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第17話 葛藤
あらすじ
若井の気持ちに気がついた大森。
しかし、どちらも距離感を掴めない。
こんな状態で湯ノ内の指示をこなせるのだろうか…
⚠️注意 Omr×Wki ⚠️
地雷の方は気おつけて下さい!!
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「俺だけでいいって言ってんのに」
若井も小声で返事をする。
「そうだっけ?ま、いいじゃん」
やっと大森が若井の目を見ると、少しだけ笑って言う。
「…ばか」
若井は、つい照れてしまい口角が上がった。
ちらりと大森を伺う。
すると、大森は緊張しているのか上に着ているニットを指でつまんで遊んでいる。
若井は、少しでも恥ずかしさを誤魔化せるようにとズボンのベルトを緩める。
そして、それを脱ぐと下着だけの姿になった。
大森はこちらに目線を向けはしないが、気にしている事は何となく分かった。
大森が緊張を押し殺すように息を吐くと両手で服の袖を掴んで、ぐいっと上げた。
白いお腹が覗くと、すぐに胸、肩と肌が露出する。
若井はそれを、どうにか気にしない様に頭の中で下らない物を考えた。
例えば、かわいい猫を思い浮かべたり、昼間に見たY○uTubeのshortを思い出したり
それでも大森の服が擦れる音がする度に、
一旦それが中断されてしまう。
若井は心の中で舌打ちした。
今だけは性欲に操られたくない。
もう一生、性欲なんていらないから
と意味の分からない論理を展開した。
視界の端で、大森のズボンが床に落ちる。
大森も今、下着姿だと言う事実に好奇心が湧き上がる。
こっそりと視界の端で見るくらいなら、大森も分からないはずだ。
しかし、だからこそ若井は脳内で自分との戦いを繰り広げていた。
バレるバレないじゃなくて
自分の正義を貫くために見ないんだ
若井は自分に言い聞かせる。
若井が自分の正義を頭の中で唱えていると、突然の湯ノ内の声が割り込んできた。
「若井くん、君は大森くんをどうしたいのかな?」
若井は驚いて顔を上げる。
丁度、葛藤している時に この言葉
湯ノ内に、浅ましさが透けている気がして心が縮んだ。
湯ノ内が再び口を開く。
「はっきりさせないと彼も困るだろう」
すると、大森が被せるように言う。
「いや、そんな困るとかないですけど」
しかし、湯ノ内は大森の言葉を無視して話を続けた。
「それに、私も困ってしまう 」
若井が湯ノ内を見ると質問に答える。
「俺は元貴が笑顔になるなら
それで…いいです
どうしたいとかそういうのじゃないです」
湯ノ内は残念そうに眉を顰める。
「そうか、君はいい人だね
大森くんにとっては最高の友人という訳だ」
湯ノ内は友人という言葉を強調するように発音した。
若井の心が少しだけ沈む。
大森も、隣で苦い顔をして俯いた。
湯ノ内が再び口を開く。
「しかし、こんな機会は二度とない事
君だって自覚しているだろう」
湯ノ内が大森の方に目線を投げる。
「彼は相当ガードが硬い
そんな彼の壁が崩れていると言うのに」
湯ノ内の言葉が、若井の良心に緩みを作っていく。
若井はその迷いを断ち切るように言葉を放った。
「そんな弱みに付け入るみたいな、
俺は嫌です」
そう返すと、湯ノ内は頭を搔く。
「嫌な捉え方するね
タイミングが来ただけとは考えられないかな?」
若井は眉を寄せると、首を振った。
しばらく、二人の間に沈黙が流れる。
湯ノ内が、それを破った。
「そうかい、まぁしょうがないね」
そういうと湯ノ内はソファから立ち上がる。
「それなら、私がやるしかないかな」
湯ノ内はズボンのベルトに手を伸ばすと、それを緩めた。
若井は冷水を浴びせられたように、背筋が冷える。
慌てて釈明をした。
「い、いや…まって 」
しかし、言葉の途中で大森が若井の腕に触れる。
若井は素早く、大森の顔を見る。
すると、大森が首を横に振った。
「…え」
若井は意味を汲み取り切れず、大森の様子を観察する。
大森は湯ノ内の方を見ると、口を開いた。
「僕も湯ノ内さんがいいです」
「は!?」
若井は意味を理解すると同時に叫んだ。
耐えられず、大森の腕を掴む。
若井は戸惑いながらも続けて話した。
「なに…なんで?」
混乱のあまり、強い言葉が出そうになる。
大森の意図を汲み取ろうと、顔を覗き込むが顔を逸らされてしまう。
「もとき…」
名前を呼んでみる。
しかし、大森は若井の胸を押して距離を取ろうとする。
「ごめん」
「まってよ、まって」
若井は必死で引き止める。
声が緊張と混乱で震えた。
「え、俺のため?
