コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
タイトル_『何かが欠けてしまった”星”』
第6話_──俺には何も出来ないのか?──
続き
玲夜:「…もういい」 玲夜はそう呟き一人で走って行った。
深夜の街灯が薄く揺れる。創史は路地の角に立ち尽くしていた。
創史:「…待て!」声が空虚に響く。返事はない。
玲夜の足音はすぐに消え、闇に溶けてしまった。
創史はポケットから携帯を取り出し、玲夜の番号を再確認する。だが彼には番号などない。
創史:「どこに行くんだ…」呟く声も虚しく、風に流される。
突然、遠くで悲鳴が聞こえた。創史は振り返るが、そこには誰もいない。
創史:「星野…!」叫びながら走り出すが、暗闇はただの闇だった。
放送室に戻り窓を開ける。冷たい夜風が部屋を満たす。
創史:「また消えたのか…」創史は窓枠に寄りかかり、虚空を見つめた。
手首の傷を思い出し、胸が締め付けられる。
創史:「俺には…何もできないのか」
その時、ポケットの中で携帯が震えた。画面には着信拒否の文字だけが光っていた。
<翌日>
翌日の放送室。窓から差し込む朝日が埃を舞い上がらせる。
創史:「また来ないのか」創史は机に突っ伏したまま呟いた。
携帯の画面を見つめる。昨日の着信拒否通知はまだ消えていない。
放送室のドアが開く音。桃華が顔を出した。
桃華:「創史くん、大丈夫?昨日から様子が…」
創史:「…なんでもない」創史は立ち上がり、窓を開けた。創史:「ただ星野のことだ」
桃華は心配そうに眉を寄せる。桃華:「彼、何かあったの?」
創史は答えず、ポケットから携帯を取り出す。玲夜の家までの道順を地図で確認する。
創史:「ごめん、ちょっと用事がある」創史は急いで放送室を出た。
薄暗い路地裏。創史は玲夜の家の前で足を止めた。
玲夜:「…最悪だ」玄関先で漏れる声に耳を澄ます。
扉越しに玲夜の声が聞こえる。創史は深呼吸し、ノックをした。
玲夜:「誰だ?」玲夜の声が返ってくる。
創史:「俺だ。創史」
長い沈黙の後、扉がゆっくりと開いた。
______________________
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝(続きは)♡20になったら出すよ〜
少しだけ次回予告追加します〜
次回_玲夜の部屋の中