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元貴side
「若井!!!!!」
俺は走って血の海の真ん中で横たわっている若井に駆け寄る。
「ねぇッ、、!若井……ッ若井??起きて……、、!!」
名前を呼んでも若井はピクリとも動かない。
ただ、ずぅーと目を瞑っている。
若井をそっと抱き上げる。俺の服にも血がついていく。若井の体の方に目を向けると血まみれで、肌なのか、肉が見えているのか判別できないくらいだった。
ずっと見ているなんて俺には到底できなかった。
若井からの返事は無く、若井の頬に一粒の水滴が落ちていく。そして流れる水滴が落ちた部分だけ、若井の顔中についてる血が一緒に流れて若井の肌の色が見えてくる。
「若井……ッ、!!起きてッッ、、!1人にしないでよっ……、、、、ッッ!!!」
気づくと後ろからずっと声をかけられていた。
『すみません!!!離れてくださいっ!』
救急隊員の方だ。
だめだ。若井と離れられない。
消えちゃう。若井が無くなっちゃう。
俺の前から消えちゃう。
奪わないで。
『離れて!!!』
その言葉でハッとした。
あぁ……何をしてたんだ。
「お願いします。助けてくださいッ……、泣」
救急隊員の方も様子を察してなのか俺も一緒に救急車へ乗り込む。
救急車の中でも若井は表情ひとつ動かず、ただ目を瞑っているだけだ。心電図の音と焦っているような救急隊員さんの声、それを聞きながらただ、救急車に揺られていた。
『元貴!!!』
「ん……涼ちゃん。」
若井が緊急手術になり、運ばれ俺は1人、椅子に座って待っていた。後から来てくれた涼ちゃんは冬だけど薄ら汗をかいていて、どれほど急いで来たのかがよく伝わってきた。
「元貴……?大丈夫?」
そういう言って涼ちゃんは俺のことを抱きしめてくれた。
『元貴は怪我してない……、?』
「うん。これは若井の。」
『そっか。』
『いいんだよ。今は。僕しかいないから。』
その涼ちゃんの言葉に自然と体の力が抜ける。
「わかいが……ッ死んじゃったら”…どうしよう”ッ泣」
『大丈夫……大丈夫だよ。』
涼ちゃんはそう言っているが、俺には涼ちゃんの手が震えて、目が潤んでいるのが見えていた。
分かってる。怖いのは俺だけじゃないんだ。
みんな怖い。怖いよね。
でも、だからといって俺の目から涙は止まらなかった。
そんな俺を包み込むように俺の背中を涼ちゃんは擦り続けて、“大丈夫”だと言い聞かせた。
それから1時間くらい経っただろうか。ようやく俺の気持ちが落ち着いてきた頃、涼ちゃんが話し出す。
『元貴が見た事とか、なんでもいいからさ、できる範囲でいいから教えてくれない?』
「あっ……あの時はっ……、、あの…その、、ッ若井が…ッ」
喋ろうとする度喉につっかえて言葉が出てこない。
『分かった。分かったから、喋らなくていい。今は大丈夫だから。』
こんなんじゃきっとみんなついて来てくれなくなる。
『若井なら大丈夫……ね?強いから、あの人』
そういう涼ちゃんは俺の様子から察したのか話すのをやめた。途中で俯いた涼ちゃんはきっと涙を流していたような気がする。
きっと俺には見えないように。
二人とも俯きながら目から流れてくる水滴をグッとこらえている。
ただ若井の帰りを待ってた。
手術中のランプが消え、ドアが開くと執刀医の先生が出てきた。
先生は少しの沈黙の後、重そうな口が開いた。
『…手術が終わりました。』
毎日投稿頑張ります…!
そろそろ最終話まで書き終えます!
この作品はね〜私の中でのハッピーエンドかバッドエンドか言いきれないような作品にしたいんですよ。
この話が終わったあと、皆さんに聞きたい。
この話がハッピーエンドだったかバッドエンドだったか。
誰かにとってはハッピーエンド、誰かにとってはバッドエンド、そんな作品にしたい。
最後までお付き合いください!
それではまた!
コメント
8件
続きが気になって夜しか眠れない
ぬあぁ、辛い…。続きが気になるね
若さんーーーーー 大森さん辛いなぁ