若井滉斗 自傷行為
温かく見守ってください
ああ、またこれだ
夜になるといつもそう
なんとなく苦しくなる
苦しくなるの
このまま寝て起きたら死んでないかなぁって
正確に言うと
このまま俺の存在が、最初から無かったことにならないかなぁって
疲れたんだよ
笑うのも、泣くのも。
助けて
夜に呑まれそう
包丁でも持ってこようかな
ああ、これだ
俺を包んでくれる光沢
死ぬ気はなくても包丁を持つとなんか安心する
安心材料っていうかさ。
俺はいつでも楽になれるんだ。って
いつでもここに逃げていいんだ。って
よかった。俺には逃げ道がある
……….今日はちょっと切ってみようかな
どこがいい?
くび?
やっぱり首かな?
うん、首にしよう。
俺は包丁の刃をゆっくり自分の首に当てる
跡がつかないくらいがいいなぁ
せーのっ
ザシュッ
いたい….?
そこまで痛くないか。
ザシュッザシュッザシュッ
ポタポタ
あ、血が床に垂れちゃった
首触ったから、手も血だらけになっちゃったし
ガチャッ
….え?
「若井…!?」
「え?」
どういうこと?
もときがいる?
最悪だ
切ったのバレちゃう
「なにやってるの!?」
ああ、やめてっ 怒らないで
「首っ….切ったの!?」
「(グスッ
やめてっ」
俺は耳を塞いだ
もときにバレたことに対する現実逃避。
「あっごめんね。若井
怒ってないよ」
バレちゃった…..
どうしよう、どうしよう、
「う”わ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッッ
(ガリガリッ」
「ちょっ…..腕引っ掻かないで….
落ち着いてよ若井っ泣」
「はあッはあッはあッ」
終わった….俺はもときに見捨てられるんだ….
もう、しにたい
「若井….落ち着いて?泣
(ギュッ ナデナデ」
「(グスッ
あッ元貴……..」
「うん….」
「若井、手当てしようね」
「やだ….」
「でも首だし…..ホントは病院行きたいくらいなんだよ….?」
「ごめんなさい….」
「…..手当てするセット持ってくるから待っててね」
「…….」
「あと包丁回収するね」
「あッ」
「…..ごめんね」
「ただいま〜」
「……」
「手当てするね」
「……..」
痛いのやだなぁ…..
「上向いたら….痛いよねぇ」
「うん…..」
「じゃあ膝枕しようか。
僕もその方がやりやすいかも」
「(ゴロンッ
お願いします…….」
「は〜い笑」
「消毒痛いかもだけど心の準備できた?」
「ちょっと…..怖い……」
「じゃあ手繋いでおくね」
(ギュッ
「ありがとう…..」
元貴優しいなあ….なのに俺は…
「消毒するよ?力抜いてね〜」
(チョンチョン
「い”ッ…..」
痛いっ痛いっ
「ごめんね〜ッいたいね〜」
(チョンチョン
「うぅッ…..」
切ったときよりずっと痛いッ
消毒が首に染みるッ
「(グスッ
やだぁッ泣」
「辛いねぇ….手ぎゅって握っててね」
「うんッ泣」
痛いッ痛いッ
まだ終わらないの?
「痛いねぇ…..もうちょっと頑張れる….?」
「わかった…..泣」
「(チョンチョン
頑張れ〜….」
「い”ッ」
「できたよ。ガーゼ貼ったら終わりにするね」
「うん….」
「(ペタッ
はいっ終わったよ」
「ありがとうッ」
「今日はもう寝ようか……
明日ゆっくりお話しようね」
「うん…..」
お話…..か……
怖いなぁ…..
いかがだったでしょうか
後編もお楽しみに
以上すとむ🌸でした
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