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テラーノベル(Teller Novel)
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―現在 十四歳―

「ひかるー?聞いてんのー?」

「あ、ごめん。なんて言った?」

僕は彩瀬 輝。

ただの学生じゃない。

殺し屋だ。

ニックネームは無花沙 ウラン (むかさ うらん)。

いつもはこうして、普通に学校に通い、普通に友達を作っている 。

一見普通の中学生。

「あ、やべ!次移動教室じゃん!ほら行くよ!」

僕の手を引くこの男子は花垣 優斗(はながきゆうと)。

親友だ。

「あ、うん。行こ。」

―放課後―

「じゃ、また明日な!」

「うん。また。」

僕は優斗と別れた後、ため息をついた。 

「今日は任務の日か…」

しばらく歩いて着いた場所はとあるカフェ。

『赤いディナー』というカフェだ。

―チリンチリン―

中に入るとドアのベルがなった。

その音に気づいてカウンターから顔を上げた店員。

「おかえり!」

「…どうも。」

このカフェは僕ら殺し屋の溜まり場であり、アジトでもある。

ちなみに、この店員も殺し屋。

ツバル。

僕はツバルさんに一礼して、カウンターの扉を開け、厨房に入って行った。

珍しく、今日は誰もいない。

僕はその奥にあるドアを開けた。

そこには、隠しエスカレーターがある。

これで地下室に行くのだ。

ボタンを押すとすぐに扉が開いた。

中に入って扉を閉める。

―ウィーン…―

扉はすぐに開いた。

エスカレーターを出ると、そこは長い廊下が続いている。

僕は自分の部屋へ向かった。

歩いている最中、何人かとすれ違う。

みんな驚いた顔でこっちを見る。

制服姿だからだろうか。

考えているうちに僕の部屋についた。

『444号室』これが僕の部屋。

―ガチャ―

僕は部屋に入り、クローゼットからいつもの服を取り出し、着替えた。

こんな制服着てられない。

僕が普段殺し屋としているときの服装は黒のシャツに白のネクタイ、黒のズボン、黒のコート、そして白い手袋。

僕は鏡で身だしなみを整えて、部屋を出た。

ボスの部屋に行く。

―コンコン―

「輝です。失礼します。」

ボスの部屋の扉をノックした後、僕は部屋に入った。

そこには笑顔で笑うボスのナイコさんと両端に付くボディガード。

「もう帰ってきたんだね、おかえり!今日は任務の日だったね。」

「…」

僕はナイコさんの言葉を全無視した。

嫌いだからだ。

できるのであれば顔すら合わせたくない。

「最近わたしに冷たくないかいー?前までは少しは相手してくれていたのに。」

ナイコさんはむすっとした顔で言った。

「嫌いだから。」

僕がぼそっと言うと、ナイコさんは笑った。

本当にこの人は何を考えているのかわからない。

「さ、そろそろ任務の話といこうか。今日は君にとっては意外と簡単かもしれない。君にとっては、ね。」

「…はい」

僕はこれでもナイコさんの次に強い、時期ボスになるとされている最年少の殺し屋だ。

ほとんどの任務は普通に達成できる。

「今回の任務は東京タワーで毎週日曜日に集まる秘密の団体を潰すこと。君一人でね。」

秘密の団体…?

そういえば東京タワー入り口でいつも数名の黒コートの人達が入っていくのを見たことがある。

その人たちのことだろうか。

ナイコさんは話を続けた。

「名前は『オピック』。日本生まれの外国人の集まり。日本が大嫌いなんだってさ。」

面倒くさそうな連中だがなぜ僕にこの任務を任せたのだろうか。

「何か『赤いディナー』に影響が?」

僕がそう尋ねると、ボスは盛大に笑った。

僕は全てを理解しため息をついたあと、ボスの机まで歩き、机に手を置いた。

ボディガードは僕のなにかを悟ったのか、音もなくこの部屋から消え去った。

「ただの貴方の興味本意、ですか。」

僕が睨んで言うと、ボスは笑うのをやめ、

「うん、そうだよ?」

と軽々と言った。

僕がこの人のことを嫌いな理由の一つ。

ボスは時々興味本意で僕に任務を押し付ける。

「おそらくオピックは僕たち『赤いディナー』を壊滅させようとしている。

この前たまたま見たときに『赤いディナー』のカフェの写真を手に持っていた。

敵は僕たちのアジトを薄々理解している。

理由は知らないですけど、『赤いディナー』に影響しかありませんよね?

でも貴方は何も言わずとも僕が気づくと信じていた。

いや、読んでいた。 」

「怖いね。」

「…」

わざわざ考察までしたのに最初に出てきた言葉がそれじゃ困る。

「…ちょっと急用ができました。失礼します。」

僕はボスの部屋を出ていくのではなく、何もないただの壁に手を伸ばした。

触れた瞬間、音もなくエレベーターが現れた。

僕は一礼してそのエレベーターに乗り、地上に登った。

「あの子、いつの間にわたしの隠れエレベーターを…」

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