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最終話です🧏🏻♀💘
あれから数週間。結局ないくんとは前みたいに距離が離れてしまい、いつものようにいむと初兎ちゃんと…知らない女の子たちに囲まれて過ごす毎日。イメチェンしてからヘアセットや服をしっかりと綺麗に着替える、服を綺麗にすることについて楽しくなるようになってイメチェンし始めた頃よりも確実に垢抜けしていると思う。
「そーいえば、ないくん元気してるの?」
「りうらが送ったメッセージになにも反応無いから気になってて」
「あー、なんか少しだけ落ち込んでたかも。でも基本的には変わらずって感じやで」
落ち込む、?落ち込むってなんだ…?……まさか、りうらがモテモテになったことによって拗ねてるのか。きっと自分よりもモテモテになってしまったりうらのことを想像して拗ねているんだ。だからといってりうらのメッセージを既読無視するのは少しだけ酷い気がするけどなぁ。りうらはなにも悪いことしてないし。
「今度会ってやってや、きっとりうちゃん不足やろ。あの人、りうちゃんのこと大好きやし」
「僕も会いに行っていーい!?」
「もちろん、いむくんもりうちゃんも大歓迎やで」
…あぁ、終わった。この流れは絶対に初兎ちゃん家行く流れだ。てかこのいむのテンション感と初兎ちゃんのこの表情は…、まさか。
「今日、兄ちゃん大学休みって言ってたしうち、来る?」
だよな、そう言うと思ってた。そしていむもいいよ!って明るく返事してる。これりうら断れないじゃん。同じ部活だから部活を理由にできないしバイトだって曜日制だから今日が休みだってみんな知ってるし。終わった、りうらに断る理由なさすぎ。
「お邪魔させてもらうわ、最近初兎ちゃん家行ける機会多くて嬉しい」
「僕も僕も!充実した高校生ライフ送ってるわ〜僕!」
***
初兎ちゃん家に学校終わりそのまま直行して、お邪魔させてもらうとないくんがりうら達を出迎えてくれた。…けど、どこかないくんから避けられているような気がしてモヤモヤ。いむと初兎ちゃんばっかりに構っているような気がしてりうらは蚊帳の外みたいな感じ。なんだこれ、イライラしているようなモヤモヤしているようなむしゃくしゃするような。
「今度僕のお兄ちゃんも紹介したいな〜、ないちゃんもきっと仲良くなれる!!うるさい人達だから!」
「えー、いふさんうるさいイメージ無いんやけど」
「たしかに、…あ、でも悠佑さんはうるさいっていうか騒がしいよね、笑」
「話が長いんよなぁ、でもおもろいからずっと聞けちゃうんよな」
そう話しているといむがいふくんはうるさいよ!?って不仲っぷりを見せてきた。ないくんと初兎ちゃんが仲のいい兄弟なのであれば、いむといふさんは仲の悪い兄弟って感じ。結構対比な感じかも、この2組の兄弟は。
「悠佑さんもいむのお兄さんなの?」
「んーん!あにきはいふくんの恋人!」
「へぇ〜、いむには恋人居ないのにお兄さんには恋人居るんだ」
ばかにするように鼻でふっと笑うないくんに、はぁーー???ってその挑発に見事に乗るいむ。馬鹿すぎて笑える、本当。
「…てことは、いむってもしかして同性愛に偏見ない?」
「え? あー、まぁね、兄ちゃんが最初男の人を連れてきたときはびっくりしたけど自分でもびっくりなほどに抵抗なかったな〜。自分が男の人と恋愛できるかどうかはわからないけどね!」
「ふーん。俺もゲイだから今度俺の相談乗って〜」
唐突な暴露。ないくんってゲイだったんだ。しかもバイじゃなくてゲイ。いや別に差別があるわけじゃないし、いふさん達で慣れてるからどうもないけどあまりにも当然かのように言うから…いや、好きになる対象が男なだけであって普通の恋愛なのか。差別的思考は避けないとな。
「兄ちゃん、好きな人おるん?」
「んー?さぁね、秘密〜!恋人できたら紹介するな」
にこりと笑っているないくんの視線が一瞬こちらの方へ向いた気がした。
あ、今目が合った。初兎ちゃん家来てようやく、はじめて今日。目が合った。
吸い込まれるようにじっとないくんの方を見つめているとないくんの方から目をそらされた。…ただ目をそらされただけなのになんだか、名前のつけられない感情が波のように押し寄せてくる。今日なんか調子悪いな。
「あ、2人共もうそろ帰ったら?もう18時だし、高校生は帰んなきゃダメだよ〜?」
「…夜遅くまで遊園地のお出かけ連れ回したくせに」
「うるさいよ、りうらくん!」
むむっとした表情を見せてる。…なんだか胸がズキズキと痛む。なんだこれ、よくわかんない。よくわかんないけどドキドキする。動悸が止まんない、なに?病気?
