「ーーでさ、お前これからどうすんだ?」
「ふむ、どうするんだろうな」
「は?行くあてとかねえのかよ」
「行くあてのあるやつが森の中で倒れてると思うか?」
「……それもそうか」
自分から聞いてきたのに、気まずそうな顔をするアメリカ。もう少しよく考えてから発言すればいいものを……。
「……じゃあさ、俺と一緒に住まねえ?」
「………」
唐突だな。一緒に住む、か……まあ、どうせ行くあても無いのだし、野垂れ死ぬよりましか。
……それに、秘密がバレたら殺してしまえばいい。
「……わかった。だが居候させてもらう事になってしまうが、いいのか?」
「いいぜ。でも家事とかはやってもらうからな」
「ああ、それはもちろん。ただしお前と分担にしろよ」
「図々しい居候だなおい」
「ーーところでさ、お前名前なんて言うの?」
「……そういえば言っていなかったな。では、改めて」
ベッドから出て立ち上がり、胸に手を当てすっと背筋を伸ばす。
「ーー申し遅れました。私の名は『大日本帝国陸軍』、猫の獣人です。どうぞ、日帝とお呼びください」
「……うわ、」
せっかく丁寧にしてやったのに、アメリカは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「おい、人が改まって自己紹介してやったというのになんだその反応は。失礼にも程がある」
「いや、ちょっとな……。とりあえず、これからよろしく、日帝」
「……?ああ、宜しく頼む」
コメント
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設定とか関係とかとてつもなく好きです! 日帝さんが自己紹介だけ丁寧にやったて、それを見たアメさんが嫌な顔をしたりなど本当に大好きです!