テラーノベル
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私立高校の騒がしい廊下を行き交う生徒たちの中で、彼ら四人の存在は、否が応でも目立っていた。不破湊、イブラヒム、葛葉、ローレン・イロアス。同じクラスになり、いつの間にかつるむようになった四人は、校内でも指折りの「モテる男たち」として、周囲の視線を常に集めていた。しかし、不思議なことに、四人の中に彼女持ちは一人もいなかった。
不破湊にいたっては、「常に複数の女子と付き合っているらしい」「週末ごとに違う女の子とデートしている」などという、まことしやかな噂が絶えなかった。だが、その実態はあまりにも拍子抜けするものだった。不破はただ、話しかけてくる女の子たちを退屈させたくないという、天性のサービス精神だけで喋っているに過ぎず、その胸の内には「誰かを特別に好きになる」という感情が、これっぽっちも存在していなかった。「だってさ、女の子が楽しそうに笑ってんの、見てて気分ええやん? それだけやで」不破はいつも、そう言って人畜無害に笑うだけだった。本気で誰かに執着することのない、どこか空っぽで、だからこそ誰にでも優しいエンターテイナー。それが不破湊という男だった。
そして、その四人の絶妙なバランスを、最も冷静に見つめていたのがイブラヒムだった。一見、気怠げで何事にも熱くならない現実主義者に見えるが、彼は四人の中で最も「空気が読める」男であり、人間関係の機微に対する観察眼は群を抜いていた。誰に対しても一歩引いた、程よい距離感で接する賢さ。イブラヒム自身も、女子生徒から密かに「落ち着いていて、どこか影があってかっこいい」と絶大な人気を誇っていたが、彼もまた、面倒な恋愛トラブルを避けるように、スマートに誰とも付き合わずにいた。イブラヒムは、この四人の関係性が壊れないよう、無意識のうちに調整弁の役割を果たしていたのだ。
一方で、誰に対してもぶっきらぼうで、気怠げな態度を崩さない葛葉。彼がモテるのは、その端正すぎる容姿と、たまに見せる子供のような無邪気さのギャップのせいだったが、彼に告白した女子は例外なく、一瞬で、かつ冷徹に振られていた。「好きな人いるから。ごめん」その一途で冷たい眼差しに、女子たちはさらに熱を上げるのだが、葛葉の視線の先にある「好きな人」が、毎日一緒にバカをやっている赤髪の同級生だとは、誰も夢にも思っていなかった。そして、その赤髪の少年――ローレン・イロアス。
誰に対しても優しく、困っている奴がいればサッと手を差し伸べ、それでいて男らしくてサバサバしている。体育祭や文化祭では主役級の活躍を見せ、女子からも男子からも告白される、この学校の「聖人」の一人だった。そんな四人が集まる放課後は、いつも静かな部室や、屋上へと続く踊り場で賑やかに流れていった。
登場人物説明みたいになっちゃってすみません、、!次回からゆるく始まります!
恋人になって終わりなんですけど、必要だったら続編が出るかもしれません。!
コメント
1件
いさん、第1話読ませていただきました! 四人それぞれの「モテるけど恋愛しない」理由が丁寧に描かれていて、すごく引き込まれました。特に不破くんの「サービス精神だけで誰も特別に好きじゃない」っていう空っぽさと、葛葉くんの「好きな人がいる」の視線の先が赤髪の同級生……ってところで、あっ!となりました。この絶妙なバランス、イブラヒムくんが調整役になってるのも納得です。 「登場人物説明みたいになっちゃってすみません」とのことですが、むしろ四人の輪郭がくっきり見えて、次回が楽しみになる導入でした!続編も気になります🌷
い
80
あき💫🌙

8,903