TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
シェアするシェアする
報告する

第十七話

注意書きは第一話をご覧下さい。





水side

ピッ…ピッ…ピッ…

3ヶ月が経ち。いよいよこの日が来てしまった。

この病室にいるのは私と彼だけ。

私のタヒを見届けるのは彼だけだろう。

赤お兄ちゃん達にも本当の事を言ってないから。

もう身体の感覚は完全になくなって呼吸をするのがやっと。

だけど彼が手を握ってくれてるのも、その暖かさも伝わってくる。

青「水…」

私の隣で手を握ってくれてる青くん。

今すぐにでも泣きそうな顔をしている。

君には感謝してもしきれないよ。

水「青…くん…」

青「なんや…?」

水「今まで……ありがとう…」

水「青くんに…出会えて…よかった……」

水「……愛してる…」

青「!」

今までの気持ちを少しの文章だけど君に伝えることはできたかな?

水「そうだ…そこに置いてある手紙……赤お兄ちゃん達に渡しておいて……?」

水「あと……青くんの分もあるから…」

青「…わかった」

青「俺も…俺も愛してるで…ポロポロ」

最後の愛してるを貰えたところで、私の視界は遠のいていく。

青「水っ…水……!」

青くんの声も聞こえづらくなってきた。


ねえ青くん。これからたくさんの人に出会って、たくさんの人に囲まれて、幸せに過ごして欲しい。

だから早く会いに来たりしたらダメだよ。

いつか君の隣で、君の生きた時間の話をたくさん聞かせてほしい。その日が来るまでずーっと待つから、いっぱい笑って青くんらしく生きてね。

それが私の最後の願い。

青「ありがとう。水。またな…ポロポロ」

青くんの優しい涙が頬に落ちてきた瞬間。

私の命の炎は、後悔をひとつも残すことなく、静かに消えた。



青side

水は素敵な笑顔で人生の幕を閉めた。

青「っ……!ポロポロ」

青「水…ポロポロ」

水の手を握っていると、だんだんと冷たくなっていく。

現実を受け入れたくなかった。




1週間後

青「……あ、そういえば」

それから1週間が経った。

まだ水からの手紙を読んでない。

青  カサッ

なんて書いてあるんだろう。どんなことを書いたんだろう。俺はそっと中を見た。

青「!」


『青くんへ

今までありがとう。貴方といた3ヶ月はかけがえのない私の宝物です。出会えてよかった。好きになれてよかった。愛情をくれてありがとう。あなたには何万回感謝してもたりないくらい、たくさんのものをもらったよ。

私はとても幸せでした!青くんも私がいなくなっても幸せに過ごしてね!大好き、愛してるよ。

水より』

青「…ポロポロ」

やっぱり水を思い出すと涙がとまらなくなる。でももう戻れない。

これからは前だけを向いて、いつか彼女にたくさんの思い出話を聞かせてやるんだ。

きっと長いこと待たせてしまうだろうけど。

青「…待っとってな」



次回最終話

お願い、私を愛して

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

115

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