「じゃあ、帰るね。またね初兎ちゃん達」
「おん、またな!」
そう言って玄関から出る。…やっばい、胸がズキンズキンと痛んでバクバクと体中が血が巡ってく感じがする。病気かな、これ。
「…いふさんとかなら、わかるかな。頭いいし。」
そう考えたらすぐに行動を起こしてしまうりうらは、一緒に出たいむいむに家に行っていいか訊いて許可が撮れたから即向かうことにした。
いむの家には本当の本当の本当に久しぶりで、でもなにも変わってない実家じゃないのにどこか懐かしくて落ち着く空気が流れていた。…家族の温かさみたいなのがあるのかな?
「んじゃ、勉強のこととか聞きたくないし部屋に籠もってるから、好きに相談して好きに帰ってね〜」
そう言っていむは部屋に籠もってしまった。いふさん、…いやまろは頭が良くて、勉強のこととかも一緒に教えてもらったりしたことも何回か。
「んで、どうしたん?相談があるって血相変えて俺に言ってきたからびっくりしたんやけど」
「あ、の…まろって病気に詳しい…?」
「まぁ、あにきが医療系の仕事に携わってるからな」
息を呑んでわかりやすく伝えられるように必死に脳を働かせて言葉を選ぶ。自分でもわからないこの感情?気持ち?現象?病気?症状?…なにがなんだかわからないから困ってるのに説明しようとしたら難しい。
「なんかね、とある人と目が合ってから心臓?頭?が痛いっていうか、なんか全身が暑いっていうか…みたいな感じでね、それで明らかに動悸がすごいから…病気とかなんかなのかな、って。」
…うん、上手く言えた。自分の状態をかなり的確に伝えられた気がする。りうらにしては上出来。天才。偉い。完璧だ。
「…ぷっ、あはは!!病気ぃ?心臓がバクバクするだけ!?あはは!!おもろお前!!」
黙り込んだかと思ったら吹き出して笑い始めるの、怖いよ。まろ。…いむも変な人だけどまろも変な人なんだよな。てか、心臓がバクバクするだけで、って異常なほどにバクバクするから相談してるってのに人の悩みを手を叩いて、涙を流してまで笑うなんて性格わる。
「大丈夫、それは恋やから病気とかじゃないで」
「つーか!あの恋愛に興味ないです〜みたいな顔しとったりうらもついに恋かぁ〜。」
「どこのどんな美男美女なんや、紹介してくれほんまにひと目見てみたい」
…恋、?え?恋??恋ってあの恋?恋愛感情のあれ?付き合って、ハグして、キスして、えっ、ちなこととかもするあの感情?
「戸惑ってるな、男?女?どっちなん。場合によっては俺もたくさん相談に乗れるから教えてみぃや」
「その目が合ってドキドキした人の性別で言うと、おと、こみたい…」
ないくん、と目が合ってドキドキしてそれが恋…?え、りうらはないくんに恋してるの?あのお兄ちゃんみたいな人に…?ずっと、一緒に過ごしてきたから恋してたなんて気づかなかった。
「ほーん? お前ってやつはほんっっとかわえぇなぁ…」
そう言って頭をくしゃくしゃと撫でられる。ないくんも小さい頃から面倒見てきてくれたからお兄ちゃんみたいな存在だけど、まろもなんかお兄ちゃんみたいな存在になりつつある。知り合ってからまだ数ヶ月しか経ってないのに、面倒見いいからかな?
