テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「は、っくしゅん!!」
くしゃみをした俺の頭に冷却シートを貼り直すクロノアさんを見上げる。
どうも。
数日前、風邪をひいたクロノアさんの看病のために家を訪れて見事襲われた(?)バカなトラゾーです。
そして、体調を崩した時はちゃんと頼るようにと約束を取り付けられた病人です。
クロノアさんの風邪をもらったのもあるかもしれないけれど、筋トレをして汗をかいたまま薄着で寝たことがどうやらトドメを刺したようです。
「…だからいつも言ってるでしょ。ちゃんとシャワー浴びて、きちんとして寝るようにって」
「すみません…」
バツが悪くて素直に謝る。
7割くらいは俺が悪いから。
「何か飲めそう?」
ふるふると首を振る。
今は何も喉を通りそうにない。
「…俺の時より重症じゃん。病院とかは?薬とか」
「やです、…病院も、薬も嫌いです…」
あの独特の匂いや、白い平坦な内装が嫌だ。
昔からあの場所は嫌いだ。
「ガキじゃん」
「ガキでいいですもん…」
寒気がしてきて布団にくるまる。
微熱だった熱が上がっていてるのかもしれない。
今は大人しくしていた方がいい。
ホントならクロノアさんにも帰ってもらいたいところだけど、そんなことを言えばこの人の逆鱗に触れそうだから黙っていた。
「トラゾーは体調崩したら治りにくいんだから気をつけなきゃ」
いや3割はあなたのせいですからね、とは口が裂けても言えず。
思ったことは飲み込んだ。
「わかってます…」
じわじわと侵食されるような熱や、ぐらつく気持ち悪さ。
頭の奥がズキズキと痛む感覚も。
体調が悪い時の、この感じがホントに嫌になる。
自分じゃどうしようもない感覚が。
「ん…ッ、ン…ぅ」
どの体勢でいてもしんどい。
モゾモゾと布団の中でポジショニングに悩んでいた。
「(寝てしまえば楽なんだけど…)」
俺を落ち着かせてくれようとベッドの上に乗せられたクロノアさんの手がふと、目に入った。
「………あの、クロノアさん」
「ん?なぁに」
優しくて穏やかな、すっと耳に入ってくる低い声に目を細める。
この声がすごく好きで、俺に向けられるこの特別な響きを聞くだけで少ししんどいのも和らぐ。
「手、繋いでても、いいですか…?」
クロノアさんの大きな手も好きで。
少しひんやりとした低温が落ち着く。
意外と男の人らしい手をしてる、と言えば怒られそうだけど。
「お安い御用だよ。はい、どうぞ」
差し出された右手を両手でぎゅっと握り締める。
「ふ、…ふふっ、クロノアさんの手、冷たいですね…、でも、落ち着く…やっぱ、好き、」
安心する手。
優しく握り返してくれるところも好きだ。
「、………寝そう?」
「ぅん、…これ、なら…落ちつ、いて…寝れ、そう、です…」
「…………おやすみ、トラゾー」
耳に落とされる優しい響きに、頭痛も気持ち悪さも。
何もかもが溶けてなくなるかのようにして俺は眠りに落ちた。
「…、ん、ッ、ぅ♡⁇」
ぱちゅっ♡ぱちゅん♡♡と濡れた音に意識が浮上していく。
身体を侵食している熱が、何故か違う気がして。
主にお腹というか、下腹部がジンジンと疼くような。
思考が溶けるような、熱を孕んだ感覚に首を傾げる。
「へ、ぅ…っ♡♡?」
俺は確か仰向けで寝ていたはずなのに、目の前に広がるのは枕で。
寝返りを打ったにしては体勢がおかしい。
顔を押し付けるようなこんな体勢で寝た覚えもない。
それに、クロノアさんの手を握っていたはずの俺の両手は後ろに伸ばされて引っ張られていた。
誰かに背後から背筋を伸ばされるような格好みたいに。
なんなら 着ていたはずの服は上だけ着てて、下は全部無くなってる。
暑くて脱いだのかと思うけど、俺はそんな裸族みたいなことはしないし。