だったらむしろ…」
大森が顔を振る。
「違う、 ミセスのため」
若井は、嫌悪を隠せずに眉を顰めた。
大森が続けて話す。
「若井とやらなくて済むなら…その方がいい」
若井は耐えきれず息を吐いた。
意図せず、呆れ笑いのような声が出る。
これ以上、関係を複雑にしたくないという 大森の気持ちは理解出来る。
しかし振られた挙句に、この言葉は打撃が強すぎる。
「いや分かるけど…」
「そ、ありがと」
大森が被せるように言うと、若井から離れようとする。
若井は強く腕を掴んで引っ張った。
大森がよろめくと、若井の胸元に手を着く。
若井は今、服を着ていない。
大森も下着姿なので、若井の体温が直接伝わった。
大森が咄嗟に距離を取ろうとする。
若井は逃がさないように大森の手首を掴むと、大森は耳まで赤くして瞳を潤ませた。
珍しい表情に若井は目を離せなくなってしまう。
伝えようとしてた言葉も抜け落ちた。
大森の喉仏がごくっと動くと、少し上擦った声で言う。
「…離して」
「元貴、まだ話終わってないから」
そう言うと、若井は 大森の顔を覗き込む。
しかし大森は、気まずそうに瞳を揺らした。
泳いでいる視線が一瞬、下がる。
大森は、はっとすると瞳をぎゅっと瞑った。
下の方向には若井の性器があるので、それが視界に写ったのだろう。
大森はどこに触れていいのか、どこを見ていいのか分からない様子だ。
戸惑った様子で何度か瞬きをしながら、ふらふらと動いた。
若井は口を開いた。
「あのさ、」
ふらふらと動いていた大森の動きが止まる。
微かに下唇を噛んだのが、分かった。
若井は、出来るだけ口調を柔らかく聞こえるように意識した。
「さすがに…湯ノ内さんとするのは
俺、見てられないと思う…たぶん」
若井は出来るだけ自分の欲を混ぜないように大森に想いを伝えた。
牽制するためでもなく、押し付けるためでもなく
若井にとって、これはただの事実だ。
大森のまつ毛が揺れる。
そして、怖々とした様子で若井を見上げた。
ふっくらとした唇が迷いを表すように、もごもごと動く。
大森はしばらく葛藤をしていたが、ふいに諦めたように瞳を閉じる。
そして、小さく呟く。
「そりゃ俺だって…若井がいい」
若井の心は、安堵となんとも表せない苦しさで引き裂かれそうになった。
これでいいのか…俺は
元貴が背負ってるもの、無視してないか
若井は自分の優柔不断さに苛ついた。
強い気な姿勢で行くなら行く。
大森への執着を捨てるなら捨てる。
はっきりしないと大森も戸惑うだろう。
すると大森が口を開く。
「すいません、湯ノ内さん
やっぱ…若井に…やってもらいます」
若井は自分で引き留めた癖に、ぎょっとしてしまった。
まずい、また元貴に選ばせてる。
若井は、歯がゆくなって唇を噛み締めた。
その頃、湯ノ内は大森の表情を見ていた。
目を細めると、大森に問いかける。
「ほう、本当にそれで良いのかな
ここで選び間違えると、後々大変そうだけどね?」
大森が眉間に皺を寄せる。
小さく舌打ちをしたのが、若井の耳に届く。
大森の様子を見ると苛立っているように見える。
しかし、眉が一瞬だけ泣きそうに下がった事に 若井は気がついた。
若井は一歩、踏み出すと 大森の手を握った。
「元貴、間違ってないから
俺でいい…信じて」
大森のまつ毛が揺れると、潤んだ瞳が若井を見つめる。
ぎゅっと唇を結ぶと、葛藤するように右手で目元を覆った。
迷ってる、揺らいでる
確信した若井は、さらに言葉を重ねた。
「元貴…ミセス大切でしょ
もちろん俺もそう
だから湯ノ内さんに渡したくない」
若井はそっと息を吸うと、続けて話す。
「俺が守るから、ミセスも元貴も」
「守る…」
大森が呟くと、眉がぴくっと動いた。
若井はその様子を緊張して見つめた。
「違うよ、若井
多分どっちも壊してる」
大森の言葉で、若井の背筋がすっと寒くなる。
神妙な面持ちで次の言葉を待った。
「若井はそれでも…また作り直す覚悟ある?
