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⚠イザナくん視点、口調迷子 ⚠今回すっごい短いです


人形のようにぼんやりとした表情で横たわる彼女の姿にしびれるような陶酔を味わう。


「…大好き」


彼女の耳へ触れるように囁く。声が喜びに震える。


もっと早くこうするべきだった。


○○が好きと言ってくれたときは本当にうれしかった。

今でも鼓膜に残った彼女のあの言葉を蘇らすだけで自然と口角が上がり、心に限りない喜びが満ちる。喉へ突き上げてくるような嬉しさを覚える。

抱き締めてくれたことも、キスをしてくれたことも、オレに依存してくれたことも。

思い起こすたびに溢れる喜びを押し隠すことが出来ない。

そのまま視線を少し下げると、ダラダラと時間と共に刺した腹部から流れていた○○の血ももう完全に止まっているのが見えた。きっともう心臓の音も、脳の働きもすべて止まっているはずだ。永遠に復帰されることのないまま。

服のすき間に忍んでいた包丁で○○の服を貫通し皮膚を刺し、骨を削ったあの感触が自身の腕に蘇る。口に残った○○の血の甘さが軽やかに深く舌に染み込んでいく。


「……綺麗」


血塗れになった地面に枝分かれするように広がる○○の絹糸のような髪を見つめ、呼吸を忘れていたかのように大きくゆっくり息を吸う。


こうでもしなければ不安になってしまうから。


今は安心できてもいつか不意を突かれ今度こそ逃げられてしまうかもしれない。

好きと言ってくれた○○のまま殺して、ずっとオレの手で保存していれば逃げることも、オレのことを嫌いになることもない。絶対に。

そうだろ?と問いかける様に光の伏せた彼女の瞳へと視線を移す。この瞳が最後に移したのはオレで、きっと最後に思い浮かんだのもオレ。そう実感すると自然と胸が弾む感じがした。

鉄分を多く含んだ血の生ぬるい匂いに誘われるように自身のと彼女の唇を重ねる。胸焼けするほど甘く、冷たい。





「…もう離さないよ」



💔🔚

ど ろ ど ろ【黒川イザナ】

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