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泉「……っ、は……?」
泉は目を見開いたまま、固まっていた。
顎を支える真の指先が、すこし熱を帯びている。
真「お返しって言いましたよね。覚悟してくださいって、ちゃんと」
真は静かに、でもしっかりと見つめてくる。
その瞳にからかわれたような余裕はない。
本気だ。
真「泉さん、顔、赤いですよ?」
泉「……な、なんであんたが余裕そうなの……っ」
泉が目をそらしかけたその瞬間。
真が、さらに一歩踏み出して囁く。
真「今だけは、僕のほうが先輩だよ」
泉の喉がかすかに揺れた。
呼吸の音さえ、少し熱を持っていた。