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あぁ、もう最高です… りんごさんの作品でオメガバが見れるなんて… もう絶対大好きです! 無理のないように頑張ってください!
オメガバース×男性妊娠のお話です。
〇茈(α)×赫(Ω)
〇少々モブ(α)×モブ(Ω)、モブ(α)×赫有
〇🔞有(最初だけ)
今まで書いてきてないのは、普通にオメガバ設定がよう分からんかったので、私のクソ知識とガバガバ設定と気合いで書きました。
数話読んでみて、あまり好みじゃなければすぐに退散してくださいませ🔙
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この世界では、男性/女性の他に 「アルファ(α) / ベータ(β)/オメガ(Ω)」という第サブジェンダー、3種類の性別がある。
知能が高くなりやすいエリート体質のある支配階級が最も強いα、
人口で数が一番多い中間層のβ、
発情期を原因として社会的に冷遇されている下位層であるΩ、
この世界にはこんな階級に寄って人が欲しがっていたり、切り捨てたりする。まさに、会社や学校とは関係ない、昔から引き継がれてる人間社会の縮図であった。
そんな生きずらい世界で住んでいる Ωは、1ヶ月に1回の頻度で発情期になる。すれば 首から振りまかれるフェロモンに寄って、αの性にあてがられてしまう。
αと発情中のΩとの接触は、強烈な発情状態を引き起こし、時に暴力的なまでの性交に及びかねない。
というとこまでしか俺は聞いていなかった。
茜色の夕焼けが誰もいない廊下を照らす。
ただ、外で素振りや走り込みをしながら声出ししてる野球部と、上の階で秋のコンクールで勝つために必死に練習してる吹奏楽部の楽器の音を耳にする。
そんな廊下で暇那津はただゆっくりと歩いていた。
最後の時間の保健体育でのオメガバースの授業中に俺は途中、襲ってきた睡魔に負けてしまい、そのまま放課後まで眠ってしまっていた。先生も疲れてんのか俺が寝てることも知らずに教室から出てってしまったし、生憎俺はクラスに仲の良い奴なんざあまりいない。仲良い奴は5人いるが始業式のクラス発表で見事俺だけぼっちになり、1週間はしょぼくれていたのを今でも思い出せる。 他の奴らとは遅めの帰宅となり、玄関まで歩いて行く。
すると玄関の横にある体育館から靴の音と歓声の声が響いて聞こえてきた。出入口から覗けばバスケ部が試合中であり、コートの中央で必死にボールを取り合っている。見た事のある顔がたくさんあり、全員俺と同じ高3だと分かる。 俺は3年間帰宅部だった為何も知らないが、どの部活もきっと引退試合をしているのだろう。
赫「…!」
すると、紫髪の彼がドリブルしながらコートを突っ走りスリーポイントシュートを華麗に決めていた。そんな姿がかっこよくて、今、俺の沈んでた暗い目はきっと夜空に散る星のように輝いてるのだろう。
そんな彼は藐崎いるま。友達が少ない俺の唯一の親友で、俺の初恋の相手。彼は俺が名の知らない奴らとハイタッチをしながら喜んでいる。
すると俺の腹の底が、ほんの少しだけ締め付けるように身を震ったような感覚を感じた。頭に思い浮かぶ3文字の言葉は知らないフリをして、その場を立ち去った。
必死に歩いていればいつの間にか自分の家に着いていた。家の玄関に入り鍵を取り出し、 回すが聞き馴染んだ音は響かずにクルクルと回るだけだった。きっと母さんが先に帰ってきたのだろうと、扉を開けた。靴を脱ぎ、リビングに顔を出してみれば、キッチンには野菜を切っている母さんの姿が見えた。
赫「…ただいま」
「お、おかえり、手洗ってきな?」
赫「ん、父さんは…?」
「仕事。すぐ帰って来れるって言ってるから夕飯もうちょい待ってな?」
俺の両親はどっちも男。俺の母さんはΩで、俺が産まれる前にαである父さんと番で繋がった。生々しいがきっと俺が腹に出てきた時に番で繋がり、身体を交わったのだろう。
元々俺の家系はみんな、Ωだった。
昔から子供や孫が産まれても先天性でΩに産まれがちだったし、βで産まれてきたとしても後天性でΩに変わることだってあった。
