コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
塔の内部は外観よりも広く、冷たい石造りの壁が無限に続いているように見えた。灯りはほとんどなく、足元のランタンが頼りだった。
「……ここ、本当に塔の中なの?」
Shellyが怯えた声を上げる。
彼女の目の前に、壁一面に貼られた無数の「顔」が浮かんで見えた。
泣き笑いする仮面のような顔。
だが――Astroには何も見えていない。
「顔?そんなのないけど……ほら、Shelly……ただの石壁だよ。」
「い、いや!見えてるの!ほら、こっち向いて笑ってる……!」
Shellyの声は必死だった。
shellyの言葉を聞き、Sproutが壁に手を伸ばすと、
「うわっ!?」
床が抜け、深い闇へと引きずり込まれそうになる。
咄嗟にDandyが手を掴み、Veeがランタンを投げ入れる。
ランタンはすぐ下の足場に転がった。
「……幻覚で床がないように見せてる……。ふざけた仕掛け。」
Veeが冷静に分析した。
「つまり……ここは、僕たちの心を揺さぶって、判断を鈍らせる場所……って事かな。」
Astroが低く呟く。
進むごとに、空気は冷たく、重くなっていく。
やがて、 目の前に三つの通路が現れた。
どの通路も奥は暗闇で何も見えそうにない。
Dandyは仲間を振り返り、低く言った。
「ここからが本番だと思う。必ず装置を見つけよう。」
ランタンの火が微かに揺れた。
三つの通路の前で立ち止まったDandyたち。
どの通路も不気味に誘うように口を開けている。
「一緒に動いた方が安全じゃ……?」
Shellyが震えた声を漏らす。
だが次の瞬間、床が震え、石壁がせり上がった。
三つの通路の間に厚い壁が立ち塞がり、強制的に分断されてしまった。
◆Jevin・shelly・Dandy
『皆さん!!聞こえますか!』
Jevinは必死に壁に向かって叫ぶが返答はなく、ただただ声がその場に響くだけ。
「どうしよう…分断されちゃった…!」
shellyが涙ぐむように述べる。
「もうこうなった以上、進むしかないよ!」
DandyがJevinの傍に行き、そう告げる。
『……そうですね、先を急ぎましょう。 』
3人はしばらく歩き続けるが、 延々と同じ景色の廊下が続き、曲がっても曲がってもまた同じ場所に戻ってしまう。
壁の石もランプの配置も、まったく変わらない。
「……これはただの通路じゃないね、」
Dandyは眉をひそめる。
『同じ景色を繰り返してる……つまり、私たちが“何か”を見落としてるってことだ。』
Jevinは腕を組み、石壁をじっと睨んだ。
「…あ、!あの!ほら、あの床……少しだけ模様が違う!」
shellyが指差した先、石畳の角に小さな“苔の模様”があった。
同じに見えた廊下。実は、正しい道には必ずその苔が刻印のように現れていたのだ。
「……やるね shelly!これで出口が見つかる!」
Dandyの声に、Jevinがフッ、と笑った。
『よし、ゴールは近い』
◆Astro・vee・Gray
三人が入った部屋は、閉ざされた石の箱だった。
「誰か!聞こえてたら応答して!!」
veeは強く壁を叩くが何も変わらない。
するとGrayがveeの肩を軽く叩き、こう述べた。
『制限時間があるから早く解いた方がいいと思う…』
背後の扉は消え、代わりに天井から巨大な砂時計が落ちてきている。
砂がすべて落ち切るまでの間に、壁に刻まれた暗号を解かなければならない。
「……クイズ系は私の担当だ。」
Veeの画面がチカチカと光る。
「制限時間つき……しかも壁が近づいてきてる。」
Astroが壁に触れ、ギシギシと音を立てて迫ることを確認した。
『……暗号は“光と影の言葉”。多分、これの事じゃ……?』
Grayが石壁に映る影を指差す。
veeはそれを見て素早く石壁に映る影を操作する。
やがて、壁の模様と砂時計の影が重なり、文字が浮かび上がった。
「答えは……“OPEN”。」
Veeが即座に叫ぶ。
ガガガッ――!
目の前の石壁が割れ、眩しい光の差す通路が開いた。
「……ふぅ、流石クイズ番組の司会者。」
Astroが息を吐くと、Veeはどこか誇らしげに肩を張った。
「当然の事だ!こういうのはワタシ得意だからね。」
◆sprout・Pinki・Pebble
「……ダメだ、壁は分厚いから多分叫んでも誰にも届かない。」
sproutは壁に触れ、頭を横に振りながら述べた。
「アフ……」
『じゃあ、どうしたら…!』
とPinkiがそこを見渡すと、そこには大量の箱が。
「うわっ、何これ?!箱…?」
sproutが1つを手に取り、開けようとするも
「ワン!!」
Pebbleが必死に箱を開けようとするsproutを止めようと鳴き続ける。
『もしかしてこれって開けたら危険なものが入ってるとかないかしら…?』
「ええっ、じゃあどうしたら…?!」
sproutは慌てて箱を開けようとするのをやめ、もう一度辺りを見渡す。
すると1つの紙切れがそこにあった。
そこに書かれていたのは
『本物を見分けることが出来たなら、ここから抜け出す事が出来る……?』
Pinkiがそれを読み上げる。
「えっ、本物と言っても…全部一緒に見えるんだけど!」
とsproutは項垂れるように目線を下に移す。そこにはくんくんと匂いを嗅ぐPebbleの姿が。
「……いや行けるかも。」
sproutはPebbleに箱の匂いを嗅ぐように伝えるとPebbleは早速箱をくんくんと匂いを確認していく。1つ、また1つと……
やがてPebbleはとある1つの箱に強く反応した。
「ワン!!」
sproutがそれを恐る恐る開けると、中から光が溢れ、正解だと示された
「やった!これで出られる!」
ついにそれぞれ合流点につき、また仲間との再開に成功することが出来た。
皆無事に会えた事を少しの間喜んだ後、
Jevinの『ここからが本番です。気を引き締めていきましょう』という言葉でまた皆塔の奥へと向かい出す。