「…男を好きになるのはしんどいけど大丈夫か?」
「失恋したときはそん時は俺がとびきり優しくしたるから頑張ってみぃ」
…ないくん、ゲイって言ってたけど俺のこと好きかどうか分からにもんなぁ、…でも少しだけチャンスあるって思うと少しだけ、すこーーしだけ嬉しい、かも。
…あれ、りうらってこんなにもないくんのこと好きだったけ。そもそもないくんがゲイだから喜ぶって、…本格的にりうらないくんのことすきなんじゃ…
「…あ、あのね。その人、ゲイ、なんだって…」
「え、それはよかったやん!確率1倍になったな!!!」
もともとマイナスだったのかな確率。そりゃあ、同性を好きになることなんて早々ないもんな。りうらとか、ないくんとかまろとかあにきとかが特例なだけだもん。
…そう、だよな。
「…まろ達は、いつもどういうふうにイチャイチャとか、してるの、?」
「んー、家でゆっくりイチャイチャすることが多いかな。ほとけだってあいつアウトドアやから家に居ないことが多いし、あにきは一人暮らしやから基本的に家にいれば自由って感じ」
「あとは外でも結構イチャイチャしとる。最近は距離の近い男友達が多いから意外と変な目で見られなくて、手を繋ぐとかハグぐらいなら。流石に唇にキスはあかんかなって思うけどな。」
そっか、同性同士の恋愛なんて普通じゃないとか思ってた、偏見とか持たないようにしてたけどやっぱり心の底では思ってた。…でも、なんだか安心かも。まぁ、付き合えたらの話だけどね。イチャイチャするもなにも。イチャイチャできるような関係になりたいけど!!
「…ありがとう、これから頑張ってみる」
「おう、告ったら結果とかも教えてくれよ」
「うん。」
そう言っていむの家を出て今度こそ自分の家に帰る。
そっかぁ、そっかそっか、りうらって恋したんだな。…今生きるのが楽しいな、贅沢な気分だ。こんなにりうらがしあわせになっていいのかわからないくらい。…付き合ってもないのに浮かれちゃって馬鹿みたい。
「明日からアピール、してみるかぁ」
自分で自分にガッツを入れて少し軽くなった足取りで家に足を運ばせた。
「…………メールどうやって送ればいいんだ…?」
返事が返ってこないっていう一件があったからなんだか送りにくい。また無視されたらりうら、結構凹むかも…。好きだって自覚してからこんなにも弱気になるとは思わなかった。
「…でも、送らなきゃ意味ないもん、な。」
そう自分で言い聞かせて適当に文字を打ち込む。
『今度また遊びたい』
なんて送ったらすぐに既読着いた。…え、はや。返事、返ってくるかな。いや返ってこないのかな。それだけはないことを祈る。頼む、嫌だとか断りの返事でもいいから返信してくれ。
ごちゃごちゃ考え事をしてたらスマホが震える。…もしかして、返信?
『いいじゃん、いむしょーも誘ったの?』
「いい、じゃん…!」
口角が緩むのがわかる。やーばい嬉しいな。…どうしようかな、いむしょーを誘うのもありだし思い切って2人きりで行きたいっていうのもあり。
『2人きりで遊ぶのもダメ?
嫌ならいいんだけど、ないくんさえよければまた2人きりで遊びたいな』
『いいよ』
少し返信までに間が空いたからなんて送られてくるかドキドキしていたらたったの3文字だけ。…流石に少しだけ気持ち悪かったかぁ、でもまぁいいって言ってくれたんだし。遠慮なくここは2人きりで遊ぶ約束もしなきゃな。
「〜〜っ、…はぁ…っ」
「りうら、いま…幸せだぁ…っ」
そのままりうらは意識を手放した。
***
あれから毎日連絡を取るようになった。ないくんは面倒くさがらずに返信をしてくれて、毎日話が続いてすぐに遊ぶ約束も決まったし、遊ぶ日程も決まった。
「はぁっはぁっ…ないくん、ごめんね遅れちゃったっ…!」
「いーよいーよ、遅刻じゃないから。」
優しく微笑みかけてくれる彼のその笑顔にドクンドクンとまた胸が高鳴る。これがキュンとしたというらしい。まろから教えてもらった。
「…りうら?大丈夫?体調悪い?」
「え?どうもしてないよ?大丈夫!」
ぼーっとしすぎてないくんに心配をかけさせてしまった。申し訳ない。
「そっか、んじゃ出かけよ」
「そ、うだね」
なんか恥ずかしくて顔見えないし上手く話せない。うぅ…っ、恋だって意識してから前みたいに接することができない、難しいよ…
時間が経てばないくんと話すのも慣れてきて、食事のタイミングではまったり話すことができるようになった。
