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#スポーツ
眠野ねつき無断転載とか❌
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第4話 やっぱり取らないで
月曜日。
片雪中学校。
「ゆきちゃーーーん!」
朝から元気な声が校門に響く。
「おはよう!」
心愛が満面の笑みで手を振る。
「おはよう。」
柚希亜もいつものように優しく笑った。
「ねぇねぇ!昨日ね!」
「うん。」
「月乃さんのお家行ってきた!」
「……え?」
柚希亜が少しだけ目を丸くする。
「それでね!」
心愛は止まらない。
「雪菜さんがお菓子持ってきてくれて!」
「うん。」
「美琴さんも来て!」
「うん。」
「玲奈さんも!」
「うん。」
「凛さんまで来てね!」
「……。」
「みんなで女子会したの!」
柚希亜は少し黙る。
「……そうなんだ。」
「うん!」
「すっごく楽しかった!」
「……よかったね。」
笑っている。
でも。
心愛は気付かなかった。
その笑顔が少しだけぎこちなかったことに。
教室に着く。
朝のホームルーム。
担任の先生が教室へ入ってきた。
「今日は放課後、スキー部は体育館集合だからな。」
「はーい!」
授業が終わると。
昼休み。
心愛は机でパンを食べていた。
「ねぇねぇ、ゆきちゃん!」
「なに?」
「月乃さんね!」
「うん。」
「勉強も教えてくれたんだよ!」
「そう。」
「あとコントレも!」
「そう。」
「すっごく優しかった!」
「……。」
柚希亜はパンを一口食べる。
「仲良くなったんだね。」
「うん!」
「えへへ。」
心愛は嬉しそうだった。
放課後。
体育館。
片雪中スキー部。
「みんな、お疲れ!」
明るい声が響く。
片雪中スキー部コーチ。
有紗先生だった。
「今日は軽くコントレやるよ!」
「はーい!」
部員たちが返事をする。
有紗はニコニコしながら手を叩く。
「そうそう!」
「今度の合同練習だけど!」
心愛が反応する。
「はい!」
「沼風中も来るからね!」
「やったぁぁぁ!」
心愛は思わず飛び跳ねた。
「また会える!」
「楽しみ!」
有紗は笑う。
「元気だねぇ。」
その横で。
柚希亜は少しだけ黙っていた。
有紗は二人を見比べる。
(あれ?)
(なんか柚希亜ちゃん、静かだな。)
でも何も言わなかった。
練習が終わり。
帰り道。
夕日が二人を照らしていた。
「今日は疲れたね。」
「うん。」
「でも今度また月乃さん達に会える!」
「……。」
「楽しみ!」
その瞬間だった。
ギュッ。
「あれ?」
心愛が足を止める。
制服の袖が引っ張られていた。
振り返る。
柚希亜だった。
少しだけ俯いている。
「……ゆきちゃん?」
柚希亜は小さな声で言った。
「……取られないで。」
「え?」
「月乃さんに。」
一瞬。
時間が止まる。
「…………。」
心愛の頭の中も止まる。
(え。)
(えぇぇぇぇぇ!?)
(ゆきちゃんが!?)
(そんなこと言ってくれるの!?)
(か、かわいすぎるぅぅぅ!!)
心愛は心の中で大騒ぎだった。
「だ、大丈夫だよ!」
「?」
「私はゆきちゃんの推しなんだから!」
「……。」
柚希亜は顔を真っ赤にした。
「違う。」
「え?」
「……友達。」
照れ隠しのように言う。
「大事な友達。」
その一言に。
心愛はふっと笑った。
「うん!」
「私も!」
「ゆきちゃんは世界一大切な友達!」
今度は。
柚希亜が照れる番だった。
「……ありがとう。」
二人は顔を見合わせる。
そして。
「あはは!」
笑い声が夕焼けの帰り道に響いた。
少し離れた場所。
電柱の陰。
「あ。」
月乃がその様子を見ていた。
「やっぱり。」
隣には双眼鏡で観ている雪菜。
「姫、気付いてないね。」
「うん。」
美琴も小さく笑う。
「柚希亜さん、少し嫉妬してましたね。」
玲奈が静かに頷く。
「分かりやすい。」
月乃は優しく笑った。
「取る気なんてないのに。」
そう呟くと、四人は静かにその場を後にした。
夕焼けの空の下。
心愛はまだ知らない。
この”友達”という言葉が。
これからもっと強い絆へ変わっていくことを。
第5話話 ロードバイクとファルコン
コメント
1件
わあ〜第4話、読み終えたよ…!😭💕 心愛ちゃんが無邪気に月乃さんとの話をするたびに、柚希亜ちゃんの表情がちょっと曇るところ、すごく気になった…。そして「取られないで」って袖引っ張るシーン、私の心臓持ってかれたわ!!心愛ちゃんの脳内大騒ぎも可愛すぎるし、「大事な友達」って照れながら言い直す柚希亜ちゃんにもうメロメロ〜🌸 月乃さんたちがこっそり見てたのにも笑った。みんな良いキャラしてるねこの作品…!次の話も楽しみにしてるよ〜⋆⸜ 💕 ⸝⋆