ギシ、ギシ、とベッドが軋む音が、
熱を帯びた二人の吐息と混じり合う。
元貴の身体は、完全に滉斗の動きに支配されていて、抗うことなく快感の波に身を委ねていた。
滉斗の肩に回された腕が、強く食い込む。
白い指が彼の背中を掻き、爪の跡が刻まれていく。
「んぅ……っ、や、やばい……っ、こんなの……っ、は、じめて……っ!」
元貴の瞳は潤んで焦点が定まらない。
彼の頬は真っ赤に染まり、汗がこめかみを伝い落ちる。
普段の冷静で完璧主義な彼の姿からは想像もできないほど、元貴は本能のままに喘ぎ蕩けている。
そのギャップが、滉斗の欲をさらに煽る。
滉斗は、元貴の首筋に唇を寄せ、甘く吸い上げた。
「…元貴、大丈夫? ……俺の声、聞こえてる…?」
「ん、ぁっ…、きこえる……っ、へいきっ」
朦朧とした意識の中で、元貴は必死に滉斗の問いに応えようとする。
その姿が、狂おしいほど愛おしい。
滉斗はゆっくりとリズムを刻み始めた。
深くゆっくりと、そして時に激しく。
元貴の身体から、かつてないほどの甘い声が引き出されていく。
「っあ……、んぅ、、!そこ……っ、
ひろと、ぁッ、ん…もっとっ……!」
元貴は、滉斗から苦しいほど与えられる快楽の虜になっていた。
自分で自分の快感を求めるように、腰を動かし始める。
「……可愛いな、元貴」
滉斗は元貴の耳元でそう呟くと、彼の唇を塞ぎ、深く舌を絡ませた。
やがて、元貴の身体が大きく震え始める。
全身が痙攣し、口から止めどなく甘い喘ぎが溢れ出す。
「っぁん……!ぁ、あッ、〜っっ!!!」
元貴の喉から、今まで聞いたことのない甘い声が漏れた。
その瞬間、彼の身体は最高潮の快楽に達し、全身がビクンと跳ね上がった。
滉斗の手の中に、熱いものが吐き出される感触が伝わる。
元貴は、そのまま力尽きたように滉斗の胸に顔を埋めた。
荒い息遣いが、滉斗の肌に熱く触れる。彼の身体はぐったりとして、汗でしっとりと濡れていた。
「はぁ……っ、はぁ……っ……」
熱を帯びた荒い呼吸を繰り返す元貴の髪を、滉斗は優しく撫でた。
元貴の身体はまだ微かに震えていたが、その表情には、深い快感と安堵のようなものが浮かんでいた。
「……元貴、大丈夫?」
優しく問いかけると、元貴は顔を上げ、潤んだ瞳で滉斗を見つめた。その瞳には、羞恥と、そして、今まで見たことのない、深い愛情が宿っていた。
「…、滉斗……。」
元貴は、掠れた声で滉斗の名前を呼んだ。
その声は、滉斗の心臓を温かいもので満たす。
「…すること全部、はじめてで………なんか、俺、わけわかんない……」
元貴は混乱したように呟きながらも、滉斗の首に腕を回し、ぎゅっと抱きしめた。
その行動が、まるで彼が滉斗を受け入れた証のようで、滉斗はそんな元貴を優しく抱きしめ返した。
彼の背中をゆっくりと撫でながら、耳元で囁く。
「俺も、元貴が初めてだよ。……こんなに、誰かのことを好きになったのも、元貴のこと、愛しいって思ったのも」
夜が明けて、カーテンの隙間から差し込む朝陽が、
滉斗の部屋にやわらかな光が差す。
隣で眠る元貴の寝顔は、普段と変わらない。
けれど、昨夜交わした熱い時間が、二人の間に確かな変化をもたらしたことを教えてくれる。
滉斗は、ゆっくりと目を開けた元貴と目が合った。
元貴の瞳は、まだ少し潤んでいて、昨夜の情事の余韻を色濃く残している。
普段は真っ先に言葉を発する元貴が、何も言わずにじっと滉斗を見つめてくる。
その沈黙が、逆に滉斗の胸を高鳴らせた。
「……元貴、おはよう」
滉斗が優しく声をかけると、元貴の頬が、ゆっくりと赤く染まっていく。
その反応に、昨夜のすべてが夢ではなかったことを実感する。
「……おは、よ…」
掠れた声でそう応じた元貴は、そのまま滉斗の胸に顔を埋めた。
身体は昨夜の快感に疲弊しているはずなのに、滉斗の温もりに包まれると、安心したように力を抜く。
しばらくの沈黙の後、元貴はゆっくりと顔を上げた。潤んだ瞳が、まっすぐに滉斗を捉える。
「……ねぇ、滉斗」
元貴の声は、震えていた。その震えは、羞恥からか、それとも他の感情からか。
「……俺さ、昨日、正直すっごい驚いたし、怖かった。
こんなの、初めてだったから。でも……」
元貴は、そこで言葉を区切ると、深く息を吸い込んだ。
滉斗は、ただ黙って彼の言葉を待つ。
「……でも、怖かったけど…それ以上に、滉斗に触れられてるのが、すごく気持ちよかった、の…。
ずっと滉斗の隣にいたいって、思ったから。……俺、滉斗と付き合いたい」
元貴の口から紡ぎ出された言葉は、驚くほどストレートで、純粋な告白だった。
滉斗の心臓が、歓喜で大きく跳ねる。
彼の身体が、熱を帯びていくのを感じた。
元貴が、まさか自分から告白してくるとは思ってもみなかったから。
「元貴……」
滉斗は、感動に言葉を詰まらせながら、元貴の身体を抱きしめた。
その抱擁に、元貴も強く応える。互いの温もりが、確かな愛となって胸を満たしていく。
「……うん。俺も、元貴が好きだよ。ずっと好きだった、ありがとう、元貴」
滉斗は、元貴の髪に顔を埋め、甘く囁いた。
そのまま、元貴の唇に、誓うようなキスを落とす。
朝日の光の中で交わされるキスは、昨夜の情熱とは違う、確かな未来を約束するような、穏やかな温かさがあった。
ガーーーーーーーーーーー
短編集なのにもう短編じゃないのおもろい
ノンケ最高ですな
コメント
6件
もうすきです!!さいこうです!
拝読させていただきました……ノンケをトロットロにしてくださりありがとうございますありがとうございます!!! 描写の書き方が本当にリアルで私自身、若さん目線……いや、憑依した状態での拝読でした。その為、私もめちゃくちゃ蕩けた姿に狂おしいほど愛おしかったです……ちょっと余韻を引っ張った状態での感想で支離滅裂かもしれませんが凄く良かったと直ぐにお伝えしたかったんです……すみません🙇♀️
初コメ失礼いたします…主さんの作品大好きです♡全部見てしまいました! これからも応援させてくださいー!