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#スポーツ
眠野ねつき無断転載とか❌
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第3話 レベチの集団
休日。
快晴。
心愛は近所の公園を散歩していた。
「いい天気だなぁ〜。」
測定会が終わってから一週間。
新しく出会った選手達のことを考えながら歩いていると。
ベンチに座る見覚えのある人物を見つけた。
黒髪ロング。
金色の瞳。
圧倒的美少女。
「あ!」
心愛は駆け寄った。
「月乃さん!」
月乃が顔を上げる。
「あぁ。」
「心愛。」
「こんにちは!」
「こんにちは。」
相変わらず落ち着いている。
心愛は嬉しくなった。
「こんな所にいたんですね!」
「散歩。」
「私もです!」
「そうか。」
そのまま二人は公園を歩くことになった。
⸻
気付けばお昼。
ファミレス。
心愛はパスタを食べながら目を輝かせていた。
「へぇぇぇぇ!!」
「なるほど!!」
月乃はジュースを飲みながら説明する。
「体幹は毎日やる。」
「はい!」
「走る時はフォームを意識する。」
「はい!」
「勉強は。」
「はい!」
「毎日やる。」
「……。」
「なんだ。」
「そこだけ聞かなかったことに。」
「ダメだよ」
月乃はふっと笑った
心愛は撃沈した。
⸻
午後二時。
店を出る。
月乃がふと思い出したように言った。
「姫。」
「はい!」
「うちに来ないか?」
心愛。
硬直。
「えぇぇぇぇぇ!?」
「良いんですか!?」
目がキラキラしていた。
「あぁ。」
月乃は頷く。
「今日はうるさいのがいない。」
「?」
「凛。」
「あぁ。」
心愛は納得した。
「やりたい放題……じゃなくて。」
「?」
「たくさん遊べる。」
「やったー!」
⸻
その頃。
凛宅。
凛はソファでくつろいでいた。
すると突然。
「……。」
胸騒ぎがした。
「なんだ。」
さらに。
「なんか。」
嫌な予感。
「無性にイライラする。」
数秒後。
「危機感もある。」
凛は立ち上がった。
「月乃。」
⸻
午後三時。
月乃宅前。
心愛は目を輝かせる。
「思ったより近い!」
「そうか。」
「私の家からだと自転車で二十分くらいですよ!」
「なるほど。」
月乃は玄関の鍵を開ける。
「まぁ、入りな。」
その時だった。
隣の家から。
「つきのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
大声。
心愛が飛び上がる。
月乃。
「やべっ。」
珍しく焦った。
心愛の手を掴む。
「入るぞ。」
「え?」
すると。
隣の家から猛スピードで飛び出してきた。
神楽坂凛。
「貴様ぁぁぁぁぁぁ!!」
「来た。」
月乃が呟く。
凛は心愛を見る。
そして。
月乃を見る。
そして。
もう一度心愛を見る。
「お前。」
「?」
「幼女趣味も大概にしろぉぉぉぉぉ!!」
心愛。
「え、えっと?」
月乃。
「まぁいいか。」
ドアから手を離した。
次の瞬間。
ゴッ!!
凛。
玄関の柱におでこを強打。
「痛ぁぁぁぁ!!」
そのまま月乃に掴みかかる。
「お、お前……。」
「ん?」
「マジで許さ……。」
バタッ。
倒れた。
沈黙。
月乃。
下を見る。
心愛。
下を見る。
数秒後。
月乃。
「あ。」
「力尽きた。」
心愛。
「早っ!!」
⸻
その後。
凛は五分後に復活。
「月乃。」
「なんだ。」
「説明しろ。」
「心愛。」
「心愛だ。」
「説明終わり。」
「終わるな。」
心愛は笑いを堪えていた。
(面白い。)
全国レベルの先輩達。
もっと怖い人達だと思っていた。
でも。
意外と。
いや。
かなり面白い人達だった。
そしてこの日。
心愛はまだ知らなかった。
月乃の家には。
さらに個性の強い人達が集まってくることを――。
第4話へ続く
第4話 月乃さんの家
玄関の前。
倒れた凛を見つめる心愛と月乃。
「力尽きた。」
月乃が平然と言う。
「早っ!!」
心愛は思わずツッコんだ。
数分後。
「……ん。」
凛がゆっくり目を開ける。
「生き返った。」
月乃は家の中から救急箱を持ってきた。
ペリッ。
湿布のフィルムを剥がす。
そして。
ベチッ!!