そのせいで何を失っても本当に大丈夫って思える?」
大森は若井の瞳を覗き込むように見つめた。
若井も大森を見つめると、ごくっと生唾を飲み込んでから口を開く。
「え…と、正直に言っていい?」
大森が息を飲むと、ゆっくり頷く。
若井も心臓が飛び出るほどの緊張に包まれながら言葉を紡ぐ。
「俺…壊れてもいい
元貴が一緒に居てくれるなら何でもいい」
大森の眉がぐっと下がると、唇を噛んだ。
そして、ふいっと顔を逸らす。
さすがに身勝手すぎる回答だったかと若井の心が騒つく。
大森が戸惑った声色で言葉を続ける。
「そ、そういうことじゃ…」
大森が言葉を紡ぐが、突然耐えられなかったように吹き出す。
若井が驚いて大森を見ると、大森は口元を手で覆いながら、もごもごと話した。
「真剣に聞いてんのに…あほじゃん」
若井が真面目なトーンで返す。
「…あほかもしれない
でも 俺は真剣にそう思ってる」
そういうと若井は大森を見つめた。
大森も若井を見ると、頬を赤らめて微笑んだ。
「うん、そうだね」
若井はその表情が、息が吸い取られそうなほど愛しく感じた。
若井が大森に見とれていると、湯ノ内がタイミングを読まずに口を挟む。
「さて、若井くん
彼はまだ下着姿だ、脱がしてあげなさい 」
「い、いや」
大森が苛立った様子で遮る。
「それくらい自分で出来ます」
しかし、湯ノ内は口角を上げると言う。
「いいや、脱がしてもらいなさい」
大森は顔を顰めながら、湯ノ内に目線を投げる。
「なんでですか?自分で脱ぎます」
湯ノ内は大森の声を無視して、若井に指示する。
「若井くん、君が脱がせるんだ
そうでないと私が脱がせることになるぞ」
若井は一瞬の躊躇の末、こくりと頷く。
湯ノ内にはこれ以上、大森に触れてほしくない。
そうなったら、大森を取られたような気分になる気がした。
いつの間にか、大森を守りたい気持ちが独占したい気持ちにすり変わっている事に若井は気が付かなかった。
若井はゆっくりと、大森に近づく。
一方で、大森は誰もいない所を見つめた。
ぎゅっと握った大森の手から緊張が伝わる。
若井もそれに吊られるように、鼓動が速くなった。
若井は優しい声色でつぶやく。
「…脱がすよ」
手の震えをどうにか抑えながら、下着に指を掛ける。
これを下げたら…
若井の心は色めくように高揚していく。
どうしても、それが抑えられない。
正直、何度もこの先を想像したことがある。
その想像と実際はどう違うのか。
そう思ったら好奇心が吐き出されるように湧き上がった。
それでも若井は極力、そこを見ないようにしながら そっと下着を下ろした。
下着を足首まで下ろした時、大森の下半身に若井の頭が近づいた。
今、正面を向いたら良く見えるんだろうなと頭の片隅で思ってしまう。
若井は、その欲望に負けそうになったのでさっさと立ち上がる。
二人とも裸の状態になったが、若井も大森も気まずそうにして目線を合わせない。
大森に至っては若井から背を向けて、手遊びを始めた。
耐えられないように、湯ノ内がため息をついた。
「君たちは一体何をしてるんだ
思春期の学生か?」
湯ノ内は呆れたように手を広げる。
「今まで初々しいと評判の子はいくらでも居たが、こんなに進まないのは初めてだ」
そして若井に視線を投げると指を刺して、釘を打つように言葉を続ける。
「特に君は何のつもりだ
彼を物にしたくないのか?
せっかく舞台を作ってやってると言うのに」
若井は、つい小さくなって俯いた。
正直、自分でもその通りだと思ったからだ。
すると、湯ノ内が若井に指示をした。
「彼の性器を舐めなさい」
「えっ…」
若井が湯ノ内の顔を2度見する。
「い、いや…」
顔に引き攣った笑みを浮かべると、首を振った。
「それは…いくらなんでも」
湯ノ内の片眉が上がる。
口を開くと、低い声でゆったりと話す。
「いくらなんでも、なんだ?
