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18話 愛情
あらすじ
大森の強い愛情表現に、若井の心はさらに溺れていく。
二人の関係はどのように変化して行くのだろうか…
⚠️Omr×Wki⚠️
身体的にはWki×Omrですが
攻めてるのはOmrです。
注意して読んでください。
さらに、血液描写が出てきます。
このような表現が苦手な方は注意してください。
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首筋を舐めていた大森が、顔を上げると若井を見つめる。
満足そうに微笑む口元が、若井の血で赤く染まっているのも
異常だと言える程の激しい愛情表現も
全てがとてつもなく美しく見えて、若井は目を細めて見とれた。
「若井」
大森のふっくらとした唇が動く。
「…すき」
若井はその甘い声に、身体が浮いていく様な気持ちになった。
「…俺も、 大好き」
若井は興奮からか震えている手で、お腹の上に座る大森に手を伸ばす。
頬を撫でると、大森がくすぐったそうに笑った。
若井も、その表情に吊られるように笑顔になる。
大森は若井の顔の横に手を置くと、身体を前に倒した。
ゆっくりと大森の顔が近づいてくる。
若井はこの先を想像すると、呼吸が少しだけ早くなった。
大森が何をしても全てを受け入れようと覚悟する。
大森のまつ毛が揺れると、瞳がじっと若井を見つめる。
少し長めの髪が、すだれの様に垂れると大森の顔に影を作った。
大森が口を開くと、言う。
「…ねぇ、やっぱり」
そこまで言うと、大森の瞳が揺れる。
その揺れを誤魔化すように、若井の頬を親指で撫でた。
若井は大森を見つめると、こくっと頷いて安心させる。
しかし、大森はむしろ寂しそうに眉を下げながら口を開いた。
「俺から…言ったことだけど
やっぱ、捨てないで」
若井は大森を見つめたまま、頭を高速で回転させていた。
意味が分からない訳ではない。
もしかしたら、あの事を
若井に恋心を捨てろ、叶わないから
と言ったあの事を言ってるのではないか。
そんな考えがよぎった。
若井は乾いた唇を舐めると口を開く。
「…それ」
「若井が僕に抱いてくれてるもの
全部なくさないで」
若井は目を泳がせる。
大森の言葉は素直に嬉しい。
しかし、どこまで真に受けていいんだろう。
恋心も含めて抱き続けていいという事なのだろうか。
「それって…あの、」
若井は緊張と期待で何回か瞬きをした。
「元貴のこと…好きでも、いいの?」
そう言うとじっと見つめていた大森の瞳が、 ふわりと優しくなった。
恥ずかしさを誤魔化すためか、唇を少し突き出す。
だからか、いつもよりも無防備な雰囲気が漂う。
若井は祈るような気持ちで返事を待った。
大森は口元を、もごもごと動かすと一回だけ大きく頷く。
すると若井の顔がみるみると笑顔になってく。
「ほ、ほんと、本当に?」
若井の後ろに無いはずの尻尾が見える。
もしあるのなら、ちぎれそうな勢いで振っているんだろう。
大森はその様子に耐えられず、口元が緩んだ。
形のいい歯が覗くと、笑い声が漏れる。
「…本当」
大森が優しい声で答えると、若井は泣きそうに眉を下げながら笑った。
「嬉しい?」
大森が呟くように問いかける。
若井は心を震わせながら頷く。
「う、うれしい…すごく…」
「これ」
大森の指が、若井の首元を優しく擦る。
噛まれた傷がひりつくように痛む。
「跡になっちゃうね」
「…大丈夫」
若井が首を振りながら答えると、大森は右側の髪を後ろにかき上げた。
「噛んでいいよ、おなじとこ」
「…え」
若井は驚きで聞き直した。
目線が自然と首元に流れていく。
大森は身体を起こすと、若井の腕を引っ張って若井の身体も起こさせた。
「え…へへ、」
二人で向き合うと、若井はよく分からない笑い声を上げた。
嗜虐欲と羞恥心が同時に生まれたからだ。
大森がいいと言ってるのだから、試してみたい。
しかし、それをしたら自分は冷静を装えないだろう。
崩れ切ってデレデレする自分の姿を想像すると、何故か躊躇してしまう。
「…え、っと」
