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DVが起きてから私達は何度も家出を繰り返していた。
でも家を出たとこで行く宛てもなくお金もない。
母は若い頃に足の病気になり外で働くことが不可能になり、生活保護を受けているためお金が無い貧乏だった。
母は内職をしていたが、
アイツが勝手に会社辞めたりニートになったりしていたし、母からお金を盗んだり私達のお年玉も盗んだりしていたのでお金が貯まるわけもない。
私達は家賃も払えず米も買えず、おかず少しだけの暮らしをしていた。
私達姉妹はよく母にアイツを警察に訴えようって何度も言った。だが母はそんなことしたら残った私達3人が周りから犯罪者の家族として白い目で見られるかもしれない、もしかしたらイジメも受けるかもしれないと私達姉妹の心配をして周りには一切言わなかった。
だから何も知らない周りもいいお父さんだねってよく言っていた。
それが嫌で嫌でたまらなかった。
同級生のお母さんはみんな自分のことが好きだなんて自惚れていたし、クリスマスや大晦日、正月などのイベント事には100%暴れていた。
だから子供なのにイベント事が来るのは正直嫌だった。
母は本当に強く、いつも私達を守って自分が盾になってくれる。アイツが餃子を焼いたあとのフライパンに残っている油を母の頭にかけようとしたこともある。だが母はアイツにそんな度胸がないのを知っていたから怯えず「かければ?」といい平然としていた。
だがそんな強い母だが精神的にはやはりくるものがあった。
ある日、家出をした時のこと、家を出たけどやはり行く宛てもなく帰ろうとしていた。家の近くまで来ると母は止まった。
次の瞬間
「あなた達だけで帰りなさい。」
その一言で小学生だった私は何かを悟った。
母「〇〇(姉)、〇〇(私)のことよろしくね」
姉は当時中学生でお姉ちゃんであるからなのか「分かった」と言った。
だが私はそうはいかなかった。
私「ママは?一緒に帰ろうよ」
母「お母さんがいないほうがアイツもあなた達に何もしないと思うの」
心の奥底から涙が溢れてママにしがみつく私。
私「ヤダ。ヤダ。ママが家を出るなら一緒に行く。離れない絶対!!!」
私は一生懸命ママにしがみついて離れなかった。
あの時離れていたらたぶん母も私達もこの世にいないかもしれない。
この時の記憶は今でも鮮明に覚えている。
そして家に帰る。疲れ切っていた私達姉妹はリビングで寝てしまっていた。
そして朝方物音で目を覚ます。
目を開けるとそこには
アイツと母が争いをしていた。
手には包丁が握られていて取り合いになっていた。私は何をしているのか把握出来ていないままアイツが包丁を真横あった押し入れに突き刺した。
話によると、母は私たちが寝ている目の前で包丁で腕を切って自殺行為をはかろうとしていた。
でも貧乏で包丁買うお金なんかないし研ぐこともできないため歯切れが悪く腕が切れなかったらしい。
そこまで精神的に追い詰められていることに気づけなかった自分を悔やんだ。