テラーノベル
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──深夜 1:47
「ここですね。」
「そうみたいやな」
森の中にひっそりとそびえ立つ、小さな小屋
小屋の前には誰かが見張っているというようには見えず、ただ山の中にある小屋と言った感じだ
しかし、アザミが言う所頭がかなり効く連中らしい。
「ま、そういうやつらの対応はオレらの得意分野やな。なァ?ジプソ」
「はい、お任せ下さい」
頭の賢いやつに勝つ方法それは
───ドガン!!
頭の悪い戦法で行く事や
爆弾で小屋を吹き飛ばすと、床に少し窪みがある事に気づきそこをジプソに蹴ってもらうといとも簡単に床が壊れ、コンクリートでてきた階段が現れる
「ほな、行こか」
先に部下達を施設の中へ入れさせる
中から激しい爆発音が聞こえる
「ジプソ、どっかに餓鬼がおるはずや。探し出して安全な外に出すんや」
「はっ!」
「オレは親玉に会いに行くさかい」
そう話し、階段をおりて施設の中へ入るとされど研究員、抵抗する体力も技術も持っていないのかあっという間に施設内はサビ組で鎮圧されていた
少し離れた所で聞こえる子供の泣く声
それに気づいたジプソが数名の部下を連れて反対の廊下へ向かって走るのが見えた
そのままカラスバは捕らえられている研究員の1人の髪を掴み地面に顔をぶつける
「ガッ、!?ア”ッ!?」
「お前らの親玉、どこや。」
「ッどうして…ここ、がっ!!」
────パンッ!!
「ア”ァ”ァ”ッッ!!??手がッ!!」
「質問に答えろ言いよんや。親玉は?」
「3秒以内に答えなんだら次は左や」と研究員の左手に銃を付けると研究員は恐怖に顔を歪ませる
「こ、この先ッ!を言って右曲がったとこだ!!」
「ふーん、ありがとさん。」
──パンッ!!
銃声とともに男の悲鳴が研究所に響き渡る
「撃たんとは言っとらんからな」
そう呟きながら、男の横を通り過ぎ男の言われた通り道を歩く
通路を走り、右に曲がろうとした瞬間だった〖ガシャン!!〗という窓ガラスが割れる音がしたと思えば後ろにいた部下が「ゔっ…!!」という呻き声を上げて倒れる
「っ!!」
慌てて懐から銃を取り出すが、それに気づいた相手がカラスバの元へ近寄る腕を蹴り上げ銃がガシャンッと音を立てて地面に落ちる
「ははっ、お前かシオンの妹がいいよったんは」
ゆっくりと赤色の髪が揺れ、黄色の瞳がカラスバを移す
『私達がダメになったら、次の人間が送り出される。……多分あの子にはもう自分の感情はないから、1番の壁と言えばその子かもしれない』
『そいつの見た目は?』
『赤髪に黄色の目をしてる。男だよ』
目の前にいる男の瞳に光はなく、そいつの周りだけ空気が冷たく感じる
「はは、気味悪いな。ロボット相手しよるみたいや。」
その瞬間、相手はまたカラスバとの間合いを詰め近くにあったガラスの破片を握りカラスバの首目掛け切りつける
「ッ!!」
慌てて避ける
能力的にはアザミよりも上だろうがシオン程ではないといったところか
しかしそれでも、男である分力が強く一撃一撃が重く当たれば致命傷だろう
先程蹴られたであろう部下もあれから苦しそうに横腹を抑え倒れ込んでいる
「…避けてばかりか?」
「はっ、なんや喋れるやんけ」
低い声が通路に響く
「逃げんのも、策のうちのひとつや…ッ」
そう話しながら相手との距離を取るカラスバに対し、意味がわからないというように首を傾げたあとまたカラスバへ切りかかる
「はっ…はぁっ……ほんま姉弟揃ってバケモンみたいな身体しとんな」
息がそろそろ切れてきた
先程の物音に気づき部下が来るのもあと少しかかるはず
近くに毒でもあればいいのだが、こういう時に限って見当たらない
それに毒入りの銃も最初に弾き飛ばされてしまったし
…他はここでペンドラー達を出す手が手っ取り早いが、ポケモンも敵と見なしそうなコイツの前で出すのはリスクがありすぎる
「──よそ見」
「ッ!?ぐっ…!!」
考えすぎていたせいか、ついに相手から一撃を食らってしまう
慌てて両手で攻撃を防いだがそれでも相手の力は強く壁に打ち付けられてしまう
「ッ、ゲホッ…クソっ」
元々育った環境もあってか体も強くないし、ジプソのように力だってある訳では無い
自分が恵まれている環境に育っていて、もっと強い身体を持っていれば──と一瞬悔やむ
「(でもこんな所で終わる訳にはいかんのや)」
近づいてくる相手を睨み、近くに落ちていた石を手に握った瞬間だった
「──ホーズキ!!」
聞き覚えのある声がしたと思えば、男にバシャンッ!と濃い紫色の液体がかかる
「ッ!?ゔっ…ゲホッ…!!ゔ、ぁ…!」
「アンタ、毒だけは耐性ないもんね!!昔から!!
姉さんの作った毒はどう?アンタには死ぬ程苦しいだろうね!」
そういって苦しそうに倒れ込んだ男──ホーズキに馬乗りになり、笑うアザミ
「な、お前…!!なんで来たんや!!」
「任せっぱなしは嫌だっただけ!!コイツは抑えとくから、早く行って!!」
そういってアザミは笑いかける
「っ、すまん」
そんなアザミに対し、少し頭を下げたあと起き上がり奥の部屋をめざし走った
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