そして、俺は先天性の方だった。
だから、俺が産まれてΩだって分かっても映画やドラマみたいに差別や虐待も受けずに、両親に大切に育てられてきた。
俺が手を洗ってる後ろで、母さんは洗った洗濯を出している。よく使ってる洗剤のフローラルな香りが鼻をくすぐった。すると、母さんは何か気づいたのか俺の首の後ろを嗅ぎ始める。
「…なつ?もうそろそろなんじゃない?」
赫「…ん、まだ薬残ってるから」
俺にも分かるくらいの嗅ぎ滲んだこの甘い匂い、発情期が迫ってきてる。俺にとって発情期は、常に引きこもりだから外に出回っている時は襲われる心配もないし、症状はまだ軽い方で薬を飲んでればキツくもなく、学校を1週間休める最もサボれる理由の1つだから好都合でしか思わなかった。 でも予定よりまだ2週間も早い。
「まだ残ってんのならいいけど、足りなかったら俺が昔使ってた抑制剤があるからさ?」
赫「そんな心配しなくていいってw」
「お前、発情期甘く見てると後で洒落にならんからな?」
俺の受け答えに地雷を踏んだのか少し怒りを滲んだ声でそう言われた。俺の母さんは怒るとめんどくさい、そう感じ取り俺はその場に逃げ出すように洗面所から出ていった。
自室に行き、クローゼットから適当な服を引っ張り出し、制服から私服に着替えてベッドに身体を預ける。まだ着替えただけなのに部屋にはフェロモンの甘い匂いが分かりやすく漂って俺の鼻を擽った。
俺は昔からこの匂いが苦手だ。何年も邪魔だと感じてる嗅いでて憂鬱な匂いで、女が付けてるクソ甘い香水みたいで。ちょっとダルい身体を起き上がらせ、何かあった時用に鞄に備えてた抑制剤を取り出し、2錠の玉薬を出して口に入れ噛み砕き飲み込む。それだけで倦怠感のある身体が少しずつ回復するように俺の身体を抜け出ていく。
赫「…あ、抑制剤なくなっちまった」
さっき飲んだのが最後の薬だった。部屋に置いてあった自分用の薬の袋を漁るがもうなくなっていた。買いに行こうともこの時間帯だと俺が通ってる薬局はもう閉まってる。仕方なく母さんが使ってた抑制剤を使わせて頂こう。そして、またベッドの上で横になってまだ身体に残ってる倦怠感を静めてた。
朝、目を覚ます。
昨日はいつも通り、夕飯を食べて風呂にも入り、温かい布団に潜り込んでいたら身体の倦怠感はとっくになくなっていて、今こうやってすんなりと起きれてる。
まだ眠い目を擦りながら横のカーテンを開ける。今日も快晴であり、電柱に止まってる2匹の雀は仲良く健気に鳴いている。 そんな気持ちの良い朝を感じながら横に置いてあるスマホに目を向ける。
今は7:42だった。
赫「………は??」
『あ、そういやなつ?』
『ん?』
『明日父さんも母さんも仕事で朝早くていないからちゃんと自分で起きるんだぞ?』
『お弁当作っておくから持ってってな?』
『あー、うん、わかった』
『と言って、明日遅刻してそうだな?w』
『はぁ?しねぇし、絶対』
赫「ッックソがあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!!」
俺は絶賛遅刻中。
急いで制服を着て髪を解かし、作ってくれた弁当を鞄に入れては靴を履く。何かを忘れているような気がしたが急ぎすぎて考えられないし、思い出してから取りに行く時間もないためそのまま玄関を出て、鍵を閉める。
走りながらスマホを見れば今は8時過ぎ。家から学校までは30分かかり、朝礼は8時半から。運動神経が悪く、体力もない俺にとっては絶対に間に合わないと答えが出てしまった。そう思ってしまって走っている両足は少しずつ動きが遅くなっていく。
赫「…もういいや、1回くらい」
まだ1回目だし、と担任から呆れられるだけと想像し願いながらゆっくり歩いて行った。
「___あれ?なつ?」
すると、後ろから聞き馴染みのある低く優しい声と、チャリの走る音がした。振り返ってみれば昨日体育館で試合をしてた元バスケ部エースであるいるまがチャリに跨っていた。
茈「お前、歩いてっと遅刻すんぞ?」
赫「ッお前だって遅刻してんじゃんっ!」