「うッ♡♡⁇ん、ンっ…ぅ♡?」
わけが分からず混乱していたら、ばちゅんっ♡♡♡!!と、すーすーしていた下半身に衝撃が加わった。
「ふゃぁぁあぁあッッ♡♡♡!!?」
「あ、起きた」
「な、んっ♡⁈へ、ぇ♡⁈ッ、あ、ぁんン♡♡⁇!」
寝ていたはずの俺はいつの間にかバックでクロノアさんに腕を引っ張られながらナカを突き上げられていた。
「ぅ、そッッ♡♡⁈なん、れぇ、ぇ…っ♡♡!?」
「…うーん、……イタズラ?ってやつ、かな」
「はァッ♡⁈くぅんンんッ♡♡♡!!」
ぱちゅんっ♡♡♡と湿った破裂音がして目の前がチカチカと瞬く。
「寝ちゃったトラゾーの顔とか首とか、まぁ暇になったから、身体を触ってたわけなんだけどさ」
「へ、へんた、ぃっ♡♡!」
「なんかトラゾーが俺のことえっちな目で見てた理由が分かっちゃって」
「ひゃぁああ♡♡⁈ぉ、奥ッ♡!だっ♡、だ、め、ですっ♡♡!!」
手首を掴んでいたクロノアさんが俺の肘のあたりを掴み直してぐっと後ろに引っ張った。
仰け反った身体は勝手にクロノアさんのを深く咥え込んで上側を抉る。
「んぃいいぃッッ♡♡♡」
腰を高く上げ顔を枕に埋める俺はまだ理解ができていない。
どうして、いつの間に。
俺はなんでクロノアさんに、後ろからえっちなことをされているのか。
触られてたりするのは百歩譲って良しとしても、こんなことになる理由が分からない。
「それで、なるほどなぁっつて思いながら、 触ったり撫でたりしてたんだ。そしたらトラゾーってばいちいちエロい声漏らすもんだから、なんかム…イラついて」
「か、かんぜ、んにッ♡♡やっ、あた、り、じゃ、な…ぃ、です、かぁあっ♡♡♡!!」
「エロい声出すトラゾーも良くないよ。こんなの他の奴らに聞かれてたらどうすんの。襲われて大変なことになっちゃってたよ」
「そッ♡♡んにゃ、わけぇ…っ♡!!」
「んー…トラゾーは自分のことなんにも分かってねーなぁ…」
肘から手を離したクロノアさんがぴったりとくっついてくる。
「ひゃぁんんンッ♡♡♡!!?」
「あはっ、トラゾーのナカすげぇ熱いね。…火傷しちゃいそ」
クロノアさんの先端が奥にグリグリと捩じ込まれていく。
あの時の恥ずかしげもなく喘いで叫んでた言葉を思い出してきゅんとナカが締まる。
「だっ♡♡だぇッ♡!ぉく、やっ、ら゛ぁッ♡♡!」
「俺の為に開いてよ。あの時みたいに…さっ♡♡!」
「ぁ゛〰︎〰︎〰︎〰︎っ♡゛♡゛♡!!!!」
ぐぽんっ♡♡とハメられたお陰で上半身はへたってしまって、クロノアさんに腰を高く上げた媚びる体勢になってしまった。
「トラゾーは奥ハメ好きだもんね?メスイキ気持ちいい♡⁇」
どれだけクロノアさんに身体を弄られてたのか分からない。
でも、射精も潮吹きもできなくなってるほどにはナカやらを弄られまくっていたようだ。
「なかなかトラゾー目が覚めないからさ。どこまでしたら起きるのか触りながら見てたんだけど」
「んひッ♡♡♡!!?ぉ゛っ♡♡!ぅ、はッ♡♡あゔ♡!!」
ずんずんと奥ハメされてる場所を突き上げられ、頭がパニックになるほどの快楽で埋め尽くされていく。
「それで乳首とか、トラゾーのとか、ナカとか……全ッ然、目ぇ覚さないからさ。じっくり時間かけて弄ってたわけなんだ」
「は、へッ♡♡♡⁈」
「あ。でも安心して?弄っただけで挿れたりはしてないから」
ぐるりと視界が反転して、繋がったまま身体の向きを変えられた。
嘘つき、挿れてるじゃん!と思ってもそれが発語としては出なかった。
「ッ〜♡゛♡〜~゛〰︎〰︎ッッッ♡♡゛♡!!」
ナカを大きく抉られてつま先がピンッと伸びる。
攣りそうなくらいの硬直に目が白黒していた。
「けどごめんね?トラゾーがあまりにも欲しそうにしてたから挿れちゃった♡」
「ぁ゛っうぅ♡♡♡!!」
「熱のせいで柔らかいしすげぇ熱いし。…簡単に奥まで咥え込めるトラゾーもすごいけどね」
