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大阪環状線の夜。トオルの180SXと小林健司の白い80スープラがスタートラインに並ぶ。トオルはターボとリアウィングが加わった愛車に全幅の信頼を置き、「今度は俺が勝つ」と気合を入れる。ユウジ、タクミ、ユウト、後藤、高橋、松田、佐藤が見守る中、信号が青に変わる。スープラの2JZ-GTEエンジンが咆哮を上げ、一瞬でリード。トオルは「速っ!」と驚きつつ、180SXで追いかけるが、直線での加速力とコーナーでの安定感に圧倒され、ゴールで大差をつけられて敗北。観衆がざわつく中、トオルはハンドルを叩き、「なぜだ! 180は完成したんじゃないのか!?」と叫ぶ。
トオルが車から降り、小林に「ランエボじゃなくてスープラだったなんて…」と息を切らすと、小林は笑いながら言う。「ランエボVIは俺のメインカーじゃねえよ。あれは環状用に置いてるだけだ。スープラが俺の本命さ」。トオルが「でも俺の180SXはケンジさんのパーツで…」と悔しがると、後藤が近づき、「確かにターボとウィングは揃ったが、まだ足りねえ部分がある。ケンジの車はもっと細かくチューンされてた」と冷静に指摘。小林が「残りのパーツなら、俺はある男に譲ったよ。今もそのパーツで走ってる。あのR34の中でね」と衝撃的な事実を明かす。トオルが「R34…まさか篠原マコト!?」と叫ぶと、小林は「その通りだ。ケンジの事故後、俺がバラしたパーツの一部をマコトに渡した。あいつの黒豹がその遺産を引き継いでる」と頷く。
トオルは「じゃあ俺の夢の車は…マコトのR34と戦わないと完成しないのか」と呆然。ユウジが「お前、マコトに勝てば全部揃うってことだろ! 急いで関東戻ろうぜ」と急かすが、トオルは首を振る。「いや…スープラに負けたままじゃ帰れねえ。悔しくてたまんねえよ。勝てるまで大阪にいる」と決意を固める。小林に近づき、「もう一度勝負してください。今度は絶対勝つ」と再戦を申し込む。小林は「面白い奴だな。3日後、またここでな」と笑って応じる。後藤が「お前、熱くなってるな。だがその気持ちが大事だ」と静かに見守る。
その夜、トオルたちはガレージで落ち込むトオルを励ます。タクミが「スープラの直線は異常やったな」と言うと、ユウトが「でもトオルも悪くなかったで」とフォロー。すると、後藤が「実はあのバトル、後ろから見てたんだ」と口を開く。実はユウジのシルビアに後藤を助手席に乗せ、小林とトオルの戦いを追っていたのだ。「小林の癖を見つけた。スープラは直線で抜群だが、右コーナーで少しアウトに膨らむ癖がある。」と分析。トオルが「それって…!」と目を輝かせると、後藤は「次の勝負でお前がその癖を突けば、勝機はある。180SXの軽さを活かせ」とアドバイス。トオルは「後藤さん、ありがとう!」と立ち上がり、練習を始める決意を固める。
次の3日間、トオルはタクミとユウトに環状線の走り方を教わりながら、右コーナーを重点的に練習。ユウジが「俺のシルビアで並走するから、ライン確認しろよ」とサポートし、後藤が横で微調整を指導。「ケンジの車なら、スープラの馬力にも負けねえ走りができるはずだ」と励ます。高橋が「俺も昔、小林と走ったことあるけど、あいつの癖は確かにあったな」と補足し、松田と佐藤が「トオルならやれる!」と応援。トオルは夜な夜な180SXを走らせ、「右コーナーで仕掛ける」とイメージを固める。
3日後の夜、環状線のスタートライン。トオルの180SXと小林の80スープラが再び対峙。観衆が前回以上の熱狂を見せる中、バトルが始まる。スープラが直線でリードを取るが、トオルは冷静に距離を詰め、右コーナーで小林のアウトへの膨らみを予測。インを鋭く攻め、一気に横に並ぶ。「今だ!」と叫び、180SXの軽さとターボの加速を活かして抜きにかかる。小林が「やるな!」と反応し、スープラで巻き返しを図るが、トオルはラインを崩さず、最終コーナーでわずかにリード。ゴールラインを接戦で通過し、観衆が息を呑む中、トオルの勝利が確定。ユウジが「やったぞ、トオル!」と叫び、タクミとユウトが「東京の意地、見せつけられたな!」と歓喜。
トオルが車から降りると、小林が近づき、「見事だ、桜井トオル。お前の180SXはケンジの魂をちゃんと受け継いでるよ」と認める。トオルが「ありがとうございます。次はマコトと戦って、パーツ全部揃えます」と言うと、小林は「マコトか…あいつも帝王のプライドがある。楽しみにしとくよ」と笑う。後藤が「お前、よくやったな。これで関東に戻れる」と肩を叩き、トオルは「まだ終わりじゃねえ。マコトに勝つまでだ」と決意を新たにする。
トオルたちは大阪のガレージで車に荷物を詰め、関東への帰路を準備。トオルが「小林健司に勝てた…次は篠原マコトだ」と180SXを見つめる。ユウジが「大阪で強くなったな。俺も負けねえぞ」と笑い、タクミとユウトが「また環状で会おうぜ!」と見送る。後藤は助手席で「ケンジの車がここまで来るとはな」と呟き、高橋、松田、佐藤が「帝王まであと少しだな」と笑う。180SXとシルビアが大阪の夜を後にし、遠くの高速道路の光が次の戦場・C1を予感させる。
**桜井トオル**:スープラに敗れ葛藤するが、後藤の助言と仲間との絆で成長。小林に勝利し、マコトへの挑戦に目を向ける。
**後藤トモノブ**:小林の癖を見抜き、トオルの勝利を導く。ケンジの車への思い入れが深まる。
**小林健司(ミスターK)**:ランエボがメインでないと判明し、スープラでトオルと戦う。パーツがマコトのR34にあることを明かす。
**三田ユウジ**:トオルのサポート役として、後藤を乗せてバトルを観察。勝利を共に喜ぶ。
**なにわのVTEC兄弟(タクミ&ユウト)**:トオルの練習に協力し、大阪での絆を深める。