しばらくすると段々落ち着いてきた。そのタイミングを見計らって目黒が目に当ててたタオルを取り、俺をソファに横にした後、冷たいタオルをのせた。
「…落ち着きました?」
「…うん。…ごめん、ありがとう。」
「気にしないでください。落ち着いたようでよかったです。」
「…」
「…ねぇ、舘さん。」
「…何?」
「どこか辛いところないですか?雨あんだけ打たれたら体調とか悪くなってそうですが。」
手遅れだとは思ってたのか。そう思いながら自分に意識を向けてみる。
「…頭、痛い、かも。」
「…やっぱり。…とりあえず頭痛薬と…体温計持ってきますね。」
そう言って目黒は俺の傍を離れた。暫くすると戻ってきて失礼しますと言って俺の脇に体温計を挟んだ。終わるまで目黒は俺の頭を撫でていた。いつもだったら抵抗するのに今はそれが心地よくてじっとしてた。やがて終了の音がなると俺が取る前に目黒が素早く取った。まぁ自分が取ったところで今はタオルで目が塞がれてるので見れはしないが。
「…これは…舘さん聞かない方がいいかも。」
「……何度?」
「…言っていいんすか?」
「うん。」
「…38.1度です。…今までよく平然な顔してましたね…」
あぁ、だから何をするにも億劫で食欲もなかったのか。
「…明日…どうしよ…」
「とりあえずマネージャーに連絡してみます。…少しだけ待ってて下さい。」
そう言って目黒はまた俺の傍を離れた。少し寂しいと思うのは熱のせいなんだろう。…タオル、邪魔だな。そう思って目にのってたタオルをはずし、近くに置いた。暫く天井を眺めていると目黒が戻ってきた。
「舘さん、とりあえず明日の仕事は他のメンバーにまわせたらしいのでまわしときました。んで、暫くはお休み取れたのでそこで体調回復していきましょ。」
「……め、わく」
「ん?」
「……迷惑、かけた…」
「迷惑じゃないですよ。…だから泣かないで下さい。」
え?っと思った瞬間頬に涙が落ちる感覚がして、泣いてるんだなと他人事のように思った。
「舘さん…あなたは強い人だからできれば周りに迷惑をかけたくない…って思うこともあると思います。…でも俺たちがしてるのは迷惑じゃなくて心配です。舘さんは不安になるくらい努力をする人だから。無理してないか不安で心配なんです。…ほら、みんな迷惑だなんて言ってないでしょう?」
そう言って目黒はグループメールの画面を見せた。そこには熱をだした俺に対する心配の声や明日の仕事をまわされたやつがやる気満々で意気込んでいるメールが送られていた。それを見て涙がまた止まらなくなった俺に目黒は
「…これで俺たちがどれほど心配してるかわかったでしょ?自覚して下さいね。…じゃあ今日はもう休みましょうか。」
と言って俺を抱き上げた。
「…っ、自分で、歩けるからっ」
「駄目でーす。病人は大人しく抱かれといて下さーい。」
そして寝室につくと俺をそっとベッドに降ろし、電気を消した。すると今まで来なかった眠気がやってきた。
「舘さんおやすみなさい。」
「…まって、、目黒…」
「どうしました?」
「…あり…が…と…」
最後の言葉は目黒に届いてたかは分からないが届いてるといいなと思い、眠りについた。
コメント
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次のお話でも書きますが、次回から体調不良表現が多く(過激に)なります。そういうのが苦手だよって方は閲覧をお控え下さいm(_ _)m
ありがとうございます! 主様の物語大好きです!!🥰
めっちゃ好き♡……