テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
たんぽぽ
2,947
#塩レモン
みーこ
361
33
耳元で鳴り響くアラーム音で目を覚ます。いつもならもう少し布団の中でだらだらとするところだが今日は恋人である太智とのデートの日。準備してちゃんと完璧な状態で会わないといけない。そう思って布団から出て準備に取り掛かろうとしたところでLINEの通知が来る。太智からだ。
『じんとーごめん俺今日無理なった』
『どうかした? 』
『熱出てもうた、、』
『まじか、何度?』
『さっき測ったら38℃』
『結構高いな』
『ほんまごめんな』
『気にしないで、色々買って太智の家行くわ』
『えっ、いいよ移してまうかもやし』
『心配だから行きたいの』
まさか太智が風邪をひくとは。幸いここ数日は太智に仕事の予定はなかったはずだ。ゆっくり体を休めることに専念できる。最近はM!LKとしての人気も出てきて働きすぎていたのだろう。デートが潰れてしまったのは残念だし太智の体調も心配なのだけれど一つだけ楽しみなことがある。それは、、熱を出した太智の甘えっぷりである。まぁ見てもらえばわかるだろう。とりあえずドラッグストアによって必要なものを買ってから太智の家へ向かう。
太智の家に着いて合鍵を使って家に入る。寝室へ向かうとケホケホと苦しそうな咳をする太智が横になっていた。
「太智、きたよ」
「あーじんちゃん、、ありがとうな」
「全然いいよ、体調はどう?」
「頭くらくらする、、あ、そこにマスクあるからつけてや移ったらあかんし」
「ありがと、ご飯食べた?」
「あんま食欲ない 」
「ちょっとでも食べた方がいいよお粥作るね」
そう言ってキッチンへ向かおうすると服の裾をくいっと引っ張られる。
「嫌や、1人にせんといてや」
「ぐっ、、」
恋人にこんなふうに甘えられて悶えない男がいるなら会ってみたいものだ。心が痛むがここにいてはお粥を作ってあげられない。
「すぐ帰ってくるから、ね?」
「、、いっしゅんやで」
「いい子で待っててね」
爆速でお粥を完成させて太智の待つ寝室へ戻る。
「はい、いいよ食べて」
「、、」
「?どうした」
「ひとりじゃ食べれへん、あーんして?」
あざとすぎる。太智があざといのは今に始まったことではないしメンバーの勇斗も度々言っていることだがこれを素でやってくるんだからタチが悪い。
「甘えん坊だな、、あーん」
「んむ、おいしぃ」
「ほんと?良かった」
一口食べたら食欲が湧いてきたようで全部完食できた。買ってきた薬を飲ませると効果が出てきたのか眠くなってきたようだ。
「眠い?いいよ寝な」
「いやや、寝たらじんちゃん帰ってまうやろ」
「お前が起きる時までずっといるよ」
「ほんま?約束やからな、、」
「ね、じんちゃん」
「ん?」
太智が手招きしてくるので何かと思い顔を寄せると突然マスク越しにキスされる。普段太智の方からしてくれることなんてないのに!
「っ、おま、!」
「ふふ、マスク越しやからええやろ?」
太智はいたずらが成功した子供のように笑って眠りについた。今日は太智のペースに持ってかれっぱなしの1日だったなと振り返って思う。太智の熱が下がったら覚悟していろよ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!