封鎖区域内での亜細亜連合脱走メンバー捜索開始は1ヶ月という時間で無事救出が完了した。しかしながら作戦に参加していたうち5名の警衛官の命が奪われた。
作戦が完了した後、救出された脱走メンバーへの事情聴取を行った。
その結果、日常的な拷問、女性メンバーへの強姦、IFウイルスの実験台など数々の被害があかるみになっていった。
総統の工藤は、このまま本部事務所に突入し亜細亜連合を潰そうと目論む。
しかしメンバー達がいたのは看武収容所と呼ばれる場所におり、逃げ遅れた住民達を対象に亜細亜連合は収容していたという事が判明した。
そのため、亜連の撲滅はまだ遠い未来にあった。そして今までと変わらずの日常が過ぎていった。……………………………………………………………主要登場人物一覧
蔵島壱成(20)…2代目主人公ULTIMATE中央指令部員
中島佑紀弥(20)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
松浦風雅(20)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
長内貴也(53)…ULTIMATE中央指令部長
水崎一躍(24)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊長
室口翔平(43)…ULTIMATE3代目総監
福良啓示(30)…ULTIMATE総監秘書
岸田正龍(26)…警衛局中央監察部首席監察官
工藤哲也(46)…6代目総統
佐島篤大(31)…最高中央指令部長
「遂にお前が中央指令部か」
「なんか手柄あげたか?なんでお前が行けんだよ笑」
昼休み、春から中央指令部に配属となった蔵島に中島と松浦が言った。
「試験あってよ。それ受けたら受かちゃった笑」
「試験受けるのって確か上司からの推薦が必要だろ?誰が推薦してくれたんだ?」松浦が聞いた。
「それは内緒笑笑」
「んだよ、それ笑」3人が屋上で騒いでいると1本の緊急無線が入ってきた。
「警視庁から応援要請入電中。拘置所から護送中の車両が何者かの集団によって襲撃された模様。なお護送対象者の名前は有藤慶之。有藤を含めた集団は逃走中。至急彼らを拘束せよ」
「やべぇーじゃん。とにかくさっさと行くぞ」蔵島達は急いで屋上から出ていった。
「お疲れ様です。有藤さん。上妻さんが待ってます」
「そうか」車の中で有藤は救出してくれた亜連メンバーからの言葉に小さく呟いた。
その時、メンバーの1人が上妻に電話をかけた。
「総長、今有藤さんの救出完了しました。…はい……はい。大丈夫っすよ。もしもの時は任せてください。…うぃっす」
そのメンバーは電話を切ると銃に手をやった。
「絶対に有藤をこの区域から出すな。封鎖区域内に入れるな。必ず捕まえる」
工藤は電話で室口と話していた。
航空隊による上空からの捜索、東日本方面本部による車両検問、本隊による陸上捜索、ULによる封鎖門(封鎖区域内と封鎖区域外の間に設置されている門)付近の警備など全総力で有藤の拘束に向けて準備を進めていた。
「くっそ…。車両検問だぜ。どうする?」
「運転代われ」
「は?」
「いいから」
あるメンバーは運転席に身を乗り出し運転席に乗るとそのままハンドルをきり前進した。
「こら、そこ待ちなさい」
反対方向に走り去る車両を目にし東日本方面本部所属警衛官らは拡声器で警告しながら無線で応援要請を送った。有藤を乗せた車は警衛車両、警察車両を振り切りスピードを上げながら逃走し続けた。
そしてそのまま封鎖門の前にやってくると蔵島達UL隊員らが待っていた。
「止まれ」蔵島達は車に向け銃を向けた。
「どうする?」戸惑っているメンバーらを車に残し有藤は車から降りた。
「久しぶりだな。俺を捕まえに来たんだろ?」そう言うと有藤は手を上にあげた。
「捕まえろよ」有藤の言葉に蔵島達は戸惑いながらもゆっくりと近づいた。充分に距離をつめた時だった、中島が急に声を上げた。
「お前ら離れろ。」中島が叫ぶと有藤はにやりと笑い中島に拳銃を向けた。
「中島、よくわかったな笑手を上げてひざまずけ」有藤に言われるがままに中島は手を上げて膝まづいた。
「そのままゆっくりと車に乗れ」
有藤は中島にささやいた。中島が車に乗り込むと有藤は銃口を向けながら車に乗った。そして窓から身を乗り出すとそのまま隊員らに向けて数発発砲し車はそのまま封鎖門を突破した。
「UL隊員1名が拉致そして数名が発砲による負傷。至急、救急要請及び応援要請を願いたい」現場は一気に騒然とした。