jkside
“僕もあなたが大好きだよ。
待ってて欲しい。”
その言葉は言えなかった。
ここにまた帰ってくる保証などどこにもなかった。
彼に今、好きだと言ったら終わってしまう。
嘘だとバレてしまう
こんなに今苦しいのに、全てが無駄になる
僕らが出会ってから初めて、
あんな激しい怒りを露わにして、
僕を罵倒して、
泣きわめいて、
力尽きて気を失ったヒョン。
“グガと会わなければ
こんなことにはならなかった”
彼にそう言われた時、その通り過ぎて、
心に、思いっきり殴られたような鈍い痛みが走った
その時のヒョンの姿は、いつも、子供のように純粋な笑顔で僕を癒し、心地よさで包み込んでくれていたヒョンとは、まるで別人だった。
もうヒョンの綺麗な心は壊れてしまっていた。
せめてもの愛情をと、
優しく抱きしめて、
目を閉じてしまった彼の額に、触れるだけの
小さな口付けをする
5日間も飲まず食わずで、
こんな狭くて暗いところに力なく倒れてまで、
首から血を流してまで、
ずっと僕を待っていてくれたヒョンが
いじらしくて、
愛おしくて、
申し訳ない気持ちでいっぱいになる
でもそれと同時に、あと1日でも帰るのが遅ければ、ヒョンがここで死んでいたんじゃないかと怖くなった
僕も限界なら、ヒョンはそれ以上に限界だ。
やっぱり、、もう早くこんなこと辞めなきゃ。
ぐったりしたヒョンを腕に抱き上げて、
ベッドに移し、布団にその身体を包み込んだ。
そして、
もうこれ以上身体を傷つけて欲しくなくて、
痛ましい首の傷口にそっとガーゼを当てた。
ちょっと考えて、
ヒョンがこの傷をもう見なくて済むように
手に触れることがないように、
ガーゼの上から薄手のスカーフを巻きつける。
その細い首が苦しく締まってしまわないように、
でも決して解けることがないように、
しっかりと縛った。
覆った傷に触れながら、
その苦しげな寝顔を見つめる
こんな、、こんなことしてごめんね、泣
でも、、
僕が解いてあげるまでは外しちゃだめだよ。
もうどこも傷つけないで。
あと少し。
あと少しで終わるからね。
これでヒョンも楽になるから
僕が楽にしてあげるから、きっと。
jmside
🐣「グク、、グク、、、ねぇ、、グク、、、」
僕は目を瞑ったまま、グクを求めて手をさまよわせていた
それを直ぐに受け取めて握ってくれる、優しい手があることに、心が歓喜で震える
🐰「ヒョン、、?どうしたの?
不安になった?」
そのまま引き寄せられ、
僕はグクの腕の中にすっぽりと包み込まれた
大好きな香りが鼻をくすぐり、心地よくて、
身体がとろんと溶けて、なくなってしまいそうな気分
🐣「グガ、、いる、、グガがいる、、よかったぁ、、」
🐰「うん、僕はずっといるでしょう?
