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刻龍樹side
コートの中の景色と、外から見る景色は全く違う。
そんなこと当たり前かもしれないけど、その当たり前を再確認した。
今、目の前に居るこの子達にはコートの中から見る景色で戦っている。
その景色は焦りや怒り。逆に喜びなども生む。
だけど、この子達はきっと、自分の実力を自覚し、その今の自分で出来る事を模索している。
ブロックも、レシーブも、スパイクも、サーブも。
全部、全部まだ自分を探している君たちに助言を渡すのが僕の役割なのだろう。
「 きっと、伸びるよ。彼らなら。 」
「 …そうですね。この子達なら。伸びる、せやと思います。 」
蘆谷先生も隣で頷く。
それから試合は続いた。
Bチームは個人の実力をセッターの夜桜君がしっかり使っている感じだった。
リベロの木萩君も丁寧にしっかりセッターのところまでボールを持って行く。
石井君、草ノ瀬君。二人ともウィングスパイカーとして、
しっかり点を取って、それに加えてフォローも上手い。
そしてミドルブロッカー、箕井垣君と浅原君。
二人はブロックの息もあっていて、ドンピシャブロックって感じ。どっちも燕帝
山でずっと一緒にやってきたからかな。
そしてAチームはまだちぐはぐながらも息があっていた。
音島君のスパイクは綺麗だし、レシーブも綺麗に取れてる。
節君もしっかりレシーブで点をとっていく。
豊岡君も綺麗にセットしている。そして人を良く見ている。
弓空君は安定感がある。ここぞという時にしっかり決めてくれる。
仁木君はフェイントが凄く上手い。そして何処か僕と似ている気もした。
そして最後、矢野輝君。彼は今日まだ一回もスパイクを決めれていない。
きっと、豊岡君が上手く彼の感情も使っていくんだろうけど…
見ていて飽きないチームだった。
俺はこの学校に来て正解だった。
このチームなら…この皆なら、
“最大限の変化”を遂げれる。
そう思った。
僕が、この皆を頂きの景色に。