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「………」
私達は一言も喋らずその場をあとにした。
月の都攻略最終話
「絶対に勝ちましょう。」
私はそれだけ言うと、先に進み始めた。
魔理沙はうつむいている。
コツ… コツ…
虚しく私達の足音だけが響く。
「ほう。やはり来たか。なかなかの実力者だとは聞いていたが……豊姫を倒してくるなんてな。」
豊姫と似ている姿をした女性……依姫が現れる。
「あんたが、私達の幻想郷を……返してもらうわ!平和な日常を。幽々子と妖夢を!」
私は依姫を睨みつけながら言った。
依姫は剣を構える。
「……一つ…条件を飲んでくれるか?」
依姫が一つ一つ言葉を連ねる。
「一つ。私が勝てば、お前たちの魂を頂く。一つ。お前たちが勝てば、お前たちの連れを助けてやる。それと同時に、スクナを助ける。もうスクナを助けられる状態だが、せっかくここまで来てくれたのだ。……楽しませて。」
ガン!
依姫が剣を振るった。
私達はすぐさま避ける。
「アンタレス!」
魔理沙が大きな球体を放つ。私も無数の弾幕を放った。
依姫が豊姫と同じように剣を突き出す。
バアァン!
「それは……宝剣か。白色をしているから……豊姫と同じような感じだな。精神を崩壊させられたりは出来ない。でも、とてつもない威力を持っているらしい。」
魔理沙が依姫に攻撃を仕掛けながら説明してくれた。
「夢想封印・結」
糸のように細い弾幕が依姫に向かっていく。
その後に陰陽玉が飛んでいく。
「アルタースパーク!」
「……挟み撃ちか。豊姫の特性を利用したな。ラストワード神凪の戦巫女」
「霊夢!」
「魔理沙?!」
魔理沙がどんッと私を押した。
鈍い音とともに魔理沙が倒れる。
腕を切られているようだ。
「……一人か。感のいいやつだ。まあ、もう終わりだな。」
私は喋る気力もなくその場に立ち尽くす。
このままでは……
動こうとしても動けない。
ずり… ずり…
何かが這う音が聞こえた。
ゆっくりと後ろを振り向く。
「え…?」
思わず声が漏れる。
そこにいたのは………
「合体剣……満開…一本桜。」
そこにいたのは妖夢だった。
重症を負っている状態でここまで這ってきたのだろう
ジャキイィン!
刃のこすれ合う音とともに目の前が白く染まる。
「う…まぶし…い……。」
私はそっと目を開ける。
そこはさっきまでいた場所とは違うところだった。
「ここは……?」
私はあたりを見回しながら先に進んだ。
「これって…これがスクナ?羽がついてる……。」
スクナは機械の中に入れられている。
私はその容器に手を当てる。
パンッ!
鈍い音とともに、ガラスが砕け散った。
「あなたが…スクナ。」
私はスクナに話しかける。
スクナはゆっくりと起き上がると、コクリとうなずく。
喋れないらしい。
「お、お願い。依姫を止めて。あなたが起きれば、依姫はきっと止まる、来て!」
私は必死にスクナに訴えかける。
スクナはしばらく間をおいて、コクリとうなずいた。
「あ、起きたばかりで歩けないか。ほら、肩を貸してあげるから。」
コツ…… コツ……
私達はゆっくりと進み始めた。
スクナがなにもない空間に手を伸ばす。
パァァァ!
「うっ…まぶしい…」
私は目を覆った。
しばらくすると……
「スク…ナ?スクナ…なのか?!ゲホッ……良かった……。約束通り…連れを助けてやる。輝夜。まず精神崩壊を起こしている子を。」
輝夜が姿を表した。
幽々子を抱き抱えている。
「すまないな。」
依姫は幽々子にそっと触れる。
カチッ!
何かが固まるような音が聞こえる。
「………これで大丈夫。」
幽々子が安心したような表情になった。
これで助かったのだろう。
「次に……妖夢ちゃん。永琳。手伝ってあげて。」
永琳はコクリとうなずくと、妖夢に駆け寄る。
しばらくして、妖夢の治療が完了する。
スクナはじっと、魔理沙を見ている。
魔理沙は本当に重症だ。妖夢よりもひどい。
依姫のラストワードをまともに受けたからだろう。
「うっ……ここは?」
妖夢が目を覚ます。
そんな妖夢を無視して、魔理沙の治療に取り掛かる。
「……これはひどいな。本当にすまない。」
依姫がうつむいて謝る。
魔理沙は片手を負傷。足の骨が折れ、片目を負傷。
重症だ。
二人が治療をしている間、私はちらりとスクナを見る。
スクナは悲しそうに魔理沙を見つめている。
そっと手を伸ばす。その途端視界が白一色に染まる。
しばらくして、視界がもとに戻った。
魔理沙の怪我が全部治っていたのだ。
スクナがホッとした表情を見せた。
「……倒せたんだな。」
魔理沙はそう言うと、また目を瞑った。
「最後は…豊姫。」
豊姫は軽症だった。
案外すぐに治療は終わった。
「……すまない。…スクナを助けるために必死になっていた。迷惑をかけたな。それじゃあな。お前たちはもう帰れ。」
依姫は笑顔で私達を送ってくれる。
みんなも無事目を覚ました。
「……さようなら。」
私は最後に挨拶を交わす。
依姫達は手を振ってくれる。
そして、私達は幻想郷に帰ってきた。
サアァァ
心地よい風が吹いている。
「……帰ってきた……のね。幻想郷…なにかが変わったわね。」
桜が咲き乱れ、空が青い。
「あっちの幻想郷に報告しにいきましょう。」
そういって、鳥居に向かう。
「夢想封印・改」
パァァァ!
「帰ってきたのね!」
こちらの私が、笑顔で出迎えてくれる。
歓声が上がる。
こうして私達は、幻想郷を救えたのだ。
完
主からあいさつ
こんにちはパフェるん♪です!
自分で言うのもなんですが、とってもいいお話でしたね!
無事ハッピーエンド!です!
次回作もよろしくおねがいしますね!
それではおやすみ〜。