この話の設定はほぼ全て非公式です
また、主の自己解釈も多く含みます
それでも良いよって方だけお進みください
パチっと目を開ける。ずっと目を瞑っていたためすぐに周りの暗さに慣れた。
本当は灯りをつけたいがテントで仕切りもない上に、ランプをつけてしまうと音で隣に寝ている相棒を起こしてしまう可能性がある。
そっと、音を立てないように枕元に置いてある時計に目をやる。
時間は午前1時過ぎ。健康な人ならもう深い眠りについている時間だ。
ふと、隣で寝ているシグキンへと目を向ける。
ハァハァと呼吸が荒い。それに汗をかいているようだ。枕元や顔がぐっしょり濡れている。
あぁ、またか。また、相棒は、自分の過去の過ちのせいで苦しんでいるのだ。
本当はここで、相棒のために何かするのが正しいのだろう。ただ、今の私にそんな事が出来る余裕などない。
音を立てないように、苦しんでいる相棒を横目にテントから出ていく。
「……すまないバチ。」
そう、絞り出した言葉は、綺麗に光る月により消されてしまった。
「ハァ…。最近、ブスに磨きがかかっているバチなぁ… 」
総本山近くにある川をサングラスを外し覗いてみる。
「隈も酷いバチ…」
そう、この池沼は連日続く悪夢により上手く寝れていないのだ。
目元の隈はシグキンよりも濃いものになっていた。
「今はこのサングラスで隠せているバチけど…。てかこのサングラス、昔からつけてて良かったバチ」
はぁ。とため息をつきサングラスをかけ直す。
そしてすっと立ち上がり、総本山の復興のために木材等が積まれている場所へ向かう。
こういう眠れなくネガティブになっている時は体を動かすのが1番だ。 動いていればどんな事でも忘れられる。
また、生き物の気配を感じとりエネミーも来るだろう。
あいつらは鬱憤ばらしには最適だ。
「さてと、私は私の出来る事をするバチ!」
いつものように明るい声で自分を鼓舞し作業に取り掛かった。
(………。)
黙々と作業をしていると、後ろから気配を感じた。敵かと思い振り返ってみるとそこには起きたばかりであろうシグキンがいた。
あぁ、また、隈を濃くして、少しふらついて…。本人は無意識のようだがあのままだと体がもたないだろう。
(でも、私が皆のために出来る事なんて、ないんだバチ…。)
貴方の異常に気づいておきながら何も出来ないでごめんなさい。
(私がいたから、他の池沼にも、大好きなシグキンにも、迷惑かけちゃってるバチ…。)
もういっそのこと皆の前から行方をくらませて1人孤独に死んでみようか。
はっと、冷静になる。
ダメだ。そんな事をしてしまえば、シグキンはもっと追い込まれてしまう…。
(私は、私は、どうすれば良いんだバチ……?)
泣きそうになるのを堪えて、 さっきまで考えた事を悟られないように、いつも通りのワタシでいられるように、無理やり口角を上げ、声を張り上げ、シグキンに声をかけた。
「やっと起きたバチか!シグキン!!」
コメント
2件
うわあマジで良すぎる…バチちゃんが隈が濃いっていうのを不眠に解釈したのが天才的すぎる…全部抱え込んじゃうの辛い…原作と同じセリフなの「愛」を感じる…とにかく最高でした。ありがとうございます美味しかったです!!!