それはそうw、と言いながら笑ってる彼の顔を朝から見れて俺は無意識に顔が熱くなってしまっていた。
昔から、それこそ小学校から俺たちは仲が良かった。 名前を呼べば常に互いに隣にいて、班活動やチームワークでも一緒になり、遊んだ帰りなんか、さよならしたくないからと互いに親に引っ張られてギャン泣きしながら帰った事だってあった。
俺を好きにさせてしまったコイツは俺らが中学の頃、バースの話をしたら先天性αだと教えてくれた。 頭の回転力も運動神経も良く、イラスト以外のことは全てこなしていった奴だ。結果を聞いて納得した。
それと同時に俺は彼と番になりたいと、本心で思ってしまったのが初恋の始まりだった。
赫「俺はもう諦めたからいー、先行けよ」
早くどっか行って欲しくて、熱くなった顔を隠すように前に向き直し通学路を歩いてく。だが彼は、急いでチャリを漕ぎ俺の目の前に止まる。驚いて固まっているといるまは親指でチャリの後ろを指差した。
茈「乗れよ、間に合うから」
笑いながらそう言う彼に、また顔が熱くなるのが分かった。申し訳ない気持ちもあったが、クラスも離れてしまい一緒に登下校する事も少なくなってしまってる。彼と一緒に居れんのは今しかチャンスがないと思ってしまった。
赫「…いいん?」
茈「!おう、吹き飛ばされんなよ?w」
彼のお言葉に甘えて、恐る恐るチャリの後ろに腰をかけた。開いた両手は彼の腰に後ろから抱きしめるように回す。彼の背中に当たってる自分の肌が余計に熱くなり、鳴り止まない心臓の鼓動が彼にも聞こえていそうで困ってしまう。
茈「…ちゃんと捕まってろよ?」
すると、彼はペダルに足をかけ、そのまま通学路を速いスピードで駆け抜けていった。自分が走ってるスピードより何十倍も速くて、風に打たれては前にいる彼の爽やかな柑橘系の柔軟剤の匂いと滲んだ汗の匂いが鼻を擽り、俺の体温は熱くなっていく。
茈「そういや、そっち英語の宿題出た?」
赫「あぁ、出てた……な…」
茈「…あ?その感じ、忘れたな?w」
さっきまで思い出せなかった忘れ物が鮮明に頭に思い浮かんでいく。昨日宿題をした後、鞄に入れないでそのまま布団に入ってしまっていた。きっとまだ俺の自室の机の上にノートが置いてけぼりにされてるんだろう。
赫「…ちゃんとやったし、」
茈「あーあw、これじゃあやまもっちゃんに怒られんぞー?w」
赫「う”…後で見せてくれん?」
茈「ん、俺2限だから爆速にな?w」
微笑んでる横顔に見惚れてしまい、俺は黙ってしまった。朝からずっと頬を赤らめてるような気がする、まるで自分じゃないような、そんな感覚に陥っている。風に当たりながら熱くなった顔を冷ましてる間にも自転車は学校に着いていた。
時間がギリギリだったから駐輪場に自転車を止めつつ急いで降り、教室まで2人で走る。走ってる途中、隣でいるまは鞄を漁っては 英語のノートを取り出し俺に手渡してくれた。
茈「っ後で返せよッ?」
赫「あ、さんきゅっ!」
クラスが違うため、俺らは途中の曲がり角で別れる。渡して俺とは反対方向に向かった彼は数メートル走った後、後ろを向いては俺に笑顔で大きく手を振ってくれた。そんなあまり見れない無邪気な姿に愛おしさを覚えながら俺も小さく手を振り、急いで教室へと向かった。
朝礼までに間に合い、1限の授業中に教科書とかで隠しながらノートを写す。開けば殴り書きみたいな、汚くて彼っぽい字を見て思わず笑ってしまった。読みにくい字を解読しながらなんとか写し終わると同時に授業の終わりを告げるチャイムも鳴る。号令をし、急いでいるまへ返しに彼のクラスまで廊下を歩きながら彼を探す。
「C組のいるま君ってめっちゃかっこいいよね〜?」
「分かる!あの人αなんでしょ? 番にしてもらいたいなぁ〜」
「アンタβなんだから無理でしょ!w」
そんな女子の話を耳にする。
きっと、その人らがαでもβでもΩでも関係なく、女子っていう性で、見た目と可愛さだけで、どの男性でも虜にさせてしまう事ができるのだろう。Ωにとっての俺は心底ムカつく気持ちだった。
茈「あっ、なつ!」
赫「!」
