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⚠️注意⚠️この作品は、ペルソナ5という作品のオマージュ作品となっております。苦手な方は、そのままカムバックでお願いします。それでもかまへんよ!って方はお進み下さい。
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「死んでもいい」
少女はそう言った。葵は唖然とした。なぜなら、少女が口にした”死んでもいい”という言葉は、平和に暮らしている人間から放たれる言葉とは重みが断然違ったからだった。
まるで、今までの人生を、ごく普通の人間が味わう倍の苦しみを味わって生きてきたかの様な、そんな人間から放たれる言葉だった。
「……死んでもいいって、お前なんかあったのか?」
「…………」
少女は何も答えず、再びパンを口に運び始めた。しばらく2人の間に沈黙が流れたが、それを断ち切る様に、猫が口を開いた。
「すまねぇ…気にしないでくれ、コイツだって、死にたくてここに座ってる訳じゃねぇんだ」
「…お…おう、ならいいんだけどよ」
葵は、猫の言葉に少し絆された。しかし、今まで葵が生きてきた中で、1番重たい言葉を聞いた感覚はまだ残っている。この様な感覚を、どんな言葉で表現すれば良いのか葵には分からなかった。
「てか、お前はここで何してんだよ?お前もサボりか?1限目なのに不良だな〜」
「…うっうるせぇよ、てかそれを言うならお前のご主人様もだろぉ?」
「コイツはご主人様じゃねぇよ!!吾輩の頼れる相棒だ!」
「…相棒?……あっ!!!」
葵はハッとした。他の話題で流されていたが、1番聞きたい事を聞けていなかった。先日から聞きたくて夜も眠れない程気になっていた事を、葵は2人に問にしてぶつけた。
「お前らなんなんだよっ?!てか昨日の説明しろよ!まずは、お前らがなんのかを教えろ!!」
「あぁ?お前もしかしてまだ分からねぇのか?あんなにテレビで大大的に公表されてるのにか?」
「テレビ……お前ら有名人なのか?」
「ダメだコイツ…絶対ニュースとか見ないタイプだ」
「………はぁ」
猫は明らかに呆れ、少女はため息をつき、散々な反応をされ、流石の葵も焦り、最近見たニュースを振り返る。
コンビニ強盗事件、人気アナウンサーの不倫報道、少年少女の犯罪件数増加に少子高齢化問題と、葵の頭には次々と社会に起こった事件が流れていく。
すると、1つの言葉が頭に突如現れた。
「……改心」
「……」
「…そうだ昨日!有名企業の社長が、自分がしたパワハラとか暴言とかを告白して謝罪会見してたっ!!」
「…ほう?それで?」
「……」
猫は興味深そうな顔で葵を見つめ、少女は動きを止め、聞き耳を立て葵の話を静かに聞いている様だった。
「確か…その会社の社長も改心されたってネットで出回ってた…」
「”心の怪盗団に改心された”って」
その場は一時の沈黙に埋め尽くされた。
しかし、またも猫が口を開いた。
「……どうやら、”今回も”改心したみたいだな」
「……うん」
「お前ら…やっぱり…」
葵は恐る恐る聞いた。
すると、分かっていたかの様に、猫が自慢げに即答した。
「あぁ…そうだ、吾輩達は……」
「”心の怪盗団 ザ・ファントムだ”」
「……ねぇ」
少女が急に口を開いた。少し眉間にシワを寄せ、葵を睨みつけながら言った。
「…こんなバカに……私達の正体バラしていいの?」
「あ…?バカ?……誰がバカだよっ?!」
葵はいきなり自分の悪口を言われ驚きつつも、遅れ気味にツッコミを入れた。
「…もし…コイツが口を滑らして私達の事を言ったら……怪盗の活動が出来なくなる」
少女は未だに眉間にシワを寄せ、葵を睨みつけていた。明らかに、葵を警戒している様だった。
しかし、少女を落ち着かせるように、猫が少女に語りかけた。
「大丈夫さ、ただし”コイツはな”」
to be continued