出来ないとでも言うつもりかい」
若井はちらりと大森を見た。
大森は若井から背を向けたままだ。
若井が緊張を誤魔化すように唇を舐めると言う。
「…俺が、やるんですか?」
「何度も言わせるな
これ以上、駄々をこねるなら君に与えた選択権を奪う
そうなれば、君は大森くんを守れない 」
湯ノ内が腕を組むと、若井を見下ろすように見る。
「いいか、 私の言うことに反論しない
命令はすぐ実行する事、 質問も禁止だ」
湯ノ内の怒涛の指示に、若井は頷くしか無かった。
もう一度、ちらりと大森を伺う。
大森は観念したように、若井の方に身体を向けた。
そして、緊張しながら若井の様子を見る。
すると若井の視線が、すっと下に降りていく。
そして、太もも辺りで止まると微かに目を細めた。
大森は、その視線と表情で身体の体温が一気に上がるのが分かった。
耐えられず若井に駆け寄ると、手をのばして若井の両目を塞ぐ。
「う、…え?」
若井が戸惑ったように、顔を揺らす。
大森は釘を刺すように言う。
「ち、ちょっと…それはだめでしょ」
「だめって?え…なに、」
若井は、言われた意味を理解してないようだ。
まさか無意識だったのだろうか。
それはそれで、恥ずかしさに逃げ出したい気分になった。
大森は息を吐くと、口を開く。
「目線…全然隠せてないから 」
若井が少し顔を後ろに引く。
「え…あ、俺みて…」
若井が途中で言葉を切る。
大森が代わりに答える。
「うん、思いっきり見てた」
「…ごめん」
若井が謝る。
大森は顔に手を添えたまま、指を広げる。
指の間から大森の赤くなった顔が見える。
「見ちゃだめ…分かった?」
なんだそれ…可愛すぎる
頬を赤らめた表情でこんな風に注意されて、我慢できる人間がいるんだろうか。
若井は口角が上がりそうになるのを必死で抑えながら、口を開く。
「でも…そしたら、
その…難しくない?」
これから、する事を考えると見ないようにというのは難しい気がする。
しかし、大森は口を開くときっぱりという。
「大丈夫、できる」
そういうと若井の両目を再び手で覆った。
大森の声が聞こえる。
「しゃがんで」
「…う、うん」
若井は戸惑いながらも中腰になる。
「…それだと辛そうだから、膝ついていいよ」
大森がそう言うので、若井は床に膝を着いた。
何をしようとしてるんだろう。
「若井…ちゃんと目つぶってる?」
「…う、ん」
やたら、心臓がバクバクと動く。
若井は息苦しくて、口から息を吸った。
大森の手が顔から離れたのが、分かった 。
若井は、さらに目を強く瞑る。
すると大森の指が、若井の唇を撫でる。
若井は肩を跳ねらせた。
「口…あけて」
大森の優しい声が聞こえる。
若井は耐えられず、ふるふると震えた。
なんか…すごい
口、開けたらどうなるんだろ
若井は言葉に出来ない高揚感に包まれた。
ごくっと唾を飲むと、ゆっくりと口を開く。
「もう少し…ひらける?」
若井が、もう少し口を開くと指が口の中に入ってくる。
若井には、それが何か分からないので正体を確かめるように舌先で指を舐めた。
大森が、微かに息を吐いたのが分かった。
大森の声がする。
「こわくない?」
若井は、こくっと頷いた。
大森の手が頭を撫でるので、若井は自然と笑顔になった。
頭を撫でる大森の手に微かに力が籠る。
少しだけ前の方に押されたので、顔を前に傾ける。
すると、何かが唇に触れた。
若井の心臓が跳ね上がる。
もしかして
期待が身体中を駆け巡った。
唇に当たっていた何かが、ゆっくりと口内に入ってくる。
若井の呼吸が速くなる。
もはや、身体の震えは抑えられない。
若井は口を軽く閉じると、それをそっと舐めた。
「んっ…」
大森の口から吐息が微かに漏れる。
若井のつま先から頭まで、何かがぶわりと駆け巡る。
プツッと我慢が切れると、目を開けて大森の腰を掴む。
「わっ…え、」
大森が困惑するのも気にかけられずに、若井は口の中の物を根元まで咥えた。
「っん!?」
大森の腰が逃げるように後ろに跳ねる。
それでも、若井は縋るように顔を押し付けると下を吸うように舐めた。
「あ゛!!」
大森の身体が跳ねる。
口の中の物が、形を保ち始めた。
微かに苦いような味がした。
若井は、それすら愛おしく感じて味を確かめるように先端を舐める。
「っや!!」
大森が一際、切羽詰まった声をあげると、若井の肩を掴んだ。
「お、おちついて…若井 」
