テラーノベル
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第41話 君に最幸のプレゼントを。
(じゃぱたつ、じゃぱのあ注意!)
クリスマスまで、あと数日。
部屋の片付けも、なんとか終わった。
……いや、終わったというより、見えないところに押し込んだと言った方が正しいかもしれない。
まあ、それは置いといて。
💚「…………。」
俺は今、机に向かっていた。
何をしてるのかって?
それは…
💚「……うーん。どうしよっかなー……。」
俺は今、たっつんへのクリスマスプレゼントに悩んでいた。
今年は、みんなでクリスマスパーティーをする。
それに加えて、俺とたっつんは今年もプレゼントを交換する約束をしていた。
たっつんとは毎年クリスマスにプレゼント交換をしている。
だから今年も約束をした。
……したのはいいんだけど。
💚「何あげたらいいんだろ……。」
たっつんが好きなもの。
ゲーム? でも、どんなのがいいんだろう。
お菓子? いや、クリスマスだし、もうちょっと特別なものがいい気もする。
文房具とか……?
💚「うわぁぁぁ、わかんない!!」
ペンを放り出して、机に突っ伏した。
たっつんって、こういうとき困るんだよなぁ。
普段はなんでも喜んでくれるし、欲しいものを聞いても「別になんでもええで」って言うし。
優しいのはわかるけどさぁ!なんでもいいが一番困るわけ!!
――まぁ、だからこそ、ちゃんといいものを選びたい。
せっかくのプレゼントなんだから。
……ん?
なんで俺、こんなに真剣になってるんだ?
いや、そりゃ大切な幼馴染だし?
いつも一緒にいるし?
……うん。そういうこと!
💚「…………。」
いつも一緒なのに、何あげたらいいかは何も思いつかないんだけどね。
ふと、部屋の端に置いてあった昔のアルバムが目に入った。
懐かしいなー。
みんなで俺とたっつんの小さい頃の写真を見たこと。
これは、夏休みにみんなで見たアルバムとは違うやつだけど。
なんとなく手に取って、ぱらぱらとページをめくる。
小さいころの俺たち。
庭で遊んでいる写真。
泥団子を作ってる写真。
たっつんが泣いている俺の手を引っ張ってくれてる写真。
💚「……あ、これ。」
そのなかにはクリスマスの写真もあった。
まだ、小さい俺たち。
俺とたっつんが、家の前でプレゼントを持って並んでいる。
確か、あの年。
俺たちは初めて、お互いにプレゼントを用意したんだった。
何をあげたのかは、もうはっきりとは覚えていな
い。
別に大したものじゃなかった気がする。
でも。
――💛『来年も、プレゼント交換しような!』
――💚『うん! 大人になってもね!』
そんな約束をしたことは、覚えている。
……そっか。
あのころから、俺はたっつんにプレゼントをあげるのが好きだったんだ。
たっつんが笑ってくれると、なんだか俺まで嬉しくなった。
今も、それはもちろん変わっていない。
💚「…………よし。」
俺はアルバムを閉じた。
……でも、何を買えばいいかは、やっぱりわからない。
そんなときこそ、『相談』しよう。
💚「……のあちゃんに相談しよ。」
そうと決まれば、早い方がいい。
俺はスマホを手に取って、のあちゃんにメッセージを送った。
💚『のあちゃん! 今度、一緒に買い物行かない?』
すぐに既読がつく。
🩷『いいですよ! 何か買うんですか?』
💚『たっつんへのプレゼント! 何がいいと思う?』
少しだけ、返事が遅れた。
……あれ? 忙しかったかな。
そう思ったころ、メッセージが届いた。
🩷『なるほど! じゃあ、一緒に考えましょう!』
💚『やったー! ありがとう!!』
これでなんとかなるはず!
