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「様々な武器を扱えてこその獄卒だが、自分に合いかつ、優れた武器を選び取る能力も必要不可欠。慧眼を示すのだ。」
「はぁ〜いせんせぇ〜」
間延びした声と共に1人の生徒が挙手した。
「オレとぉグザイはぁソレやらなくてもいいですかぁ〜?」
「なぜだデルタおまえは…」
「オレとグザイはぁ人通者なんでそんなんやっても意味無いっすよ笑笑」
「なに!?申請は…」
「するわけないっしょ。知られたら何かと面倒だしぃ。仲間にも手の内は明かすな〜って言葉があるじゃないっすか!」
デルタは教官の前まで行くと首から下げていたロザリオを人器化してみせた。
「じゃっじゃぁ〜ん!コレがオレの “ザ・パニッシャー” でぇーす」
「これは…」
「どっかの誰かさんは “品が無い”って言うかもしれねぇけどさぁ人器に品もクソも無いですよねぇ〜」
デルタは教室中に響き渡る大声でそう言った。
「って訳でオレとグザイはパスしまぁす。」
「わ、分かった」
「んで、それがあったのが3日前、だったか?じゃあお前食わず飲まずでこん中にいたって事!?オレらが通りかからなきゃお前死んでんじゃね!?」
あの日から3日が過ぎた頃、ザンカは教習所付近にある井戸の中にいた。
ただでさえプライドが折れる寸前だったのにあのデルタに負けていたことを知られたのだ。
「穴があったけ入っただけじゃ…もう…出れん…」
「…そうかい。ラムこれ食べるか?」
「え、なにそれ」
《ラム》
そう聞き馴染みのある名前に一瞬顔を上げたザンカは元婚約者のことを考えていた。
「みんながそれぞれ思う強そうな武器を選んだ…ヒョウもそうすると思った…だから俺は奇を衒った。ボロボロで武器として使えなさそうなのを選んだ。よくあるじゃろ。”実は凄い武器じゃった” ってやつ」
「実際、そうでも無かったと?」
「武器ですらなかった」
ザンカは引き攣った笑みを浮かべながらあの日のことを思い出していた。
「本物が選んだ武器は何の変哲もない刀じゃった。…フフ…フハハハ…俺だっさ!!ださいださい だっさいわほんま!ださすぎる!!」
情緒不安定なザンカは自分のことを《天才と言われただけのカス》や《死んだ方がマシだと》言った。
「あの人が離れてった理由も分かるわ。こんなだっさい奴なんかあの人は嫌うけぇのぉ!だから離れてったんや!俺が!ださくてしょぼいから!!」
「あの人って?」
「俺の…嫁になるはずの人や。めちゃくちゃ美人で強くて芯のある人や。でも、拒否されてしもた。こうなるのをあの人は知ってた!!だから遠くに行ってしまったんじゃ!!」
「その人は凡人は嫌いだって言ってたのか?1度でも」
「嫌いに決まっとる。あの人は型にハマらないただ強さを求めた奴が好きじゃ。…好きで好きで大好きじゃったのに…尊敬しとったのに…なんでじゃ…あぁ…俺が凡人やからか」
「え?」
その声に俯きかかっていた顔を上げたザンカ。
「凡人が天才超えればいいだけじゃね?。大体、天才の定義は人それぞれだしお前がその人の言う天才になる必要がどこにあんだよ。こっちにいるオレの仲間は言ってるぞ “お前まだヤル気あんじゃん” ってな。手放すはずのガラクタを握りしめてるお前。ただの通りすがりがあーだこーだ言うのもアレだけどよ。弱さに気付きゃ強くなれんだよ。ん〜そうだな、オレらまたまんじゅう食いにこの街来るからさ。いつか証明してくれや凡が天を超える所を」
そう言って《ただの通りすがり》は去っていった。
昔の夢を見ていたザンカはゆっくりと立ち上がり愛棒を手にした。
「言ったろうが、証明するまで死ねんと!凡人の底力見せちゃるわ!!」
そう叫んだザンカだったがそれは全て幻であった。
「底…ぢから…凡の…」
「ザンカくぅん、楽しい幻覚見てんだね笑」
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