そんな欲望に塗れた黒い感情に浸っていると前からいるまが駆けつけて来た。彼の声にいるまの話をしていた女子も、廊下にいた生徒達も反応し、こちらに視線を向ける。
赫「あ、ノートありがとな」
茈「ん、ちゃんと全部写せたか?」
赫「おん、でもお前もうちょい字綺麗に書けねぇんか?w」
茈「うっせっ!w」
彼と話すだけで黒い感情が消えていく、彼が俺だけを見て笑いかけてくれる。それだけで俺は少しずつ心が満たされていき、また頬が熱くなる感覚が出始めていた。
茈「………ん?」
赫「…?どうした?」
茈「いや、なんか…」
鼻を擦りながらそう言う彼に疑問に思っていれば、周りの人達も数人、どこかざわついた声が出始めていた。顔色を悪くする人もいれば、顔を赤らめ興奮してる人もいる。
「なぁ?なんか…」
「ヒート来てる奴、いんじゃね?w」
そんな声が聞こえ始めた。自分ではないかと思わず身体が固まってしまう。周りのα達は甘い匂いの正体を探りながら周りを嗅ぎ、
そして俺の方へと顔を向いた。
赫「ッ!!あの、俺もう行くな?///」
茈「え?…あぁ、もう授業始まるか…」
早くこの場を逃げたくて、彼の話を聞かずに廊下を走った。後ろからいるまの呼ぶ声が聞こえたがそんなのは無視した。
いるまは俺がΩだというのは分からない、いや、覚えているか怪しい。
中学に上がる前、彼に俺のバースを教えた。数年も一緒に居て教えてこなかったし相手はきっとαだろうから、馬鹿にされるのではないかと思っていたが、
『そっか…じゃあ守ってやらんとな?』
変わらない笑顔で言ってくれていた。それが嬉しくて、泣き出してしまいそうで、心臓が潰されそうになるくらい本当に嬉しかった。
そんな約束を、彼は覚えてるのだろうか。
生憎、俺が教室に着くと授業が始まるまで2分は余っていた。今まで学校でヒートなんか起こした事ないのに。この身体に火照った顔じゃ、あからさまにαに食われたいとする小動物みたいなもんだ。 俺のクラスも甘い匂いに気づいたのか数人は顔を動かして周りを探っている。
俺はすぐに自分の机にかけてあった鞄を持って、教室から飛び出し、教室から1番遠いトイレへと向かった。個室に入り鍵を閉め、便器に座って急いで薬を取り出そうと鞄に手を突っ込む。
赫「ッ…ぁ、あれッ…?///////」
いつも入れてあるポーチの中には薬なんか入ってなかった。落としたのかと鞄を覗くがどこにもない。昨日の夜、母さんから薬を貰おうと思ったまま、眠ってしまったからだ。
忘れ物は英語の宿題の他にも、大切な薬も忘れていた事に、今朝の寝坊した自分に苛立ちが立った。
赫「ッ…クッ、ッソっ、…///////」
薬を飲めば数十分でフェロモンもなくなり、身体も戻れるのに。薬を忘れるのも発情期がこんなにも苦しいのも俺にとって初めてだった。
赫「はぁッ…はッ、ぁ、ッ…///////」(ビクビク
服が擦れるだけで身体が痙攣し、口から声が漏れてしまう。怖くて涙が溢れて止まらず自分の身体を抱きしめた。
すると、出入口から誰かが入ってきた音がした。今は授業中だ、教室から遠いこんな別館に人が来るはずない。動けない身体をなんとか上半身だけ扉に近づき、外の音を聞いた。
「ッ…はぁッ…はぁッ、」
その声は、昨日の保健体育で授業していた体育教師の声に似ている。俺のフェロモンを嗅いでここまで来たのだろう。
犯される___
そう思って、身体をなるべく扉から離れようと後ろに退くが、後ろに置いてあった鞄が身体に当たり落としてしまった。
赫「う”ッ〜〜〜〜ッ!!?////////」(ビクビク♡
身体に鞄が当たっただけで俺も感じてしまい、我慢しようとしゃがみこむ。だが、イってしまい下を見ればズボンにシミができていて、下着が濡れて気持ち悪かった。
「ここだなぁ”ッ…?///////」
欲情した先生に音でバレてしまい、俺が入っている個室の扉をこじ開けようとガタガタと鳴り響いた。今から襲われる恐怖に俺は鞄を抱きしめ隅っこに隠れて泣く事しかできなかった。
怖くて目を瞑ってしばらくしていると鳴り響いてた扉は治まった。瞑ってる目を開け、扉を見ればまだ開けられていない。 ホッとしていると、次に扉を蹴ったような大きな音が聞こえてきた。
