テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ぜんかもち🍡
40
#高校生
利根きぬ
85
#初投稿
みあるい
116
みる🧸🍼
71
早く座学が終わってくれないかと考えながら、つい、ぼーっと黒板を眺めてしまう。
ふと、斜め前の席に座る離菜《はな》を見つめる。
離菜は私よりもはっきり言って頭が悪かった。いつも私の方がテストの点数も成績も優っていた。
だけど、私は離菜に勉強面以外で勝った。と思った事がなかった。
いや、まず勉強も勝ったなど思ってはいないのだが。
とにかく、彼女には人を惹きつけるような魅力があり、話も思わず聞き入ってしまうようなトーク力だ。
初対面にも持ち前のコミュ力が生かされている。
それだけではない。ピアノやヴァイオリン。ギターなどの楽器を操り、テニスやサッカー。リレーではアンカーを毎年務めるなど、幅広い分野で活躍をしている。
「麗さん。聞いてますか?」
声をかけられて、はっと我に返る。
「あ、えっと、はい。」
担任の和田先生に不審な目で見られながらも授業は幸運なことに、麗で咎められ、止まる事なく進んだ。
「れーい!!どうしたの?珍しいね、授業中に魂が抜けるなんて!」
離菜はニヤニヤしながら私の席に寄ってきた。
「私公民嫌いなの。眠くなっちゃってさ。」
担任が出ていくのを確認して口を開く。
「そうなの?寝不足?あ、そういえば今度の団体戦の大会に怜たちも呼ぼうよ!」
大会。その言葉を聞いて心なしか、少し身体の怠さが増した気がした。
「うん。聞いてみようか。」
離菜は私がフレネミーなのかもしれないと考えたことはあるのだろうか。
頭の中にパッと疑問が浮かんだ。
「ねぇ。なんか今日元気なくない??本当に平気なの??」
「え?マジ?私そんな元気ない?!」
「うん。まあ、色々あるしね。無理しないでよ?辛かったら言うんだよ!」
なにか勘違いをしているようだが、とりあえずお礼を言って、2限目の移動教室に向けて準備を進める。
何を考えたっけ。
あ、そうだ。フレネミー。
私の頭の中はいつも忙しい。頭の中で喋ってるが故に無駄に労力を使っている気がする。
話を戻そう。実際、私は離菜のフレネミーというわけではない。
むしろ、小学校からの親友だ。
だが最近、離菜の様子がおかしい。何故わかるのかというと、長年の勘。というのもあった。
だが、明らかに態度が違う日がるのだ。
しかも、不定期に。
例えば、友人A、友人Bがいるとしよう。
友人Aと私が話している途中で、友人Bが割り込んでくるのだ。
ここまでなら、何が違和感なのか分からない人、逆に、なんとも言えない不快感のようなものを抱える者もいるだろう。
そうだ。ここまでなら私は前者であった。
だが、友人Bはしれっと友人Aを連れ出し、遠くに行ってしまうのだ。
しかもそれは、私と友人A。2人で話している時にしか友人Bは一切喋りかけてこないのだ。
いうまでもなく、友人Bは離菜なのだが。
さあどうだろう。コレが1日中続くとなると。
無論、私が気にせずに他のグループなどに入れば良いだけの話だが、生憎私は流行りに疎かった。
要は、話についていけないのだ。
まあ、それだけの事だ。だが私にはそれが苦痛だった。
そう考えているうちにいつのまにか教室には私と離菜だけになっていた。
「麗。コレあげる!一昨日の朝見つけたの!だから、ネックレスにしてプレゼントしようと思って!!」
私の手のひらに置かれたその物体は、透明の瓶のようなものにレジンで固められていた。
「えっ!すご!コレどこにあったの?!」
「内緒」
彼女は口元に人差し指をたて、微笑んだ。
私はくれたネックレスを窓から差し込む柔らかい光に当てた。
ネックレスの反射している瓶の中には淡い黄緑色の四葉のクローバーが輝いていた。
コメント
1件
読み終えました。麗の、親友・離菜への「フレネミーかもしれない」という疑念と、それでも離菜からもらった四葉のクローバーのネックレスへのまなざしが対比的で、すごく心に残りました。特に「友人Bがしれっと友人Aを連れ出してしまう」という日常のモヤモヤを、一人語りの視点で丁寧に描いているのが上手いなと。関係性の綺麗さと不安が同居する、いい導入ですね。続きが気になります!