朝が来た…でも学校に行かないけど
いやだなぁ…
毎朝、毎朝、知豊柚《ちふゆ》って怒鳴る声
五月蝿い、鬱陶しい
左の壁を見る
表彰状ばかりだ、トロフィーもある
そこにはすべて
流山知豊柚しか書かれていない
私の名前だ
スマホを開く
ネッ友にメッセージを送る
ネッ友も不登校
湖冬に
ハンドルネームみたいなもん
『おはよー、こふ』
メッセージが返ってくる
『ちゆおはー』
私は
知無夢と言う名前でしてる
隣が五月蝿い
隣は
妹の
知話弥と弟の実和斗
妹の声が聞こえる
「お姉ちゃん、起きてる?」
無視して、本を10ページだけ読む
人の気配が無くなったから1階に行く
眠い目を擦りながら
目的は
顔を洗う、朝ごはんを食べる、歯磨き
だけだ
1階のキッチンにはクソババァが居た
クソババァは母の由華(ゆか)のこと
クソババァに言われる
「用が済んだら勉強しろ」
そんな、言葉
冷たい
声を出さずに頷く
ご飯を食べ、顔を洗って、歯磨きをして、髪型を整えたら
2階の自分の部屋に戻る
高校1年の二学期からの復習
今は2年生の一学期なのに
無言で勉強をはじめた