テラーノベル
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ーーー放課後
ナオヤ「セイちゃん、早くーっ!」
そう言ってこちらを振り向きながら
無邪気に走っていくナオ
セイト「ナオー、前見て歩かんと転けんでー」
そう注意しながら後を追う俺
エイキ「フッ、お父さんかよ」
隣でエイキが鼻で笑っている
セイト「..ちゃうわあほ。」
何がお父さんやねん。
こいつほんま腹立つわ….。
そんなことを考えつつ、チケット売り場で
キョロキョロとしているナオに追いつく
ナオヤ「んー..どこがええやろ..」
真剣な表情で座席をえらぶナオ
エイキ「こことか、いいんじゃない?」
そう言いながら最後尾の角を指さすエイキ
ナオヤ「おっええやーん♡ここに決めよっ」
なんやかんやで座席が決まり、
俺達は映画館へと入った
…
なんやねん、この気まずさは。
映画館に入ってから、俺はある事に気づいた。
見渡す限り
″カップル″
″カップル″
″カップル″
カップルしかおらへんやん…
ナオヤ「ねぇっ..カップルたくさんやね..?」
ナオも気づいていたのか、ボソボソと
小さな声で俺に話しかけてきた
エイキ「カップルに人気なホラー映画らしいよ」
そんなナオの声が聞こえていたのか
エイキがそう答える
セイト「へー…って、え!?」
咄嗟に大声で反応してしまう
ナオヤ「ちょっと..セイちゃんっ!しーっ…!」
慌てたナオが両手で俺の口を塞ぐ
ホラー映画…?聞いてへんぞ…
エイキ「なに?セイトホラー苦手なの?笑」
そう小馬鹿にしたような顔で
俺に話しかけてくるエイキ
ナオヤ「せやった…セイちゃん、昔からホラーだけは苦手やねん..ナオすっかり忘れてたわ.. 」
″大丈夫?″ と気まずそうな顔で
こちらの様子を 伺うナオ
セイト「…大丈夫や。俺かてもう高校生やし、、ホラーくらい克服してるわ..」
ナオとエイキを2人残して逃げ出す訳には行かず
俺は腹を括って映画に挑むことにした。
″ザッ……ザザッ……″
ノイズ混じりの映像がスクリーンいっぱいに映る。
″ゴクッ″
俺は思わず唾を飲み込む。
は..始まってしもた…
腹を括ったとはいえ、ナオの言う通り
俺は大のホラー嫌いや..。
″ギィィィ……″
″バンッ!!″
セイト「ひぃっ!!」
思わず小さく声が漏れる
ナオヤ「..セイちゃんっ..大丈夫..?」
隣に座っているナオがコソコソと確認してくる
俺は無言で頷き、スクリーンに集中する
「……ねぇ……」
スピーカーから女の声が響く。
『みーつけた。』
″ドンッ!!″
突然大きな音が鳴り、俺は咄嗟に
ナオの手を掴んだ
セイト「無理無理無理無理…」
小声で呟く俺の手を
ナオは強く握り返して
ナオヤ「セイちゃん、大丈夫やで..?ナオ、ここにおるから..」
そう宥めてくれて、少し安心した。
はぁ。ホンマに情けない。
克服したとか言っておきながらこのザマか…
ふとナオの左隣に座るエイキに
視線を向けると、余裕そうに足を組み
スクリーンを見ていた
くそ…俺だけ情けないやんけ…
終始冷や汗をかきつつも、なんとか映画が
終わり、明るくなった場内にホッとする。
セイト「やっと終わった、、」
そう呟く俺を横目に
ナオヤ「エイキくんっ!セイちゃんビビって、ナオの手掴んで震えててんでーっ!笑 かわいかったなぁっ♡」
と、にやにやした顔でエイキに話すナオ
セイト「び、びびってへんしっ..!」
慌てて訂正するも、ドン引きするような
視線でエイキがこちらを見ていた
なんやねん…怖いもんは怖いねんから
しゃーないやろ…
そう心の中で不貞腐れていると
ナオヤ「ナオ、ちょっとトイレ行ってくるなー?」
そう言ってナオはパタパタと
トイレの方に 走っていった
セイト「…」
急にエイキと2人取り残され 沈黙が訪れる
エイキ「..なあ、お前らって付き合ってんの?」
先に口を開いたのはエイキで
何を言うのかと思えば
″俺たちが付き合ってるのか″なんて
突拍子の無いことを聞いてくる
セイト「…せやで。って言ったらどうすんの?」
俺は挑発のつもりでそう答える
エイキ「ふーん..その様子だと大丈夫みたいだね笑」
…大丈夫?なにがやねん。
エイキが何を言っているのかわからず
モヤモヤした気持ちでいると
エイキ「あのさ、今日本当は2人で来たかったんだよね」
俺の目をまっすぐ見てそう言うエイキ
セイト「..やからなんやねん。俺を誘ったのはナオや」
俺も負けずと視線を逸らさずに返す
エイキ「だからさ、今日はもう帰ってくれない?少しだけナオと2人にさせてよ」
エイキも一向に目を逸らすことはなく
平然とした顔で言ってのける
なんでお前らを2人にせなあかんねん。
しかも″ナオ″と呼び捨てにしているのが
無性に腹がたつ。
″それは無理なお願いやな″ そう返そうと
した時
ナオヤ「お待たせーっ!次ッどこ行く?♡」
ナオが戻ってきた
エイキ「あー..セイトくん、予定があったらしくて、先に帰るんだって。ナオちゃんは俺とカフェでも行こうよ」
俺が話すのを阻止するように
平気で嘘をつくエイキ
セイト「ちがっ..」
否定しようとした時
ナオヤ「えーっ!?セイちゃん帰ってまうん?でも..用事があるなら仕方ないよね..気をつけて帰ってねっ!」
そう言ってあっさりと納得してしまうナオ
セイト「いやっ..」
再度否定しようとするも、
エイキ「そういう事だから、じゃあ、ナオちゃん行こっか」
そう言って、ナオの手を引いて
ずんずんとその場を離れていくエイキ
クソ…やられた。
″セイちゃんっ!また明日ねっ″ そう言いながら
エイキに引っ張られて行くナオを見つめ
俺は映画館で一人立ち尽くしていた。
コメント
1件
うわー、第12話!めっちゃ感情揺さぶられたわ…!セイトのホラー映画でガチビビってる姿が可愛くて笑ったけど、エイキの急接近には「おいおいおい!」ってなったよ。ナオを「ナオちゃん」呼びで手を引いて連れて行くとか、上手く立ち回りすぎやろ…最後の立ち尽くすセイトのシーン、胸がギュッてなった。湊さん、このモヤモヤ感ほんますごいわ!続きが気になりすぎる🔥