大森の声に、少しだけ頭の霧が晴れる。
そうだ、こんなつもりじゃ…
「本当に、本気で…殴るよ」
大森の震える声がする。
まずい、怖がってる
「…ごめん」
若井はどうにか答える。
そういうと口を離した。
大森はひとまず、ほっと息を吐く。
「ごめん」
何故か若井がもう一度謝ったので、大森は目線を落とした。
すると、若井が涙を浮かべて大森を見つめている。
その表情に、胸がぎゅっとなった。
若井の手が、大森の腕を掴む。
手の平は、汗ばんで湿っている。
「だめだ…」
若井が呟くように言うと、大森の腕を強く握った。
引っ張られているというより、まるで縋られているようだった。
これを振り払ったら、若井がどこかに落ちて行ってしまう気がした。
大森は耐えられず、若井と同じように膝を折るとぶつかるようにキスをした。
溺れる人に酸素を送るように、深くキスをする。
そして大森は、泣きそうになりながら言う。
「うそ、嫌じゃないよ…本当は」
そこまで言うと、若井が再び唇を重ねた。
歯がぶつかるのも気にせずに、舌を入れてくる。
若井の舌の感覚と吐く息の熱さで、大森は頭が溶けそうになった。
若井が息も絶え絶えになりながら、必死でキスを繰り返す。
それが、どうしようも無いほど愛しく感じる。
大森は耐えられず、若井の肩を掴むと地面に押し倒した。
「う゛、」
倒れた若井が、薄く瞳を開ける。
大森は上に馬乗りになると、口を塞ぐようにキスをした。
若井の口内を、心をかき乱すように激しく舌を動かす。
若井の身体が、一層ぶるぶると震える。
大森が横目で下半身を見ると、はち切れそうなほど立ち上がった物が目に映る。
大森はそれに手を伸ばすと、親指で先端をぐっと塞いだ。
「はっ…あ、」
若井が苦しそうに喘ぐと首を逸らす。
その様子に、大森の口角がうずうずと動いた。
じとっとした黒い瞳が、若井の表情を観察するように見つめると呟く。
「まだ、だめ」
若井は反射的に頷いた。
すると、大森の口角がぐいっと引き上がると楽しそうな声で笑った。
「んふふ 」
若井は、心臓が跳ね上がった。
幼なじみの若井ですら見たことがない表情だった。
口角は上がっているのに、目は見開かれている。
まるで人を観察するためだけに瞳という器官があると言うほど
大森の瞳は感情から、切り離された部位に感じた。
若井の下に触れている大森の手がゆっくりと動く。
若井の眉が苦しそうに下がると、身体が微かに震えた。
大森は根元から絞るように、ぎゅっと上に擦ると若井が喘ぐ。
「っ…あ゛」
大森がそれを何度か繰り返すと、若井の太ももが痙攣する。
若井は掠れた声で短く喘ぐ。
大森が耳に口を寄せると、甘い声で囁く。
「イきそう?」
若井が必死で頷く。
「そっか、 イっていいよ」
若井が快感に悶えるように、震えた息を吐く。
大森は若井の限界を悟った。
心臓が跳ね上がるように高鳴ると、 耐えられず息を吐くように笑う。
若井の快感が天井に届きそうな時
大森は再び、下の先端を指で塞いだ。
若井が獣のように唸ると飛び跳ねる。
「う゛ぅ!!」
その様子を、大森は心底楽しそうに見つめた。
「イけると思った?…思ったよね? 」
若井の呼吸が過呼吸を起こしているように速くなる。
喉から鳴き声のような、嗚咽のような声が漏れた。
しかし、そんな若井の様子を大森は愛しそうに見つめた。
「若井…可愛いね、 食べちゃいたい」
そういうと首筋に顔を近づけて、歯を立てる。
若井が肩を強ばらせると、大森がぐっと歯を食い込ませた。
「…っ、」
若井は小さく声を上げるだけに留めた。
大森の舌が噛んだところを優しく舐める。
若井は、頭がくらくらとした。
何故かこんな状況なのに、若井の心は満足感で満たされていた。
今、大森が見せている姿は彼が隠してきた “本当” なんじゃないかと思った。
それを見れただけでなく、若井に向けられているという事実。
それが、言い表せないほど嬉しかった。
首筋を舐めていた大森が、顔を上げると若井を見つめる。
満足そうに微笑む口元が、若井の血で赤く染まっているのも
異常だと言える程の激しい愛情表現も
全てがとてつもなく美しく見えて、若井は目を細めて見とれた。
コメント
43件
え、ひろぱ受け好きすぎます!続き待ってます!!
若井さん受けやばすぎる.....!!まじでこれ好き....!!
ぴりちゃ続きありがとう💞 めっちゃ好きなんだけど、、!若様受けも好きだからありがたい((