芥川が珈琲をずっとすすった。
僕の歓喜は絶頂に達した。
(…これでやっと僕だけのものになる…♡)
「…ッ、き…さま…、何か…入れた…な…。」
ドサッ…)
「…馬鹿だなぁ、芥川は♡」
「…ん。」
「…ッ、此処は何処だ…!?」
「まぁまぁ、そんなに怯えないでよ。」
「…貴様ぁ…ッ!!」
ゴッ…!)
「…か”ッ…!?」
「…ねぇ、芥川。何で芥川は何時も僕のせいにするの?」
「…僕、今までずっと我慢してたよ?」
「…本当はずっと監禁したくて仕方なかった…。芥川が他の人ばっかり見るから…。」
「な…にを…ッ。」
グッ…(鎖を引っ張る
「…ッ!?」
「芥川は、もう僕だけのものだよ♡」
「…は?何を言って…ッ…。」
「…あ!安心して!芥川のお世話はぜーんぶ僕がしてあげるから!」
「…だから、ずーっと一緒に居ようね芥川♡」
「僕と一緒に居られて、芥川も嬉しいでしょう?♡」
「…嬉しくなどない…ッ!」
「…僕は絶対に貴様の物になどならぬ…!」
「…そっか。…僕に死んで欲しいんだ、芥川。」
「…は?」
「…それじゃ駄目なんだよ…ッ!満たされない…!!」
「…僕は…、誰かに愛されてるって実感したいんだ…!」
「…もう、芥川しか居ないんだよ…ッ!」
「…ッ”!」
「…芥川、お願いだから愛してよ…。愛してるって言ってよ…ッ!」
ギュ…
「…僕に触れるな…ッ!!!」
「…!」
「…何で?」
「…何で…、何で何で何で何で何で…ッ”…!!!!!」
「…僕だって頑張ってるのに…ッ”…!!」
「…黙れ…ッ!そんな事僕の知った事では無い…!早く僕を此処から解放せよ…!」
「…黙れ…?…何でそんな事言うの…?芥川は僕の事嫌いなの…?」
「…ねぇ、そんなに嫌い…?」
「…貴様なんて大嫌いだ…ッ!好きになる訳が無いだろう…!?」
「……大っ嫌い…?」
「…嗚呼、大嫌いだ…!」
(…嫌い…か。…僕だって頑張ってるのに…。)
(…頑張ってももう無理なんだ…。)
(…僕はきっと生まれてこない方が良かったんだな…。)
(…そう言えば僕、生まれてきた時親にゴミ袋の中に入れられてたんだっけ…。院長先生が言ってたなぁ…。)
(…おまけに孤児院でも邪魔者扱い…。)
(…芥川にまで嫌いって言われちゃった…。)
(…もういいや。)
「…ごめんね。」
ガチャ…(鎖を外す
「…ッ!?」
「…今までごめん。」
「…僕、芥川の事傷付けてた。」
「…好きになって…ごめん…。」
「…何故鎖を外した…?」
「…そのままの意味だよ。逃げてって事。」
「…ごめんね、芥川。僕の事は忘れて、幸せに生きてね。」
(…もういい。十分生きた。)
(…だって僕は、あの時死んでてもおかしくなかったんだ。…院長先生に助けられたから生きてる。)
(…でも僕は、生きていちゃ駄目な人間だったみたいだな…。)
(…こんな生き方しか出来ない。)
(…僕は周りを不幸にしてばかりだ。)
(…ならもういっその事僕が死ねばいい…。)
カチャ…(包丁を取る
「…人虎……?」
(…もう、いい…。)
ガッ…(包丁を自分の方に向ける
「…人虎……ッ!!」
「…ッ、羅生門…!」
グッ…!(包丁を奪い取る
「…ぁ…。」
「…愚者め…!何をしている…ッ…!?」
「…そっちこそ…、僕の事嫌いな癖に何で助けるんだよ…!」
「…あのまま死ねたら楽だったのに…。」
パンッ…!(平手打ち
「…は?」
「何が死ねたら楽だ…!馬鹿げた事を言うな…!」
「…死ぬなど、僕が許さぬ…!」
「…巫山戯んなよ…ッ!突き放した癖に…!大嫌いだって言った癖に…ッ!!!僕が死ぬのは駄目って都合が良すぎるだろ…!?」
「…突き放すならちゃんと突き放してよ…ッ!!!!」
「…もう疲れたんだよ…ッ”!!」
「…僕の事なんか放っておいてよ…。」
「……。」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!