「俺、会計してくるからりうらは先外で待ってて」
「あ…ほらあそこのベンチで座ってて」
そうして指さされた方へ、ないくんが言ったことにうん、と頷いてベンチの方へ向かいベンチに腰掛ける。そのままなにもすることがないからスマホをいじっていると肩をトントン、と叩かれる。会計終わるのはや。なんて思いながらスマホから視線を移すとそこに立っていたのはないくんではなく知らない男だった。
「ねぇねぇ、暇してるんだったら俺と一緒に出かけない?」
「暇してないんで、俺連れいるから無理です」
「えーー、じゃあその連れなんて忘れて俺と一緒に行こうよ〜」
こういうやつには無視が1番なんだろうっていうのはわかっているけど、目が合ったから無視をするのには無理があった。早くないくん帰ってこないかな。面倒くさいから、ないくんが帰ってきてくれればすぐに場所移動できるのに。
「本当に、あんたなんかと出かけたないんで」
そういったのに腕を掴まれて何処かに連れて行こうとされたから必死で抵抗するのに高校生と大人じゃ全然力が敵わなかった。だめだ、どうしよう。助けてないくん、って心のなかで唱えた瞬間、後ろから低くてかっこよくて、りうらの大好きな声が聞こえてくる。
「なに俺の連れに手ぇ出してんの?」
ナンパしてきた男と一緒に振り返ると、そこに立っていたのは紛れもなく俺の大好きな、ないくんだった。でもいつもより低い、体中に響き渡るような低音。
「つーか、俺を置いて遊ぶつもりだった?酷いなぁ、俺も連れて行ってよ」
「は、はぁ…?誰がお前なんかと!」
「こっちこそ誰がお前なんかと遊ぶんだよ。」
睨みつけるないくんにビビってるナンパ男。気がつけば腕が離されて自由だったからすくむ足を動かして内君の方へ近づく。
「…りうら、コイツ追い払ったら俺ん家おいで、初兎ちゃんいないから。」
「う、うん…わかった」
そう言ってまた今度はナンパ男に向き直って、また睨みつける。そして聞いたことのないくらい低い声でナンパ男に言葉を突きつける。
「失せろ」
その言葉を聞いた瞬間にナンパ男は泣きそうにながらその場から走って逃げ出してしまった。なんとも言えない空気感に、りうらはなにも言えないままないくんが「家に、来て」って言うから黙ってついて行った。
***
「…ごめん、怒った姿なんて…見苦しい姿、見せた」
…怒ってた、んだ。りうらなんかのために。そりゃ、あ…ないくんにとっちゃ友達の弟で、弟みたいにかわいがってきた奴が危ない目に合ってたら怒るよな、りうらだってまろが危ない目に合ってたらイライラしちゃうもん。
「ううん、助けてくれてありがとう。見苦しくなんかなかった、かっこよかったよ。」
無意識の内に言葉が発されていて、言葉が彼の耳に届いた瞬間にようやくりうらが口を開いていたことに気がつく。
「…はぁ…っ、俺ゲイって言ったよね、?聞いてなかったか…?いや、聞いてたよなぁ…もう…りうらはぁ……っっ」
途切れ途切れにボソボソとなにか言っている。なんで今ないくんがゲイかどうかの話が関係してくるんだろう、しかもりうらが聞いていたか聞いていなかったかも大事っぽそう…?
「りうらはさぁ…、それ無意識なの? 俺、ゲイだって言ったよね…?男のことを好きになるような男なんて警戒しなきゃダメだよ、普通の友達みたいに、兄みたいに接してもらえると思ってたら…いつかヤられる…」
「…は、え、ヤられ…!?」
なんてこと言うんだこの人は。りうらが馬鹿だみたいにいいたいの?ていうかないくんだから誘ったわけだし、無意識っていうか…好きだから誘ったわけで…
「…あのね、りうら。」
「な、なに…?」
「ずっと、りうらのことが好きだよ。恋愛的に、…って気持ち悪いよね、ごめん…!」
…りうらの耳に届いた言葉が幻聴なんかじゃなければ泣きたくなるほどに嬉しい言葉が今聞こえた気がする。
「気持ち悪くなんか、ない…りうらだって、男の人のこと……」
「じゃなくて…、りうらも、ないくんのこと」
「恋愛的に、すき。だよ…」
end
( 続編とかも書きたいなーとは思ってますけどひとまずは完結!😸💭 )
コメント
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時差でごめんね、💦 最終話、! もう、桃赤ちゃんが尊すぎて、、🫠 青さん流石、👍 続編待ってます、!!✨