「ひ、どぃ…ッ♡!俺っ、びょ、ぅにん、なの、にッ♡♡!!」
クロノアさんがきょとんと首を傾げる、至極不思議そうに俺を見下ろす。
「ひどい?でも前回俺のことそういう目でトラゾーは見てたでしょ?それに勝手に感じて俺のこと受け入れてんのトラゾーじゃん」
「せ、ッ…せき、に、んっ♡!て、んかッ…すん、なぁ…っ♡♡!!」
「責任転嫁はトラゾーの方だから♡」
「ひぁぅゔぅぅッッ♡♡♡!!!」
ごちゅぅうっ♡♡!と奥に押し込まれたクロノアさんの先端に身体が大きくしなる。
「ッ…か、は…っ♡♡⁈」
「トラゾーって、ホントに不意に出る声の掠れ方がエロいよね」
「し…しらなッ♡♡ゎ、かり、ませ、んンッ♡!!」
「知って出してたら俺怒るよ?」
肩につくくらい両脚を持ち上げられて、上から激しく突かれる。
何かクロノアさんの地雷を踏んだのか苛立ったような声と律動にびくりと腰が跳ねた。
「ぁ゛っ♡!ぁ♡⁈ひィんッ♡♡!ま゛、っ!まっ、てぇ♡!まへ、くら゛さ、ッ♡♡、はげしッ♡はゃッ♡♡!ん゛ぁああ゛〰︎〰︎〰︎っっ♡♡♡!!」
どうにか押し返そうとしても本調子じゃないし、こんな状況だしで。
「何それ抵抗してるつもり?…ははッ、可愛いね」
「ぃ、じわる、ですッ♡♡く、ろ、のあさんっ♡!いじ、わるぃっ♡♡!」
「知らんかった?んなわけないよね。トラゾーはよく知ってるでしょ」
力の入らない手を取られて頭上に縫い付けられる。
「俺があんまり優しくないのも、意地が悪いのも、嫉妬深くて重いのも」
「ぅくっ♡♡!!そッ、こ♡はぃら…な゛いっ♡♡も゛ぉ♡!だめ、れ゛す…ッ♡いゃ゛っ♡♡!」
「何言ってんの。入るよ、トラゾーのナカに俺のが入らないわけないじゃん」
ぐぽぽっ、とホントに入っちゃダメな場所にクロノアさんの大きくなってるのが入ってくる。
「ゃ、!♡ゃだッ♡やら゛やらやぁあ゛っ♡♡!!しぬ゛っ♡しぬぅ゛ッッ♡♡♡!ま、って、!ま゛─────ッッ♡♡!!」
聞いたことのないような音が胎の奥でしたような気がした。
バチンッと思考が焼き切れたように頭が真っ白になる。
「~〰︎~゛〜♡♡゛〰︎?゛〰︎゛♡♡!~〰︎〜〜♡゛!~〰︎♡♡♡゛♡!??」
「、はぁ…ッ♡…やっと入れた♡♡」
尋常じゃないくらい脚はガクガク震えるし。
目は焦点が合わないくらい上を向いてしまっているし。
強烈な快楽にナカはズキズキと疼きっぱなしだった。
「俺の完全に咥え込めたね♡じょーず♡」
「ァ゛♡、♡ア、ッ♡♡゛♡」
吹き出す汗は風邪によるものなんかじゃなくて。
クロノアさんからの一方的で暴力的で激烈な快楽を叩き込まれている俺は何もできず。
今まで受け入れていたのなんか比じゃない、心身が狂いそうな悦楽を一身に受け止めるしかなかった。
「トラゾー?ほら俺にしがみつきな」
「♡、⁇♡~〰︎゛♡⁇♡♡!〜〜〰︎゛♡~〜♡♡?」
言われたことをそのままする。
縫い付けられていた手がクロノアさんの背中に回された。
「ん、そうだよ。俺にちゃんと縋って、トラゾーにこと苦しめてるのが誰かちゃんと意識して」
ぐりゅぅう♡♡!とナカを抉られて、バチバチッと火花が散るように繋がって抉られた場所から脳に直接、快楽の信号が送られる。
無意識にその強すぎる快楽に恐怖を感じていたのか、ぎゅぅうとクロノアさんにしがみつく。
自分から奥のもっと深い場所を抉っていたとしても、安心したかったから。
「こ…ッ、ゎいぃ、っ♡!…く、ろのぁ、さ、んッ♡♡♡こ、わぃっ♡♡こわぃで、すっ…♡♡!」
「大丈夫だよ。それは怖いんじゃなくて、気持ちいい、なんだから。ほら?トラゾーがいつも俺にされてることと変わんないよ?同じだろ?」
汗でぐしゃぐしゃの前髪を掻き上げられながらよしよしと撫でられる。
「きもちいい、って言ってごらん?」