……たぶん。
俺はスマホを置いて、もう一度アルバムに目を向けた。
💚「……喜んでくれるといいな。」
自然と、口元が緩んだ。
今年も、たっつんとプレゼント交換ができる。
それが、なんだかすごく楽しみだった。
***
スマホを握ったまま、私は小さく息を吐いた。
🩷「…………。」
じゃぱぱさんからのメッセージ。
たっつんさんへのプレゼントを、一緒に買いに行かないか。
……うん。
それは、もちろん行きたい。
じゃぱぱさんと二人で出かけられるのは嬉しい。
でも。
🩷「……たっつんさんへの、プレゼントかぁ。」
私は、机の上に置いてあったお菓子のレシピ本を閉じた。
じゃぱぱさんは、たっつんさんのことになると、いつも少しだけ真剣になる。
本人は、きっと気づいていないんだろうなぁ。
ただ大切な幼馴染だから。
そう思っているんだろう。
でも、私にはわかる。
まあ何がとは言わないけど。
………ほんと、困っちゃうな。
🩷「……ふふ。」
私はスマホを開き、返事を打った。
せっかくなら、じゃぱぱさんが納得できるものを一緒に選んであげたい。
だって、私は。
……あの人の笑顔が、好きだから。
その気持ちを、今はまだ伝えない。
あの人が気づかないままでいられるように。
私はいつも通りのメッセージを送った。
🩷『楽しみにしてますね!』
きっと、楽しい買い物になる。
少しだけ胸がちくりとしたことは、秘密にしておこう。
***
💛「…………。」
俺は、スマホの画面をじっと見つめていた。
メモアプリに表示されている買い物リスト。
そのリストは、クリスマスパーティーの準備で使うもの。
そして、――
『じゃぱぱへのプレゼント』
💛「……いや、何買えばええねんー。」
思わず、ひとりごとが漏れた。
俺とじゃぱぱは、今年もプレゼントを交換する約束をしている。
……今年も。
その言葉が、なんだか嬉しかった。
昔から、俺たちは何かと一緒だった。
遊ぶのも、帰るのも、くだらないことで笑うのも。
気づけば隣にいて、気づけば一緒にいた。
小さいころのクリスマスもそうだ。
初めてプレゼント交換をしたとき、じゃぱぱは自分のプレゼントを渡すなり、俺の顔を覗き込んできた。
💚『たっつん! 開けてみて!』
💛『はいはい、今開けるから!』
💚『どう? どう!?』
💛『……えぇ!――やん!』
あのとき、俺が何をもらったのか。
今となっては、細かいところまでは覚えていない。
でも、じゃぱぱが俺の反応を待っていた顔は、よく覚えている。
喜んでほしくて、そわそわして。
俺が笑ったら、自分まで嬉しそうに笑っていた。
……ほんま、昔から変わらんやつ。
俺も、あいつが喜んでくれると嬉しかった。
それは今だって、変わらない。
💛「…………。」
あいつは、きっと何も考えていない。
俺のことを、昔からの幼馴染として。
誰よりも気楽に話せる相手として。
……そう思っているんだろう。
💛「……それでええねん。」
小さくつぶやく。
今まで通り、隣にいられるなら。
今の関係を壊さずにいられるなら。
そうやって、何度も自分に言い聞かせてきた。
――え?いや、別に今の関係を壊すつもりなんてないんやけどな!?
別になんとも思ってないし!!
そんなことよりプレゼント選ばないと…!!
