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花魁坂ver
「やっほー四季ちゃーん」
「!!チャラ先!」
来ちゃったと笑う花魁坂は普段、白衣を着ているからか見慣れないはずなのに随分と様になっている。
「四季ちゃんドレス似合うねー、マーメイドもいいかなって思ったけどやっぱりAラインドレス良いねぇ」
「マジ?良かった!チャラ先にそう言ってもらえんなら自信出る!!」
えへへと純粋に照れる四季に抱きしめたいな〜と手をワキワキさせている花魁坂。
「でも、チャラ先ほんとに俺で良かったん?」
「えっ?勿論」
「四季ちゃんが良い!四季ちゃんじゃなきゃヤダ」
まるで我儘を言う子供ように首を左右に振って笑う花魁坂、それを見て嬉しそうに笑う四季。
あ!と急に思い出したように声を上げた花魁坂。
「そーいや、なんでダノッチとバージンロード歩くの?」
「それだけずっと気になっててさ〜」
机に腕を置いてその上に顎を付く。少しむくれたような顔で不思議そうに見つめてくるチャラ先が愛おしくて可愛いなって、思う。
「ほら、俺親父もう死んでんじゃん?」
「…そうだね」
「もぉ…悲しくなんないで!!」
「うん…」
チャラ先の頬を両手で包む、下がった眉を撫でれば受け入れるように目を瞑ってくれる。
「羅刹に入れたのも、チャラ先と会えたのも全部ムダ先のおかげだからさ」
「俺にとってはムダ先は親みたいなもんなんだよ!」
「…それに、チャラ先にとってもムダ先は大切な友人っしょ」
「だからどうせならっ、」
四季君が全部言い切る前に抱きしめた。愛おしい、優しい子。
ここに来てまで自分のことじゃなくて俺の事を考えて、すり減り切って無くなりかけてたものを探して埋めて…その上溢れさせてくれる。
きっと俺はこの子を話す事を一生出来ない。する気もないけど…
『あぁ…これが幸せという物か。』
コメント
5件
きょうしきー! 最高です!(*´艸`*) てかめっちゃ投稿してくれてありがとうございます!