「みーつけたっ♡/////」
上から聞こえてきた声に顔を上げれば、上に登ったのか 先生がこちらを覗いている。
赫「ッッひ……////////」
扉の鍵に足をひっかけて登っているからか、顔だけ覗いてたのが次に上半身を表す。もう逃げられない恐怖が込上がり、身体を隠すように抱きしめる。
脳裏に映るのは俺を助けると言ってくれた時の笑った彼の顔だった。
赫「ッ助けてッ、助けてぇッ…!!///////」
すると、上に登ろうとしてる体育教師の頭にバケツが被さった。
「んぐう”ッ!?」
先生が驚いてる間にも後ろから引っ張られたのか上から入ろうとした身体が外に行き、扉の向こうで倒れたようなデカイ音がした。
扉の向こうから今朝聞いた彼の声と先生の怒鳴り声が聞こえてくる。
「おい、おっさん、何してんだ」
「お前”ッ、生徒は授業中だぞッ!!」
「発情期の生徒に手を出そうとしてる奴に言われたくないんすけど」
「っ…俺はただ助けようとしただけだッ!」
「涎垂らしながら上から助ける教師なんかテメェで初めて見たんだけどw」
「ッ馬鹿にすんのもいい加減に”ッ…!!」
「いいからはよ出てけよ、おっさん」
扉の向こうから俺が聞いた事のない怒りが滲んだどす黒い声色が聞こえ、オーラまでもが壁1枚から感じてきていた。それを直で感じてる先生は、恐怖で怯んだのかバタバタと走って逃げていった。
「ッ…なつ?」
赫「ッい、るまッ…///////」
大好きな彼の声が聞こえ、隅っこに隠れてたまだ痙攣する身体を無い力で振り絞って這いずり、扉の前まで行った。
「ッお前、薬、は…?」
赫「ッいえにッ、わすれ、たっ…/////」
「…っ分かった。待ってろよ?」
そう言うと扉の向こうで、チャックの空く音と何かを漁ってる物音が聞こえた。すると、ジャラジャラと小さい何かの音と共に、アルミを割ったような軽やかな音がした。
「ッこれ、早く飲め…」
扉の下からアルミに入った小さい錠剤が2錠出てくる。よく見れば、俺が使ってる錠剤とは別の会社の抑制剤だった。俺は急いで2錠取り出し、口の中に入れて飲み込む。 すれば、身体から少しずつ抜けるように倦怠感と痙攣が治まり始めた。
赫「ッ、あり、がとッ…//////」
「…なつ、ここにいると危ねぇから、とりあえず鍵開けてくんね?」
いるまからのお願いに、嫌でも身体が強ばってしまう。まだ、これで治まった訳じゃない、寧ろ彼を見てしまったらまた発情してしまうかもしれない。
「大丈夫、お前の事襲わねぇから」
それでも彼は俺に向かって優しく声をかけてくれてる。そんな優しい彼の言うことは、俺だって答えたかった。
震える手で鍵開けようと腕に力を込める。閉まっている鍵を右にスライドすれば、目の前の扉は押すように前に開いていった。
茈「…!///」
赫「ッぃ、るまっ…//////」(ポロポロ
彼の顔を見てたら、思わず安心して泣いてしまった。 彼も、発情をしていたのか見たことないくらい顔が赤くなってて、額には汗が流れている。腕を見れば我慢する際に噛んだのか、歯型の痕が残っていた。
茈「良かっ、た。無事そうだな?」(ニコッ
赫「なんで、たすけてッ、くれたッ…////」
茈「なんでって…昔、お前の事助けるって約束したじゃん?////」
その言葉に下に俯いてた顔を上げた。
いるまは俺の顔を見て、ふわりと優しく笑ったかと思えば、俺の頭を撫で、そのまま頬を撫でつつ目の下についた涙の跡を親指で優しく拭ってくれた。それだけでもまだ発情に寄る痺れは身体に残ってるが、彼に触られる幸せを味わいたくて我慢をする。
茈「また発情する前に、帰ろうか?///」
赫「ッん、…//////」(ポロポロ
自分の荷物を持ち、立とうとするが足がまだ恐怖で震えていて上手く立てない。それを見たいるまは微笑みながら俺に背中を向けてしゃがんでくれた。彼に甘えて俺はゆっくりと背中に身体を預ければ、軽々と俺を背負って立ち上がり、トイレを出る。
いるまの身体は、今朝と一緒の温かい体温で気持ち良かった。
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