プレゼント…プレゼント……
💛「………あかん。全然わからん。」
じゃぱぱの好きなものなんて、いくらでも思いつく。
ゲームも好き。
お菓子も好き。
みんなと騒ぐのも好き。
ていうか大体なんでも好き。
……けど、どれを選んでも、なんか違う気がする。
せっかくなら、あいつにぴったりのものを渡したい。
あいつが笑ってくれるようなものを。
💛「…………。」
……ほんま、何してんねやろな、俺。
プレゼントひとつ決めるだけやのに。
俺はスマホを手に取った。
相談するなら、ゆあんくんしかおらん。
なんかセンス良さそうだし。
ただ問題はゆあんくんが変な勘違いをするんじゃないかということ。
とりあえずゆあんくんにメッセージを送る。
💛『ゆあんくん、今度買い物付き合ってくれへん?』
しばらくしてから、既読がついた。
❤️『いいよー! 何買うの?』
💛『じゃぱぱのクリスマスプレゼント。何がええと思う?』
❤️『へー?』
💛「……なんや、その返事。」
画面越しでも、にやにやしている顔が浮かぶ。
やっぱムカつく。
❤️『たっつんがじゃぱぱのプレゼント選び? へーー?』
💛『なんやねん!!』
❤️『いや別に? いいんじゃない? 付き合うよ』
💛『最初からそう言え』
❤️『はいはい。で、いつ行く?』
話は早かった。
……早かったけど。
💛「……絶対、なんか勘違いしとるやろ。」
まあええ。
今はそれどころやない。
俺はスマホを伏せた。
カーテン越しに星が輝いている。
クリスマスまで、あと少し。
今年も、じゃぱぱと一緒に過ごせる。
プレゼントを渡して、あいつが笑ってくれたら。
……それだけで、十分や。
十分なはずや。
***
❤️「…………。」
俺はスマホを見ながら、思わず笑ってしまった。
俺はたっつんとのメッセージ画面を眺める。
そのとき、のあさんからちょうどメッセージが来た。
🩷『もしかしてたっつんさんからプレゼント選びの相談来てる?』
え?なんで知ってるんだ。
❤️『来たけど。もしかしてのあさんもじゃぱぱから相談うけた?』
🩷『うけた!』
なんだ。
すっごい面白いパターンじゃん。
たっつんからは、俺にじゃぱぱへのプレゼント選びの相談。
じゃぱぱからは、のあさんにたっつんへのプレゼント選びの相談。
二人とも自分ひとりでは決められなくて、別々に相談相手を探している。
面白すぎる。
❤️「……いや、考えること同じすぎん?」
さすが幼馴染。
そこまで似る?
しかも、相手に喜んでほしいって気持ちが、これでもかってくらい伝わってくる。
……本人たちは、どう思ってるんだろうね。
まあ、片方は自覚なしだろうな。
もう片方は自覚してるくせに、気づいてないふり。
きっとこれだ。
知らんけど。
❤️「……ほんと、面白いなぁ。」
俺は、たっつんに返信した。
❤️『じゃあ、今度一緒に行こう!』
きっと、じゃぱぱも同じように、のあちゃんと買い物に行くんだろう。
……さて。
この二人、当日までにちゃんとプレゼントを決められるのかな?
俺はスマホをしまって、ひとりで笑った。
***
それぞれ別の場所で。
それぞれ別の相手に相談して。
それぞれ、相手のことを考えながら。
同じように、クリスマスを楽しみにしていた。
そんな、二人の心には、まったく同じ思いが浮かんでいた。
💚――今年も、たっつんと一緒にクリスマスを迎えられる。
💛――今年も、じゃぱぱと一緒にクリスマスを迎えられる。
それだけで、嬉しい。
それだけで、幸せだった。
この二人はどんなストーリーを描いてくれるかな?
ここまで読んでくださりありがとうございます!
さぁじゃっぴとたっつんはどんなプレゼントを選ぶんでしょうねー!
今回から次回への♡の数増やします!(終わっちゃうのが寂いから引き伸ばしたい!笑)
次回 第42話 ?? ♡200↑
りと。@足、痛い
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コメント
10件
jpttまじ尊い
プレゼント、、、!?何選ぶんだろう、、、楽しみにしてます!
ああ、もう、今回すごくよかったです……! 二人ともそれぞれ別の友人に「相手へのプレゼント」を相談するところ、もう完全に同じことしてて思わず声出して笑っちゃいました(笑)。幼い頃の写真のエピソードとか、「大人になってもね」って約束を覚えてるところとか、じんわり温かくなりました。のあちゃんとゆあんくん、絶対気づいてるのに優しく見守ってる感じがまた良いんですよね……。クリスマス本番が楽しみすぎます!