「いだだだだだだだ!!」
凛が頭を押さえて飛び上がる。
「おい!!」
「月乃!!」
「優しく貼れ!!」
月乃は全く動じない。
「はいはい。」
「『はいはい。』じゃねぇ!!」
「湿布なんだから強く貼るしかない。」
「もっと優しく!!」
「次から柱に突っ込まなければいい。」
「お前のせいだろ!!」
「そうだったか?」
「そうだよ!!」
二人のやり取りを見ていた心愛は、おそるおそる口を開いた。
「あ、あのぉ……。」
二人が同時に振り向く。
「大丈夫ですか?」
凛は少し笑った。
「大丈夫よ。」
「え?」
「日常だからね。」
「え……。」
心愛は固まった。
(日常!?)
(月乃さんに追いかけられて。)
(柱にぶつかって。)
(倒れて。)
(湿布貼られて。)
(日常!?)
頭が追いつかなかった。
その時。
キキーッ!!
自転車のブレーキ音が聞こえた。
「月乃ー!」
優しい声。
「雪菜。」
白峰雪菜が紙袋を持ってやって来た。
「お菓子買ってきたよ〜。」
「ありがとう。」
雪菜は心愛を見る。
「この子が心愛ちゃん?」
「はい!」
「可愛い〜。」
ぽんぽん。
頭を優しくなでる。
心愛は少し照れた。
「えへへ……。」
「月乃が気に入るのも分かるなぁ。」
「そう。」
すると。
また自転車の音。
「こんにちは。」
九条美琴だった。
「弟を保育園まで送ってきました。」
「お疲れ。」
「そのまま寄っちゃいました。」
「いらっしゃい。」
心愛は立ち上がる。
「こんにちは!」
「こんにちは。」
美琴は優しく微笑んだ。
「また会いましたね。」
「はい!」
少しして。
玲奈の家。
宿題をしていた玲奈がふと窓を見る。
「……。」
少し考える。
「嫌な予感。」
バッグを持つ。
「月乃先輩の家。」
数分後。
キキーッ。
「やっぱり。」
玲奈が玄関に現れた。
「集まってました。」
「察した。」
「はい。」
心愛は驚く。
「なんとなくで分かるんですか!?」
玲奈は真顔だった。
「なんとなく。」
「すごい……。」
気付けば。
リビングには。
月乃。
凛。
雪菜。
美琴。
玲奈。
そして。
心愛。
「女子会だね〜。」
雪菜が笑う。
「ですね。」
美琴も頷いた。
机の上にはお菓子がいっぱい並ぶ。
心愛は目を輝かせた。
「すごーい!」
「いっぱい食べて。」
「はい!」
みんなでお菓子を食べながら話し始める。
学校のこと。
スキーのこと。
大会のこと。
すると。
雪菜がニヤッと笑った。
「そういえば。」
「?」
「柚希亜って可愛いよね。」
その一言で。
心愛の目がキラキラになった。
「分かります!!」
勢いよく立ち上がる。
「目が綺麗で!」
「うん。」
「滑りも綺麗で!」
「うん。」
「優しくて!」
「うん。」
「頭も良くて!」
「うん。」
「笑顔も可愛くて!」
「うん。」
「料理もできて!」
「うん。」
「私の推しなんです!!」
リビングが静かになる。
月乃は小さく笑った。
「そこまで言えるのか。」
「もちろんです!」
雪菜は笑う。
「本当に好きなんだね〜。」
「はい!」
美琴も優しく微笑む。
「素敵な関係ですね。」
玲奈も頷いた。
「羨ましい。」
凛は腕を組みながら笑う。
「本人が聞いたらどうなるんだろうな。」
「絶対照れます!それか怒ると思います!」
心愛は自信満々だった。
その頃。
ショッピングモール。
柚希亜は母と買い物をしていた。
「今日は何食べたい?」
「なんでも。」
歩いていると。
「……。」
柚希亜が急に立ち止まる。
「どうしたの?」
母が不思議そうに聞く。
柚希亜は胸を押さえた。
「……なんか。」
「?」
「ゾワッてする……。」
母はふふっと笑う。
「あら、珍しいわね。」
「うん……。」
柚希亜はまだ知らない。
その頃。
月乃達と心愛が、自分の良いところをひたすら褒め合っていることを。
そして翌日。
その話を聞いて顔を真っ赤にすることになることを――。
第4話 取らないで
コメント
1件
第3話、読み終わりました! 公園で偶然会って、そのまま月乃さんの家に流れていく流れ、とても自然で良かったです。特に凛さんの全力タックルからのあっけない撃沈が面白すぎてクスッと来ました(笑)。全国レベルの選手たちなのに、集まるとこんなに賑やかで人間味溢れるんだなって、心愛ちゃんと同じ気持ちで見守ってました。「さらに個性の強い人達が集まってくる」という伏線…これは続きが気になりますね!