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ここは福ノ神を祀る神社です。
ここにはたくさんの人間が、福ノ神に「願いを叶えてくれ」と頼みに来ます。
「神様仏様、どうか別れた彼女と復縁できますように……!」
──神様と仏様は違う存在だよ
──お前の彼女の前に、俺と俺の弟の縁を誰か取り持ってくれ
「受験に合格できますように!」
──まず、努力しろよ
──というか天神さんに言いに行けよ
「家族が末永く平和に……」
──いい子ぶりやがって
──自分の家族が崩壊してるのに、人の家族をなんで守らなきゃいけないんだ
人間とは身勝手な生き物です。神様を「15円で願いを叶えてくれる何でも屋」だと思っているのですから。
それでも福ノ神は泣きたい気持ちを堪えながら、人間の願い事を聞くのです。それが仕事ですから。
ところで、福ノ神にも叶えたい願いはありました。
生き別れた弟と会いたい。
一緒に暮らしたい。
俺の面倒を見てくれた人を呼び戻したい。
彼らとずっと、一緒にいたい。
そんな願いは、位が高いわけではないこの神様には、到底叶えることのできない願いです。
また彼は、1人静かにため息をつくのです。
「え……百鬼学園に?」
「なにか、文句でも?」
位の高い神様も、まあまあ身勝手なものでした。
福ノ神に、妖怪だらけの学校に偵察に行けと言うのです。
人を幸せにする福ノ神を幸せにする存在など、いないのでしょうか?
人に〝幸福〟を与えるだけで、自分の〝幸福〟は減っていく一方なのでしょうか?