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──────Hれいまり視点──────
ある程度の話をした後、ふと疑問が浮かんだ。
「なんでこんな遠い場所まで来たんですか?」
そう、何故わざわざここまで遠くの場所に来てまで話をしているのか。他の人に聞かれたら困るから?いや、ほかの人が聞いても意味がわからないだけだろう。そこまで神経質になる意味もない。それに…ハッピーエンドはないと言っていたではないか。この世界はどうせ亡びる。意味がわかったとしても後には…。この後を想像し、思わず冷や汗が垂れる。
そんな、私の反応を見てガンマスさんは愉快そうに笑う。
「ん〜?ここが1番の特等席だからだよ。ほら、あっちも盛り上がる頃だから、さ。登ってきなよ。」
そういいながら、ガンマスさんはこの街を支える木の枝を登り始める。枝と枝の間をぬけ、蹴り、あっという間に置いていかれそうになる。私も慌てて枝の上によじのぼる。枝、と表現したがそれは幹と言った方が正しいと思うほど太い枝。何十人乗っても折れることは無いだろうという安心感すらあった。
枝をよじ登り、ガンマスさんが登った後をついていく。ガンマスさんは私に手を差し伸べ、私がその手を掴めばそのまま引き上げてくれる。
ガンマスさんが安定した枝の上に座っており、私はその隣を失礼する。
「たーぶーん、ここがいちばん見やすいかなー。事前に調べてきましたからね!」
カパッと顔に付けていた仮面を外し、その素顔を覗かせる。片目には金色の瞳がやどり、もう片方には鮮やかな赤色が宿っている。自信満々な笑みで笑うそのドヤ顔にはギザキザの歯がついており、まるで肉食獣のような強さを感じた。
ガンマスさんは仮面を適当にほおり投げ一点を見始める。
「いや、え?そんな簡単に仮面捨てていんですか?この世界のアイデンティティでは?」
この一連の動作に魅了されかけていたが、ようやく事態に追いつきツッコミを入れる。そのツッコミに対し、ガンマスさんは平然とした顔で答えてみせる。
「あと1時間くらいでこの世界終わりますから。別にいいじゃないですか!気にしなくたって!」
ガンマスさんが豪快に笑いながらそう言ってのける。
「へ…?」
私はそれくらいしか言えなかった。だって、そんなにもあっさり終末のカウントダウンを始めるなんて、思いもしなかったから。と、言うかなんで知ってるんだ?そんな疑問を持ち、問いかけようとした。一瞬、ピカッと強い光が辺り一面を照らす。と同時に爆発音がこの町全体に轟く。一体どこから。すぐさま視線を動かしその発生源を睨みつける。その向きはガンマスさんが先程から見ていた方向であり、──────教会がある場所だった。
「この世界はねー『勇者が負けた世界』。初めから題名も何もかも決められて、運命を強いられた世界なんですよ〜。だから、誰にも止められない。」
「い、いや…!!何百回も繰り返したガンマスさんなら止められるのでは…?」
私がそう喉を振り絞って出した声に、乾いた笑いと共に返ってきたのは現実と理想の残酷なまでの差であった。
「止められるわけないでしょw私達みたいに神に嫌われた奴が神に好かれた奴らを止めるなんて。お門違いすぎるんですよね〜。まさに、雲泥の差!って奴ですよw!」
そう笑いながら言うガンマスさんはどこか現実を見ていないような、まるで違う世界を見ているかのような呑気さがあった。今起きていることがあたかも現実では無いものかのように。ただ、見ているだけの傍観者のような、そんな無情さすらも感じられた。
ガンマスさんは私の視線に気づいたのか、指をさしながら教会を指さす。
「ほら、見逃しちゃいますよ?シスターと勇者の行く末ってやつを。」
私はゆっくりと座り直し、教会に目を向ける。ガンマスさんが千里眼の魔法を発動してくれたらしく、遠くに視えるその惨禍がよくはっきり見えた。
戦っているのは顔なじみの緑髪の少年であり、この世界の希望であるいえもんさん。それに相対するのは黄金の瞳を両目に宿した少年。紺色のシスター服を身にまとい、一般的なシスター服とは違い、スカートの代わりに短パンと、長い黒靴下を履いている。金色の光を宿した手からは光魔法が乱発され、発光弾かのような輝きを見せている。しかし、威力は絶大で街の床を削り取る程の威力だった。その長い金髪の髪が蹴り技とともにふわりと浮き上がる。
そのシスターの正体は私のよく知っている、めめ村の一員野メテヲさんであった。…その服装は今まででも見たことは無いが。なぜにシスター服?女装癖?変態?次々と失礼な単語が脳内で乱立する。
ガンマスさんはいつの間にやら片手にポップコーンを持ち、それを口に運びながら説明してくれる。
「あーこの世界のメテヲさん、普段女性として過ごしてるんですよ。その方がウケがいいから。ま、その分相手も油断して、暗殺しやすいってことですね。女と男。人間同士ならその圧倒的な力の差ってもんがあるじゃないですか。そうやって油断した時に、こう、一刺しってことですよ。」
思ったより理にかなったような理由だなーなんて聞きながらその肉体戦を見守る。派手に血が舞い上がり、お互いの衣服が血で汚れていく。その血を、相手の血でまた洗い、また汚す。傷口はすぐに魔法で塞がり、その戦いは永遠に続くのではないかと思わせるほどだった。
「あ、あと魔王の趣味」
「魔王の趣味!?」
「そ、あいつ魔王信者だから。神に愛されたくせに神に歯向かう魔王に心酔してるとか笑えますよねー。」
ガンマスさんがついでと言わんばかりに、突然ぶち込まれた爆弾級の発言。神を信仰するシスターが魔王信仰してどうすんだよ!?とツッコミを入れたくなるほどのカオスな状態。
…いや、魔王の趣味が女装って。どんな趣味してるんだてかそれを部下にやらせるなよ!?
先程まで信じられない現実に殴られたばかりなのに、今度は意味不明な状況に殴られている。
こういうところをごちゃ混ぜにしないでください神様…。
ここで切ります!皆々様!お久しぶりです!テストも無事終わったので投稿再開します!
昨日は本当に頭痛くて死にかけたって話…します?しないでおきます横に置いときますねー。昨日は薬の偉大さを知る1日でしたね。ずっと寝れなかったのに頭痛を抑える薬?を飲んでしばらくしたら寝れました!助かった!
ま、代わりに今日は家で安静にしてましたが…
この過去編ちなみに需要あります?もう次回作の準備は出来たので打ち切りっていうのもいいんですけど…うーんって感じですね!はい!まだ15人分そしてれいまりさん編がまだまだあると思うと先が思いやられます。
ま、ぼちぼち進めていきますけど…!!
新作いつだそー!設定は固まったのに表紙イラスト描くのめんどい!というよりアイデアが出てこない…。まあ、うん。次回作は50話程度で終わらせたいなーなんて…無理かなぁ?
それでは!おつはる!
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