光の家

🌷幻聴の悪化　ミリアは、カウンセリングの時間になってもティアが診察室に来ないので、部屋に様子を見に来ました。ティアはテーブルの上のスナック菓子を食べ続けています。「ティア、カウンセリングの時間なんだけれど忘れてしまったの？」ミリアがティアに話しかけてもティアは返事もせず黙々とお菓子を食べ続けているのです。「ティアお話をしているのだからこっちを見てくれないかしら？」ティアは目も合わせようとしません。「ティア!」ミリアはテーブルの上のティアが食べているスナック菓子を取り上げました。「何をするんですか？返して!食べないと幻聴が出て来てしまいます!」ティアは叫びました。「もしかして幻聴がひどいの？それなら相談してくれればいいのに、ねえもう何かで紛らわすのはやめて」「嫌です、それで幻聴が紛らわされるならいいじゃないですか、どうしてわたしから楽しみを奪うの？もう出て行って下さい、食べる邪魔をしないで!」「ティア落ち着いて」食べるのをミリアにとめられたティアに、幻聴があらわれ、触手を伸ばしてからみつきます。「お前の意思を乗っ取ってやる!」幻聴がティアの頭の中で響きます。「いやあああーわたしの思考が乗っ取られる」ティアは耳をふさぎ叫びました。ミリアは、呼び出しコールを押して職員達を呼んでティアを見ていてもらい、精神安定剤の注射の準備をしました。今のティアはそのほうが楽になるでしょう。「ティアごめんなさい、ちょっと痛いけど」ミリアは耳をふさいでうずくまっているティアが着ているブラウスの袖をめくってティアの腕を消毒すると、注射を打ちました。ミリアはティアを抱きかかえるようにして、ベッドに寝かせました。「そのうち薬が効いて気持ちが楽になって眠れるから」

　ミリアと職員達はティアが眠ると部屋の電気を消して部屋を出て行きました。