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中庭パフォーマンス当日の朝。
「いや〜凪の袴姿が見れるなんて」
「そんな普通だよ」
「いや!絶対かっこいい!もうね凪の写真撮るためにスマホの容量空けてきたから!ほら写真減ってるっしょ」
南奈ちゃんはカメラロールを私に見せて言った。
「今日昼休みに書道部のあるんだよね」
「そうそうだから早くご飯食べちゃおうね」
南奈ちゃんの後ろの席から会話が聞こえてきた。
「あ、書道部のパフォーマンス見る?」
すると南奈ちゃんは振り返ってその人たちに声をかけた。
「うん見る!中庭でやるんだよね」
「そう!ちなみにね凪も出るよ」
南奈ちゃんは少し私を見て手を私に向けた。
「野仲さん書道部なの?」
「あ、うん、先月入ったばっかりで」
「あそうなんだ!頑張ってね、楽しみにしてるね」
「うんっ、ありがとう」
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4限目が終わるとすぐに部室に行き袴に着替えた。
「袴出してくれたの瑠衣ちゃん?」
「ううん滝原!先着替えて1年生と中庭の準備してくれてる」
「行かないで大丈夫?」
「おんちゃんが部室来るから4人はここに居てって言ってたけど、、こっそりお礼言ってきな!」
「うんっ、行ってくる」
早足で中庭に行くと、滝原くんと1年生たちがいた。
「「「こんにちはー!」」」
1年生が私に気づくと挨拶をした。
「あ、こんにちは」
「おお凪、どしたん!」
「袴、滝原くんが出してくれたって聞いて、ありがとう」
「あぁどういたしまして、わざわざ言いに来てくれたんや」
「あ、準備手伝うことあったらするよ」
「ありがとう、でももうほぼ終わったから大丈夫やで」
「そっか、ありがとう」
「凪〜!!」
突然上から呼ばれ校舎を見上げると南奈ちゃんが窓から手を振っていた。
「南奈ちゃん、!」
私も上に向かって手を振った。
「おお根岸か、ご飯はー?食べたん?」
「袴かっこいいじゃん凪!!ピースして写真撮るから!」
「聞いてへんな」
南奈ちゃんは私にスマホを向けた。
「俺も一緒に撮って!」
滝原くんも私側に寄ってピースをした。
「あーなんか変なの入った」
「誰が変なのや!それもあとで凪に送っといてや!貰うから!」
滝原くんがそう言うと南奈ちゃんは少しあしらうように頷いた。
「じゃあね凪、頑張ってね!」
「うんっ、ありがとう」
南奈ちゃんはまた窓から手を振った。
「あ、あのさ」
「ん?」
「中庭パフォーマンスってどのくらい人来るの?」
「結構いつもみんな見に来てくれるで、先生とか友達はここまで降りて来て見てくれたりもするし!」
「そうなんだ、、」
「緊張してる?」
「うん、ちょっとだけ」
大勢の人の前で何かをするのはどうしても慣れない。
「大丈夫やで 」
滝原くんが優しい声で言った。
「手足が震えても声が震えても誰もなんも思わんし、いつもより上手く書けへんくても、気持ち込めて全力で書いたんならそれが一番の字やから」
「、、うん」
「終わったときに楽しかったって思えたらそれでいい!」
真っ直ぐで爽やかな笑顔だった。
「ありがとう滝原くん」
「うん、頑張ろな」
私は笑って頷いた。