「き、♡き、も…ち、いい…♡♡⁇」
「うんそう。いい子だね」
ぐぽぐぽといつもと違う音に耳も犯されていく。
「風邪ひくと弱くなるって言うから、気持ち良すぎてトラゾーは今混乱してるだけ。ね?俺がいつもしてあげてることと変わらないでしょ?」
「き、もちぃこ、と…♡⁇」
真っ白になってた頭が、クロノアさんとクロノアさんにしてもらってることで塗り替えられていく。
「そうだよ。気持ちいいね、トラゾー♡」
「きもち、い♡、で、すッ…♡♡」
力を振り絞って背中に回した腕を使ってクロノアさんに擦り寄る。
密着していた身体は、ぴたりとくっくようにして触れ合った。
「そうだ、俺がまた風邪ひいたら看病よろしくね?」
「♡♡?、はぃ、♡なん、でもします…、♡」
「じゃあ身体が冷えないように、もっといっぱい動こっか♡」
「んぁ…ッ♡!」
風邪のかの字もこの時の俺からは抜け落ちていて。
クロノアさんがいつもしてくれる、きもちいい、ことを享受することだけが頭に残っていた。
「……治っちゃったよ…なんでだ…」
「トラゾーって、体強いのか弱いのか分かんないね?…気持ちいいことには弱いけど。…いやある意味強いのか?」
「ばっ、ばか…!あんたいつからそんなことばっか言うように…誰の影響ですか!」
気持ち悪さや頭痛や寒気は、初めからなかったかのように吹き飛んでしまった。
迷信だと思っていた、所謂”そういうこと”で汗をいっぱいかくというもので、俺は見事、風邪を完治させてしまったのだ。
「だから汗をいっぱいかいたらいいって言ったじゃん」
「あなたは治らなかったじゃないですか…!」
「そこは、やっぱり鍛え方の違いなんじゃないの。ほらトラゾーって筋トレしてるし、身体のあちこち鍛えられてるし」
「もう!!」
手元にあったクッションを投げるも、力のないそれなんて簡単に受け止められる。
「まぁいいじゃん。治ったんだし」
「…大切なモノを失った気がします…」
「処女ならとっくの昔に失っ「バカバカバカバカッ!!クロノアさんの変態っ!!!」…気持ちいいって啼いてたくせに」
肩を引き寄せられて、首筋を噛まれた。
「ひゃうんっ!」
「何回でも失わさせてあげるよ?トラゾーも何度も処女喪失できて嬉しいでしょ」
「バカっ!!」
誰がクロノアさんをこんな風にしてしまったんだ。
こんな意地の悪い。
俺か?もしかして俺のせいで絶対領域だったクロノアさんをこんな風にしてしまったのか?
「言っとくけど俺がそう思うのはトラゾーだけだし、トラゾー以外にしようなんて微塵も思ってねぇから。俺のこと煽るばっかするからだよ」
鎖骨を甘噛みされて、舐められ吸われる。
煽ったことなんてないとぼやけば、無意識怖っと言い返された。
横腹やお腹周りを軽く押されながら撫でられる。
「ん、ぅッ…!」
「トラゾーも俺以外の前でこんなんなっちゃダメだよ」
するか!!と叫んだ俺は、自分がつけた痕を撫でながら笑うクロノアさんの顔面に今度はちゃんとクッションをお見舞いした。
もう絶対に体調を崩さない!とこの時心に強く誓った俺はその後日、同じ目に遭わされるだなんて思いもしていなかった。
フラグ回収を自ら行い、ベッドとしばらく仲良くする羽目になった俺にクロノアさんがだから言ったでしょ、と笑顔で言ってきたのも、この時の俺は知る由もなかった。
コメント
2件
はいダメー!! 自分で書いてて、やっちまったなぁ!!と思った_(┐「ε:)_
読み終えました。風邪でしんどそうなトラゾーくんが、クロノアさんの手を握って「好き」って言いながら眠りに落ちるシーン、すごく甘くてあったかくて、胸がぎゅっとなりました。その後の展開にはちょっと驚きましたけど、二人の関係性がぎゅっと濃縮されたエピソードだったなと思います。ポン酢2さん、素敵な話をありがとうございます。