「…はぁ、」
仕事が終わりふと見た窓の外は、すっかり暗くなっていた。
俺はmf。自分がどういう人間かって聞かれても、正直よく分からない。ただ仕事して帰るだけの一般人だ。
「mf君、お疲れ様〜!」
「おいjp、もう少しボリューム抑えろや」
「ぁmf君、お疲れさん」
「お疲れ様です。」
仕事後とは思えないほど元気な声で俺の名前を呼んだのは、俺の上司、jpさんだ。明るいしテンション高いしコミュ力高いし…、それなのに仕事となると急に真剣になって立ち向かうその姿は、どんな人でもかっこいいと思うだろう。もちろん俺もだ。
そしてそのjpさんの説教(?)をしているのは、jpさんの先輩のttさん。関西出身で、声がすんごく大きい。だけど実は周りの人をよく見る力があり、俺が仕事で困っている時も、すぐ気づいてこっちに来てくれる。…神かよ。
そんな2人は仲がよく、ずっと一緒にいる気がする。
「いや〜、毎日ありがとね、!」
「こんな真面目にやってくれるの、mf君ぐらいしかいないからさ〜っ、」
「いえいえ、」
「そんなに遠慮せんくてもええのに」
「そうだよ!」
「あ、ありがとうございます…、?」
「そう、!それでよし」
「おまっ、どんな立場やねん、w」
こうやって場を明るくしてくれるところも、ほんっっとうにありがたい。気まずくならずにすむ。
「ではお先に、」
「失礼します。」
「あ、は〜い!」
「また明日、!」
「また、」
「ただいま…、」
12月に入ったこともあり、外は数週間前とは比べ物にならないほど寒かった。
とにかく暖を取るために、すぐに暖房をつけ、お湯を沸かす。
「ふぅ、」
疲れたな…。
ただ仕事をして寝るだけの毎日。つまらなくはない…が、何か足りない。
「見て見てmf君、!」
「綺麗だねぇっ!」
ニコニコと笑いながら俺の手を引く君。どんな姿だったかはよく覚えていないけど、そのおっとりした喋り方、そして性格は、一生忘れられない。名前は________
会える訳ないけど、できたらもう一度会いたいな…。






