってしまうのではないかと思った瞬間。


「…ん?」


何か硬いものが俺の腹部辺りに感じられた。ナイフはシースに入れてこの部屋にある棚に置いていて今は何も持っていない。しかも妙に熱い…この時の俺は相当寝惚けていたのか”それ“が何か瞬時に理解出来なかった。試しに触ってみれば先の部分が少し濡れていて冷たい。一体これは何なんだろう?三角頭の方をみれば、ずっとこちらを見ていた。しかも少し呼吸が荒い…。


「え、」


どうしたんだと言おうとした途端、急に頭を掴まれ今まで俺に当たっていた“それ”に顔を近づけられた。いきなりだったこともあり状況が出来ず、呆気なくそれが口の中に入って来た。


「んぐっ?!ん”んぅ!」


バンバンと彼の背中を叩くが、逆効果だったのか更に頭を押されて口の中にそれが入ってくる。苦しい、喉が圧迫されて息が出来ない。そんな事もお構い無しに三角頭は俺の頭を動かして行く。


「んぶっ、ん”ぅっ…ん”〜!」

「……っ!」


急に彼の体が跳ねたと思えば口の中に広がる青臭い臭いと熱い液体。咽せて咳き込めば急に毛布が剥ぎ取られ露わになる彼のもの。こんなに大きいのを容易く口に入れていた俺に内心驚いている。そんな事より、どうして三角頭がこんな事になっているか考えなければ。えっと、俺は三角頭が気遣って床で寝ると思って一緒に寝ようって提案して、彼もそれを受け入れて…え、興奮する要素なんてあった?


「どういう事?」


この状況、一体どうすればいいんだ?俺は何をすれば?え、誰か助けて?部屋に響き渡る彼の呼吸音が余計に嫌な方の考えが膨らむ。未だに露わなままのそれが目に入って仕方がない。


「あの…それ…っそれ、しまって!」


何故か自分の方が恥ずかしくなってしまい毛布を彼に投げて目を背けてしまう。俺だって男だが、流石に隠す事もなくじっとこちらを見つめられると目のやり場に困ってしまう。え、俺の方がおかしいのか?て言うかさっき俺、三角頭のアレをく、咥えてたよな!?もう恥ずかしすぎて何も考えられない…男が男のものを咥えるなんて…もう俺のプライドはズタボロだった。


「うぅ…なんでだよぉ〜…」


一体どこから間違えたのか…。と思った瞬間、突然体に浮游感を感じた。抱き締められてる…のか?肩に乗せられた頭から聞こえてくる呼吸音がくすぐったい。そして未だに背中に感じる硬くて熱い彼のもの。まだ勃つのか?興奮する所なんて一つもなかっただろ?!


「あ、あの、俺…何かした?」


涙目になりながら彼にそう聞くと三角頭は俺の掌に指で書き始めた。紙で書くのが面倒なんだろうか…。


ー君が悪いー

「え、どう言う事!?」

ー君が私を誘った。だから君が悪いー

「俺誘った覚えなんて…」

ー”一緒に寝よう。“確かに君はそう言ったー

「確かに言ったけど、そういう意味で言ったわけじゃねぇよ!」

ー本当に?ー

「本当に!」


三角頭、少し儀式の回数が多すぎて疲れたのか?そうだ!絶対に!少し間を置いて彼はまた書き始めた。


ー私の事は、嫌いか?ー

「え、」


その質問はズルすぎる…確かに彼の事は好きだ。尊敬してるし、憧れでもある…それに恋心だって…。でもいくらなんでも展開が速すぎな気がする。もっと話して、お互いの事を知ってそれからだろ!


ー嫌い?ー

「き、嫌いなわけない!」


でも、このまま流されても良いかもしれない。好きな人に、憧れだったあなたと一緒にいれるならなんでもいい。


ーこのまま続けてもいいか?ー

「う、うん…」


正面に向かい会って座り、三角頭が俺の両頬を持ってクイッと上にあげる。三角頭の中ってどうなってるんだろう…よく目を凝らして見てみると肉塊だけが広がっていた。息をするための口も見当たらない…。しかし徐々に俺の顔が三角頭の中に近づいて行く。


「んぅ…」


俺は呆気なくその肉塊に口づけをしてしまった。しかしどうだろう、血生臭くないし、むしろとても温かい。もしかして、この肉塊全てが三角頭の口?衝撃の事実に驚く間もなく顔を固定され、不気味なキスを続けた。舌もないのに何故か口の中に広がる柔らかい感触。一体これはなんなんだ?三角頭には秘密が多すぎる…。


「んんっ…んぅ…」


キスなんて初めてしたな…こんなに気持ちいいなんて知らなかった。やばい、癖になりそう…。しばらくキスをしていたが流石に彼は飽きたのか俺から離れてしまった。


「あ、」


情けない声を溢すとそのまま俺を押し倒す。俺の上に覆いかぶさって一度だけ抱きしめる。これから何をするのか想像がつくが、やはり少しだけ怖くなって来た…。


「あの…」


こてんと首を傾げる三角頭が可愛すぎて何を言おうか忘れかけてしまったが、なんとか思い出して彼に伝える。


「こ、怖いから…手、繋いでもいいか?」


彼は何も言わずに俺の手を優しく握った。もう一度口づけをして、長い長い夜が始まった。

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