テラーノベル
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放課後、俺は よく一人で帰る。
他の人は 友達と戯れながら、帰り道に
コンビニに 寄ったりしている。
虐めとか、省かれているわけじゃない。
誘われてないわけでもない。
ただ、断っているだけ。
道端に 静かになった、
血まみれのカラスが倒れている。
「…またか。」
小さい子供から年寄り 関係なく、
全員狂っている。
傍から見れば、俺も その狂った奴らの
一人なんだろうな。
空は オレンジ色に染まっている。
この小さな町は、夕方になると、
夜の都会に変わったかのように 騒がしくなる。
どこかで 誰かは笑っていて、
誰かは泣いていて、そして 誰かはまた狂う。
…いや、考えないようにしよう。
田んぼの奥には 山が見えて、
何本もの 電線が伸びている。
すれ違った人は 大体知っている顔。
知らない顔は、よく目立つ。
「ただいま」
家の玄関に入って 靴を脱ぐ。
重くなった足を、
少し ふらふらになりながら動かす。
「おかえり、祈。」
「学校は どうだった?」
何を答えても 興味なんてないくせに、
聞いてくるなんて鬱陶しい。
「普通。」
普通。
便利な言葉だと思う。
自分の部屋に入り、部屋着に着替える。
ベットに倒れ込んで 深くため息をつくと、
全身の力が抜ける。
眠気がさしてきた頃、
ふと 今日の学校での会話を思い出す。
「この町って 変だよなー。」
あいつが 冗談のように、
笑いながら言った。
「どこが?」
「いや、皆何も無かったように過ごしてるじゃん。」
何も無かった。
「…実際、何もないじゃん。」
少し驚いたような顔で こっちを見てくる。
少しの沈黙のあと、あいつは また
笑って言う。
「そっか笑」
何も無いなんて、嘘だ。
本当は、全員見ていない、
知らないふりをしているだけ。
今も どこかで何かが怒っている。
だけど、そのことは誰も口にしない。
話題にしない。
自分には関係ないから。
自分が助かれば、
他人の事なんて どうでもいいんだろうな。
そして俺は、重い瞼を 閉じて、
深い眠りについた。
コメント
1件

触れたら消えそうでに続いて新作をありがとうございます。この作品はもう人作品のものとはどこか違う視点で雰囲気も感じれてすごく面白いです。またまた続きが気になるような書き方がされていて本当に工夫の仕方が天才だと思います。内容もしっかりしているので、早くみたいです