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地上に出るとあっという間に夜に近くなっていた。
もうそろそろオペックが現れるだろう。
ボスな部屋にいたとき音がしたのだ。
地上から。
銃の音が。
「そういえば、銃を持ってくるのを忘れてた。」
そう呟いた瞬間、オペックの奴らがカフェ前に現れた。
数はたったの10人ほど。
予想通り。
僕は一度目をつむった。
そしてもう一度目を開けた。
『!』
殺気が宿った闇のような目。
オペックがそれに圧倒されているうちに、僕は跳躍して一人の銃を奪った。
奪った瞬間そいつの頭部に一発。
一番近くにいた奴にもう一発。
銃を奪い両手に収めて二人に一発ずつ。
拳銃を奪い、両手に二本ずつ持った。
また跳躍し、四人の頭部に着弾。
後方し、三人に一発。
秒数約10秒ほど。
着弾点は僕が狙った位置から一ミリもズレていない。
最後の一人に僕は三丁の銃を投げ捨て一丁の拳銃を頭に突きつけた。
「ボスを殺そうだなんて。舐めるな。うちのボスを殺るなら先に自分を殺れ。」
ーバァン!ー
銃声が響いた。
結局、オペックは一言も話さずに朽ちた。
僕は拳銃を後ろに向け、何も見えない状態で打った。
打ったあとに後ろを振り返るとやはりそこにはボスがいた。
ボスは銃弾も跳ね返す小さな特殊な金属の板で着弾点を予測し、ガードした。
さすがはボスなだけある。
「もーいきなり何するのだよ。」
「後ろでニコニコ笑ってるのが腹立ったので。」
「部下たちが見ているよ?」
周りをよく見ると、カフェの中で部下たちが僕を見つめていた。
とても、キラキラした目で。
「で、なんで見に来たんです?」
「面白そうだったから。しかし、君がわたしの為にあんなに怒ってくれるとは。嬉しい限りだねぇ。」
僕の中で何かがピキッと音を立てた。
「ボスが一番なのは当たり前です。」
「もう、ツンデレだなぁ。そういうところが好きだけどね。それにしても君の銃の扱いはすごいね。まるで魔法だ。」
…ウザい。
「…ありがとうございます。そういえば今日も付き合ってくれますよね?稽古。」
僕は毎日夜、ボスと地下の一室で稽古をしてもらっている。
拳銃の扱いもそうだが、最近はナイフの扱い方を教えてもらっている。
「勿論だよ。」
僕は一回ボスを見つめた後、カフェから僕たちを見る部下を無視してカウンターに座った。
「水でいいです。」
僕がそう言ったのと同時に、ツバルさんが「はいよ。」と水の入ったコップを出してくれた。
僕はその水を一気飲みした。
集中力を使うと喉が渇く。
僕は死体の片付けをしている黒服を見つめていた。