若井が自分を落ち着かせるための時間を稼いでいると、大森が若井の顔を覗き込む。
その視線に耐えられず、若井は照れ笑いをした。
しかし大森は目を逸らさず、くすりともせずに目線を合わせ続けた。
若井も、すっと照れ笑いをやめる。
ごくっと唾を飲み込むと、大森の首筋を見つめた。
大森は目を細めると、再び髪をかきあげて首元を露出させる。
そして、甘い声で呟いた。
「いいよ」
若井はどうにか頷くと、そっと首元に顔を寄せる。
心臓の音がうるさい
大森に聞こえないか不安になった。
肌が唇に触れる程の距離まで近づくと、大森の香水の香りがした。
ぶわりと何かが湧き上がる。
身体が頭から指先まで、浮ついた熱に包まれた。
口から吐く息すら熱い。
そっと唇を肌に添わせてから、口を開く。
大森の肩が微かに上がった。
若井は歯を立てると、首筋を軽く噛んだ。
すると、大森が甘い息を吐いた。
なので欲望に抗えず、大森の真似をしてその跡を舐める。
少し、汗をかいていたのだろう。
塩っぱい味がした。
「…もっと、強く」
上から大森の声がする。
若井の呼吸が早くなった。
息を吸うと、それがふるふると震える。
「痛くして、じゃないと分かんない」
若井は思考が動かない中でも、覚悟を決める。
もう一度、肌に歯を立てるとぐっと歯を食い込ませた。
本当は血が滲むくらいがいいのかもしれない。
しかし、若井はそこまでは出来なかった。
「っ、」
大森が息を飲んだのが分かった。
若井は、すぐに顎の力を弱めると謝る。
「ご、ごめん…痛かったよね」
しかし、大森は首を振る。
「大丈夫」
そういうと、大森は真っ直ぐに若井を見つめながら腕を掴んだ。
「若井…お願い」
大森が首筋の歯型を指でなぞると、やけに寂しそうに呟く。
「ずっと消えないくらいのが欲しい」
若井の心が、ぎゅっと苦しくなる。
そんな顔しないで
どこにも行かないから
そう言葉で伝えても、大森の不安は消えない事を若井はよく知っている。
心の苦しさが喉まで上がると、まるで物が詰まったように声が掠れた。
「…分かった」
大森の口角が上がると、愛しいものを眺めるような瞳で若井を見つめた。
若井は大森の手の平に触れると 恋人繋ぎのように、指を絡ませた。
少し小さめの手を、ぐっと握る。
大森に視線を合わせた後、もう一度首元に唇を寄せる。
大森は若井が噛みやすいように、顔を横に傾けた。
若井が首筋に歯を立てる。
すっと息を吸うと、ぐっと力を入れた。
「…ぅ゛」
大森が小さく唸ると痛みを耐えるように、若井の手を握った。
若井もその手を握り返す。
相当、噛み締めてから口を離してみる。
くっきりと跡が付いているが、血は滲んでいない。
若井は内心、心が竦み上がった。
自分の感覚では、いくつかラインを越えて噛んだつもりだった。
まだ、足りないのか。
若井は肩で息をしながら、その傷跡を見つめた。
大森が、若井の人差し指を親指で撫でた。
「…若井、大丈夫」
若井の視線が大森の瞳へと流れる。
視線が合うと祈るような目つきで、大森を見つめた。
「もう一回、やってみよ」
若井の瞳が絶望するように、遠くを見つめた。
大森は、逃がさんとばかりに手を強く握った。
「若井、もう一回」
若井は見たこともない笑みを浮かべて、頷いた。
瞳には、本当は嫌だと言う想いがありありと浮かんでいる。
だからか、苦しさに歯を噛み締めているようにも見えた。
大森は、その表情に普段は動かない心の底が震えるのが分かった。
若井は、やってくれるんだろうか
こんなに嫌がっていても
「…お願い」
大森が縋るように呟くと、若井の喉仏が動く。
一瞬の覚悟の後に、瞳の色が薄くなると首元に顔を寄せた。
若井が再び首筋に歯を立てると、顎をぐっと噛み締める。
先程とは比べ物にならないほどの痛みが走った。
突き刺すような鋭い痛みに、大森の身体に寒気が走る。
それでも息を止めて数秒耐えていると、若井がそっと口を離す。
大森は息を吐くと、若井を見つめた。
すると、若井は瞳に一杯に涙を溜めながら地面を見つめている。
「…若井」
大森が名前を呼ぶと、若井の震えた瞳が大森を見る。
「ありがと、すっごく嬉しい」
大森がそう言うと、若井は口角だけを不器用に上げながら頷いた。