ねぇジミナ、、僕はジミナがいちばん大事だよ、大事すぎる。
もうずっと、僕がこうやって守っててあげるからね、」
🐣「うん、、ぐが、、もっと、、もっとぎゅうってして、、」
僕の背に回されている彼の手が、身体を強く抱き寄せてくれる
頭をそっと撫でられて、空に浮いて飛んでいってしまいそうな幸福感。
🐰「大丈夫だよ。
僕の横にいれば大丈夫だからね、ヒョンはなんにも心配しなくていいからね、、」
僕はこく、と小さく頷いて微笑み、
目を閉じて、グクの胸元にそっと頬を擦り寄せた
その体温を感じるだけで心が安堵し、
荒波立っていた心をふうっと鎮めてくれる。
彼の優しい香りに体全部を包み込んでもらう。
🐣「ねぇ、、、ぼくのこと、、好き?」
🐰「もちろん、大好きだよ。愛してる。
ほら、、
こっち向いて、、」
身体が離れたかと思うと、
顎をくい、と彼の方に向けさせられた
思わずぼんやりと瞼を開く。
グクが目を細めて、甘い蜜が溢れてきそうな、優しい笑顔で
僕を真っ直ぐに見つめてくれているのが見えた
僕もふわあっと頬が緩んで、グクに笑い返す
顔がゆっくり近づいてきて、
僕はまたそっと目を閉じた
🐣「ン、、、」
優しく唇が重ねられる
グクのこらえているような静かな息遣いを感じて、
その柔らかい感触に、甘い痺れが全身を駆け巡った
あぁ、、、幸せ、、
このまま、、
もうこのまま消えても構わない、、、
jmside
ぜんぶ夢だった。
目覚めてしまった。
グクはいなかった。
もう、どこにも。
リビングまで出てきて、
その真っ暗で冷たい現実に絶望して、
床にペタンと座り込む。
意識が途切れていた間だけ、
グクと笑いあって、
抱きしめあって、
キスをして、、
心が嘘のように楽になって、
ひたすら満たされていた。
もうグクのいない世界になんか、戻ってきたくなかった
苦しすぎた。
夢でも
幻想でも
思い出でも、
もうなんでもいいからグクに会いたかった。
ずっと一緒にいたかった。
現実では、そんなこともう無理なんだって分かってて、諦めている自分がいた。
もう死んでしまいたくなった僕を、
唯一思いとどまらせてくれたのは
まるで僕をこの世界に繋ぎ止めるように、しっかりと結ばれたこの首のスカーフと、
枕元に置いてあった短いメモ。
“ご飯しっかり食べて、もう泣かないで。”
たったそれだけのメモが、
僕を痛みから守るために、グクがつけてくれた、このスカーフが、
温かくて、優しくて、
まだ僕を離してくれなくて、
忘れさせてくれなくて、
楽にさせてくれなくて、
今もうすでに1週間帰ってこないグクを待つ、最後の苦しい理由だった
グガが結んでくれたままにしておきたくて、自分でスカーフを外そうとは、1度も思わなかったし、
どんな時でもグガがくれたメモを握りしめている。
書いてある通りにしてればいつか戻ってきてくれるかも、、と考えれば、
ずっと胸が詰まって食べられなかったご飯を口にできたし、水も飲めた
そして、
泣かないでと書いてあるから、もう絶対に泣かなかった。
いや、泣けなかった、が正しいか。
彼の言うことを聞かなければどうなるのかが恐ろしくて、
たくさんの涙を身体中に溜め込んで、必死で耐えていた。
こんな紙切れと布1枚だけで、僕の心を掴んで離さないんだから、
グクの存在は、
項に噛み跡なんかなくたって、そんな証明はなくたって、
僕の運命の番に他ならなかった。
でももちろん、それを考えれば考えるほど、
グクが隣にいない世界に、
グクと結ばれることができない世界に、
生きている理由などない。
それでも、
それと同時に、
僕はもう、グクに殺されでもしないと、死ぬ事ができないことも分かっていた。
🐣「もう、、つかれた、、、、」
🐰は、🐣の様子がおかしいのは分かっているけれど、
ここまで壊れてしまっていることに気づいていないみたい。
🐰はなにをしているのか。
🐣は、、
今日は1話で🙏
明日はお休みの方が多いのかな?私は普通に月曜日なんで、更新は夜遅くになると思います
気長にお待ちくださいませ
コメント
18件
スカーフと、夢の中で愛し合っていた2人が微かな希望に感じられて… 続きが気になって無駄にオメガバースの設定調べてますが、先が全く読めません〜汗
グカー やめなきゃって何?!また1週間も😭😭ジミナ、ちゃんと頑張ってるよ~(╥﹏╥)ジミナも大切だけど、自分も大切にしてよ~。・゚・(ノД`)・゚・お願い早く帰ってきて~。Reo.様も早く帰ってきてね💕待ってま~す💜
何らかの奇跡でグクが番になるという最高のエンドでありますように…… 明日も1日頑張ってください💞