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これは……
「私達が安楽死で、苦しみから開放されるまでの 1ヶ月間を書いた物語だ」
*2XXX年*。
東京で初めての安楽死が執行された。
勿論、安楽死に反対する者もいた。だが、この年の日本はあまりにも苦しかった。物価高の上昇、戦争での貧困、災害、病の流行などで苦しむ者の方が反対する者よりも圧倒的に多かった。
そんなとき、何万人という安楽死希望者の中から6人がX月X日に最初の安楽死者として選ばれたのだ。
私もその中の一人だった。
苦しみから開放される為。 自分の犯した罪を継ぐなる為。 死が怖い 為。 責任という鎖を外す為。 体の傷を無くす為。
生きていいか分からなくなった為。
そんなどうしようもない私達が死を待つ1ヶ月間 私 達はその1ヶ月間で
何を見つけ、
改めて 死について、どう思ったのだろうか?
「ここがお前達の部屋だ。外出も自由だし、何か欲しい物があったら何でも準備しよう。ここでゆっくりと残りを過ごしてくれ。途中で死が怖くなったならいつでも中止にできる。」
死が怖くなる…?笑わせるな。どんな気持ちでここに来たことか。
そんな事を思っていると、作業着を来た係員のような人は出ていってしまった。周りを見るとかなり広い部屋のようだ。さらに6つのドアがあり、部屋が続いているようだ。
すると6つの中の一つのドアがゆっくりと開いた。そこにはドアから少し顔を覗かせ中学生くらいの女の子がこちらを見つめていた。
どうやら、安楽死希望者達と、これから1ヶ月、ここで安楽死を共に待たなきゃいけないらしい。 正直人と仲良くするのは好きではない。その子がこちらを見ているのを知って、彼女から目を背けた。
するといきなりもう一つのドアが勢い良く開いた。私は驚きで一瞬体がビクッと反応した。
「ん?あっれぇ〜。もしかして君が最後の安楽死希望者ー??遅かったねぇ。あ〜そこの変な女はほっといていいよ。アイツちょっと精神に異常があるらしーし。」
いかにもチャラそうなイケメンがそう答えた。
自分はこういうノリが苦手なのでまた無視をした。その騒ぎを聞きつけたのかドアから次から次へと人が出てきた。どうやら私がここに来た最後の6人目だったらしい。ドアに隠れていた子も、そろ〜っとドアから出てきた。
「とりあえず、皆さん、まずは自己紹介をしましょう。」いかにも真面目そうな大人の女性がそう言うと皆も賛成した。
「俺の名前は 桐谷 涼介!大学生やらせてもらってま〜す!ちーす!」 チャラそうな男はそう答えた。
「私の名前は石橋 未来です。社会人、26歳。1ヶ月と言う短い期間ですが、よろしくお願いします」 眼鏡をかけた、真面目そうな女性だ。
「小林 葵……。中学2年。」 さっきまでドアでこっちを覗いていた子だ。暗い顔でそう言い終わるとまた部屋へと戻ってしまった…。
「松島 雄一。30だ。宜しく。」 皆に冷たい目を向けると部屋の真ん中のソファーに腰を掛けた。
「中島 小春 です!!小学3年生です。」 こんな小さな子まで安楽死を希望するんだ…。そんな事を考えていると、どうやら次は私の番らしい
「岩山 紗綾!中1だよ!宜しくね!」 自分の中でのキャラクター定まっていなくて、明るくいた自分でさえ気持ち悪く感じてしまう。自分一体、どういたいのだろうか?
ッ!?
ゲホッ…グヘッ、 エホエホッ
突然苦しそうに小春と言う少女が咳き込むと、血が床に飛び散った。
「大丈夫ですか!?とりあえず、係員さんを呼びましょう!小林さんの後ろのそこのボタン!そのボタンで係員さんが呼べたはずです!早く!」
未来さんが急いで対応し、葵さんがボタンを押すと、すぐに係員が来て、小春さんを連れて行ってしまった。
「ひとまず安心ですね。ですけど、こんな中楽しくお喋りもしにくいでしょう…。ひとまず今日はここらへんでお開きと行きましょうか…」
そう言うと皆自分の部屋に戻っていってしまった。一人広い部屋に残されると、私は
上手くやっていけるかな
どうせ一ヶ月後には死ぬのに、そんな事を考えていた。