色を無くした瞳から、涙がぽろぽろと溢れる。
大森は血に濡れた若井の唇を、親指で拭った。
首を傾けると、若井の瞳を覗き込む。
若井の感情を少しも見逃さないようにと、瞳の奥が静かに揺れた。
「僕の血…どんな味だった?」
若井は、眉を顰めるように動かした。
瞳の色が一層、暗くなる。
「覚えて…ない」
若井が呟くように言うので、 大森も呟くように返した。
「…本当に?」
若井の眉が下がると、苦しそうに息を吐いた。
大森はトドメを打つような気持ちで口を開く。
「ねぇ、僕の傷…舐めて消毒して」
若井の瞳が大きく開かれる。
そして、ぶんぶんと首を振った。
大森は、わざとらしく俯くと湿った声で呟いた。
「お願い…若井」
若井の呼吸が速くなって行く。
葛藤しているんだろうか。
なんて、可愛いんだろう。
大森は口角が上がるのを抑えられず、さらに深く俯いた。
すると、若井の声がする。
「…わか、った」
大森は何とか唇を噛み締めて、笑いだしそうになるのを抑えた。
いいんだ、本当は死ぬほど嫌なはずなのに
大森は気持ちを落ち着かせてから、ゆっくりと顔をあげる。
若井は微かに震えながら、首元の歯型を見つめた。
すると突然、嫌な事を思い出したようにぎゅっと目を瞑る。
そして、深呼吸をすると天井を見上げた。
大森はその様子を穴が空くほどに、じっくりと観察した。
流石に若井も、大森が何かを審査している空気を肌で感じる。
若井は目線を戻すと、大森を見つめた。
大森が首を傾けると、傷がよく見えるように髪をかき上げた。
じっと祈るように若井を見つめると、そっと目を閉じる。
若井は、まるで誓いのキスでもするかのように大森の肩を抱く。
ゆっくりと首元に唇を寄せると、傷跡を慈しむように優しく舐めた。
「…どんな味する?」
大森が聞いてくる。
若井の心から罪悪感が溢れ出した。
噛んだ瞬間の感覚が、まだ口元に残っている。
「…鉄、みたいな」
もごもごと答えると、大森が瞳を開ける。
「まぁ、血だからね」
その言葉に、若井は俯くと唇を噛み締めた。
大森はあえて、励ますように話す。
「若井は悪くないよ
僕がしてって言ったんだから…」
案の定、若井はさらに俯いてしまう。
若井は自分が傷つけたという動かない事実と戦っている。
もちろん、こんな言葉では嫌悪感を拭えないだろう。
むしろ、若井の逃げ道を塞ぐ言葉だと大森も自覚している。
本当に悪くないのに
そう思いながらも、本当の意味で若井を救う言葉を大森は使わなかった。
本心を言うのなら若井がこの先ずっと、この傷跡を見る度に 何らかの感情を抱いて欲しい。
だから大森は、ずっとこの傷跡が消えないようにと願った。
「ありがと…」
大森は泣き出しそうな雰囲気で目を伏せた。
「この事…若井はさっさと忘れちゃてね」
そういうと目線を上げて、幸せそうに笑う。
「僕がずっと覚えてるから大丈夫」
大森を見つめていた若井の顔が崩れるように歪んだ。
拳を握ると、身体がふるふると震える。
大森は言葉はまるで呪いのようなものだった。
本人は優しさのつもりで言っているんだろう。
しかし、いつか傷跡が消えても大森が忘れないのなら傷つけた自分が忘れるわけには行かない。
若井は、大森の言葉が泥のように心の底に残った。
大森は、その様子をみて心に傷跡を残せたことを確信した。
これでいつか、他の誰かを好きになっても 首元に唇を寄せる度に思い出してくれる。
若井が強い打撃を受けている事に気づかない振りをしながら、 大森は口を開く。
「ごめん、なんか…変な方向にいっちゃった」
実際にその通りなので、若井は何も言えずにただ頷いた。
大森が口を開く。
「…えっと、何すればいいんだっけ」
大森が伺うように若井に見ると、一瞬だけ視線が合う。
しかし、若井がすぐに逸らした。
「あ、そっか」
大森は、ふっと思い出したように言う。
若井は何かを感じて、弾かれたように大森の表情を見た。
「若井の叶えたい夢、叶えるんだったね」
「え、」
若井は少し上擦ったような、間抜けな声を上げた。
大森が、目を細めるとそっと呟いた。
「ね、そうだったよね」
若井は瞳を泳がせる。
どういう意味で言ってるんだ?
