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6番に……100億……?
「100億、100億がでました!器具すらまともに使えないような生贄にそのような値段をつけたのは……」
「おい、誰に向かって口を利いている。僕は、如月(きさらぎ)家のものだ。」
「なんだって!?如月家ともあろう貴族がこのような場所にいるだと……!?」
「如月家って、国内で5本の指に入ると言われている大富豪だぞ……。」
今の男の人の声で明らかに会場の空気が変わった。いくら有名な大富豪だからってこんなくだらない、汚れたオークションに参加しているだけでも許せないのに、私に100億だなんて……。
「おい6番、名前はなんていう。司会者、6番の檻の鍵を。」
ステージへと上がってくる男の人は、とても100億だなんて言葉を発するようには見えない若い男の人。もしかしなくても、私とそんなに年も変わらないんじゃ……
「お前には名前はないのか、6番。」
「私は……命。長月命。」
「命…か。僕は如月且功(きさらぎかついさ)。皆が騒いでいる通り、如月家の子息だ。お前が分かる言葉で言うと、金持ちだ。」
「なんで私なの……?」
「玩具にぴったりだからだ。行くぞ。」
聞きたいことが山ほどある。言いたいことも山ほどある。でも、そんなのを言わせないような圧倒的な存在感。この男、何者なの……?
「命…。」
「里香さん……。」
「落札されてよかったね……。さようなら、命。」
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