大森のふっくらとした唇が動く。
「それ…僕でも叶えてあげられるかな?」
若井は困惑しながら、大森を見つめた。
むしろ、この夢は大森にしか叶えられない。
本当に意味を理解しているんだろうか。
若井は不安になった。
夢と言ったら聞こえはいいが、本来は欲望と言うべき形の物だ。
若井は乾いた唇を舐めると、口を開く。
「俺の夢とかは…気にしなくていいから」
その言葉に大森の眉が下がると、 少し湿った声で言う。
「僕じゃ、だめなんだ… ごめんね」
そう言うと大森が俯いて しまったので、若井は慌てて訂正をする。
「いや、そういう事じゃ…」
「え、本当?」
若井はつい口を閉じた。
なんだろう
なんか違和感がある。
「僕でもできる?」
大森は頑張ったテストの返却を待つような期待と不安が混ざった表情で若井の返答を待っている。
若井は、それを見つめながら思う。
大森がこんなに必死になるのは珍しい。
もしかして、噛み跡を付けさせたことに罪悪感を感じているのかもしれない。
若井には、気持ちが痛いほど理解できた。
もう一度 “気にしないで” と突き放したら大森は辛い想いを抱えたままになってしまう。
若井は頷くと、優しい声で言った。
「うん…できるよ」
そういうと大森はテストを褒められた子供の様に溢れるような笑顔になった。
「良かった…ねぇ僕、どうすればいい?」
ふいに、大森の声が蜂蜜の様にねっとりと甘ったるくなった。
若井は目を丸くして、大森の顔を見つめた。
「…何でもしてあげる」
大森の瞳が、じりりと燃えるように光る。
若井は、その光に絡め取られるように目を離せなくなった。
何でも…?どこまで?
若井はつい、それを想像してしまった。
若井の視線が、大森の唇にすっと降りる。
大森は、それを見逃さなかった。
ふいに、大森の指が若井の太ももを撫でる。
若井はそれでも、金縛りにあったように動けない。
ゆっくりと、その指が上に移動していく。
若井は息苦しく感じて、肩で息をした。
「まっ、て…」
何とか若井は絞り出すように言葉を出した。
大森が目線だけを動かして、若井を見る。
「なぁに?」
「…汚いから」
若井は弱々しい声で、微かに抵抗をした。
元貴にそこは触って欲しくない。
大森は首を傾げる。
「汚くないよ?」
そう言うと大森が髪を耳にかけた。
目を伏せると、下半身に顔を近づける。
「っ!!」
若井は大森がやろうとしている事を察した瞬間、下を両手で覆った。
「ちょ、と…元貴」
つい名前を呼ぶと、大森の口角が上がる。
目付きが、まるで狐のように鋭くなると喉を鳴らすように笑った。
「く、ふふ…」
若井は目を見開くと緊張のあまり、少し震えた。
このまま大森に食べられるかもしれない
そんな考えが頭をよぎる。
「…わかい」
大森が若井の名前をゆっくりと呼ぶ。
変な汗が若井の額から流れた。
「手、どかして?」
コメント
24件
ひゃーー最高ですもう何なんですか神です
若井はかわいいしー、表現の仕方神です💕すぐ読んでコメントしたかったんですけど一週間ぐらい熱が酷くて😭スマホもあんま見れなかったんです、今は下がって学校に行ける感じ…タイミングが😮💨前回の物語のコメントを見ていて気づいたのですがぴりさんの前のアカウントのストーリー読ませていただいてました🤯すっごい好みで天才だなって思ってたら同一人物でした😇 前のアカウント使えなくなったの残念ですね😭
コメント遅れました!見させていただきました。とても好きです!若井受けやっぱいいねぇ